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モルタル外壁の魅力:メリットとデメリットを解説

目次

 

モルタルとは、セメントと砂、水を混ぜ合わせた建材です。サイディングやタイルとは異なり、職人が一軒ずつ手作業で塗り上げるため、同じ仕上がりの家は二つとありません。塗り方や工法によって表情が変わり、個性的で魅力的な外壁が実現します。

また、サイディングのようなボード間の継ぎ目(目地)がなく、滑らかで美しい仕上がりになるのもモルタル外壁の大きな特徴です。

 

モルタル外壁は、1980年代頃に外壁材として広く普及しました。その後、サイディングなど施工性の高い外壁材が登場しましたが、モルタル外壁は現在でも根強い人気を誇ります。その魅力は、日本の伝統的な建築様式にも調和し、現代的なデザインにも柔軟に対応できる点にあります。

 

モルタルが普及したのは

 

モルタル外壁が広く使われるようになった背景には、その優れた耐火性が大きく関係しています。昔の日本の家屋は木材などの自然素材を多く使用していたため、火災に弱いという弱点がありました。関東大震災では、火災が広範囲に広がり東京は焼け野原となりました。このような歴史的背景から、燃えにくいモルタルが外壁材として注目されるようになったのです。さらに建築基準法が制定され、外壁材に一定の防火性能が義務付けられたことで、モルタルの普及が加速しました。

 

モルタル外壁の種類

 

リシン仕上げ

 

リシン仕上げは、よく使われている仕上げで、表面に凹凸がありザラザラとした質感です。温かみがあり、マットで落ち着いた風合いが魅力です。

リシン仕上げは他の仕上げと比較して施工費が安価なため、最もスタンダードな仕上げ方になります。

 

リシンかき落とし

リシンかき落としとは、リシン仕上げの後でブラシや尖った部材で表面をひっかく方法です。通常のリシン仕上げよりも重厚感が出ますが、費用は少しだけ高くなります。

 

スタッコ仕上げ

 

化粧漆喰と呼ばれるセメント・合成樹脂・骨材が含まれたスタッコを専用のスプレーガンで吹き付けて仕上げます。スタッコ仕上げの外壁は、塗膜の厚さによりひび割れのリスクが低減され、風格のある重厚な外観が実現できます。

ただし、凹凸が多い形状のため、塗膜の厚みにばらつきが生じやすく、また、汚れが付着すると除去が困難な点に注意が必要です。

 

吹き付けタイル仕上げ

 

モルタルを塗布した後、タイルガンという専用機材で塗材を吹き付けます。

タイルと称されてはいますが、その表面はリシンやスタッコよりも、よりランダムな質感を持つのが特徴です。素材に合成樹脂が含まれているので水を弾きやすく、表面は陶磁器のように滑らかです。

 

左官仕上げ

 

左官仕上げは、職人がコテを利用して仕上げる工法です。他の仕上げとは異なり、一つとして同じ表情はなく、独特の風合いが生まれます。綺麗に塗り上げるためには、職人の高い技術が必須になってきます。

 

モルタル外壁は、仕上げ方によってはまるで別の外壁のように見えることもありますが、どれも同じモルタル外壁です。

モルタルの仕上げは、職人さんの手作業で行われます。そのため、理想の仕上がりを求めるなら、経験豊富なベテランの職人さんの技術が欠かせません。外壁塗装を検討する際は、施工業者選びを慎重に行うことが大切です。

 

モルタル外壁:メリット

意匠性が高い

モルタル外壁はコテや吹き付けなどの様々な技法を用いて、多彩な表情を生み出すことができます。色や仕上げ材の種類も豊富なので、和風な建物から現代スタイルの建物に合わせたデザインが可能です。

 

デザインの自由度が高い

サイディングなどと比べて、デザインの自由度が非常に高いです。曲線やアーチなど、複雑な形状にも対応できるため、オリジナリティあふれる外観を実現できます。

また、タイルやレンガ、石などの異素材と組み合わせることで、さらに個性的なデザインにすることも可能です。

 

遮熱性に優れる

モルタルは、金属製の外壁材と比べて熱を吸収しにくいため、夏場の室温上昇を抑える効果が期待できます。特に、厚みのあるモルタル外壁は、断熱性も高いため、冷暖房効率の向上にもつながります。

 

耐火性が高い

モルタルの主成分であるセメントは、不燃性の材料であるため耐火性に優れています。

万が一、火災が発生した場合でも延焼を防ぎ、建物の被害を最小限に抑える効果が期待できます。

 

目地がない

モルタル外壁は、サイディングなどのようにパネルを貼り合わせていく工法ではないため、目地(継ぎ目)がありません。これにより、外観が美しく仕上がるだけでなく、目地からの雨水侵入やシーリング材の劣化といった心配もなくなります。

 

モルタル外壁:デメリット

 

ひび割れが発生しやすい

モルタルは、乾燥や温度変化によって収縮する性質があります。時間の経過とともにひび割れが発生しやすく、特に地震や地盤沈下などの外部からの力が加わると、ひび割れが大きくなることがあります。ヘアクラックと呼ばれる髪の毛ほどの細いひび割れから、構造に影響を与えるひび割れまで、様々な種類のひび割れが発生します。

 

汚れがつきやすい

モルタル外壁は、表面に微細な凹凸があるため、空気中の汚れや雨水に含まれる汚れが付着しやすい傾向があります。カビやコケも発生しやすく、美観を損ねるだけでなく、建物の劣化を早める原因にもなります。

 

職人の技術で仕上がりに差が出やすい

モルタル外壁は、左官職人の手作業によって仕上げられるため、職人の技術や経験によって仕上がりに差が出やすいという特徴があります。職人の技術力に大きく左右されるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

 

モルタル外壁劣化症状

 

ヘアクラック・構造クラック

モルタル外壁の家に多い劣化症状がクラックです。緊急性のないヘアクラックから、幅0.3mm、深さ4mm以上のコーキング補修が必要な構造クラックと2種類あります。

クラックは伸縮の繰り返しや、地震などの地盤沈下によって起こります。

 

チョーキング

外壁の表面にチョークの様な粉が付きます。手で触ることで確認できます。この状態は塗膜が劣化し、防水効果が低下しています。症状が酷くなると、雨水などの浸水の恐れが出てきます。

 

カビ・苔

塗膜が劣化することにより、防汚性が低下し、苔や汚れが付着しやすくなりますので、汚れに気づいた時点で洗浄をされることをおすすめします。その際水圧には十分注意が必要です。

 

雨だれ

雨によって流れきれなかった汚れが壁に沿って筋状に出てきます。雨だれはこすっても汚れが落ちにくく、塗替えが必要になります。どうしても雨だれはつきやすいので、塗装される場合は低汚染塗料をおすすめします。

 

補修方法について

 

モルタル壁の表面を塗り替える

軽度のひび割れ(ヘアクラック)や、汚れ、色あせなど、表面的な劣化が見られる場合に行います。塗り替えによって、美観を回復し、防水性を高めることができます。

注意点

ヘアクラック程度の小さなひび割れであれば、DIYで補修することも可能です。

しかし、深いひび割れや、モルタルが破損している場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。深いひび割れは、構造に影響を与えている可能性もあるため、専門家の診断が必要です。

 

モルタル壁の補強を行う

浮きや剥がれ、深いひび割れなど、モルタル自体に損傷がある場合に行われます。

損傷した部分を補修材で埋めたり、モルタルを塗り重ねたりすることで、強度を回復させます。

注意点

浮きや剥がれは、モルタル壁の内部に水が浸入し、劣化が進んでいるサインです。塗膜を完全に除去し、モルタルで補修する必要があります。劣化がひどい場合は、内部の構造材まで損傷している可能性もあるため、専門業者に点検してもらうことをおすすめします。

 

新たにモルタル壁を作成する

劣化が著しく、広範囲にわたる損傷がある場合や、構造的な問題がある場合に行われます。

既存のモルタル壁を撤去し、新たにモルタルを塗り直します。

 

※補修場所が高所の場合は、転落などの危険が伴います。足場の設置や、安全対策が必要となるため、専門業者に相談しましょう。

 

このような方にモルタル外壁はおすすめ

デザイン性を重視する方

モルタル外壁は、一軒一軒手作業によって仕上げられるため、唯一無二のデザインに仕上げることが可能です。デザインにこだわり、個性的な外観を求める方におすすめです。

 

自然な風合いを好む方

モルタル外壁は、セメントや砂などの自然素材を主成分としており、温かみのある風合いが特徴です。自然な素材感を好む方や、和風住宅にもよく似合います。

 

耐久性を重視する方

モルタル外壁は、適切にメンテナンスを行えば、約30年以上の耐久性があると言われています。耐火性や遮音性にも優れており、安心して暮らしたい方におすすめです。

 

個性を表現したい方

モルタル外壁は、色や質感、デザインなど様々な要素を組み合わせることで、オリジナルの外観を作り出すことができます。他の住宅とは違う、個性的な住まいを求める方におすすめです。

 

まとめ

モルタル外壁は、職人が一軒ずつ手作業で塗り上げていきます。塗り方や工法によって表情が変わり、個性的で魅力的な外壁が実現します。

意匠性が高くデザイン性にすぐれているモルタル外壁ですが、ひび割れや施工する職人によって仕上がりに差が出てくるなどのデメリットもありますので、注意が必要です。

モルタル外壁の劣化は、汚れ、ひび割れ、カビ・苔などで確認できます。

モルタル外壁は、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、長期にわたり美観と性能を維持することができます。劣化サインを見つけたら、早めに専門業者に相談し、適切な対策を行いましょう。