家を新築すると…
新築のマイホームには、住宅メーカーから
「10年間の長期保証」がついています。
この保証は
「瑕疵担保責任」
と呼ばれ、引渡し後に住宅に見つかった不具合(瑕疵)について、住宅メーカーが対応する責任を負うものです。
そして、新築から10年が経過する頃に、住宅メーカーから無料点検のお知らせが届きます。
点検後、必要なメンテナンスの見積もりが提示され、それに沿って有償で補修工事を行えば、
さらに10年間の保証延長を受けることができます。
このように、住宅メーカーは保証を延ばす仕組みを設けることで、住まい手が
長く安心して暮らせるようサポートしています。
ハウスメーカーの住宅延長保証…そもそもどんな仕組み?
延長保証ってよく聞くけど、実際どういう流れ?
「延長保証ってどういう仕組み?」と感じる方も多いのでは?
ここからは、実際のお客様との会話を通して、よりわかりやすく解説していきます。
保証対象は「構造躯体」と「雨漏り」のみ
- ① 構造躯体(柱・梁などの構造耐力上主要な部分)
- ② 雨漏り(雨水の侵入を防ぐ部分)
これらは、瑕疵(欠陥)やその影響による不具合がある場合に限り、保証対象となります。
しかし、以下のような自然災害による損傷は保証外です。
自然災害(台風・地震・津波・洪水…)は対象外です
▶ 例えば:地震で柱が傾いたり、台風で屋根瓦が割れて雨漏りしても、延長保証では対応されません。
→ この場合は火災保険・地震保険での対応が必要です。
つまり、延長保証の本質は「瑕疵住宅に対する保証」ということになります。
契約内容は要確認!
延長保証は住宅の品質を長く守るための制度ですが、契約内容によって保証範囲・条件が大きく異なります。
契約時には、何が対象で、何が対象外なのかをしっかり確認しましょう。
🔍 ワンポイントアドバイス!
家が傷みやすいのは「水まわり」や「外回り」の部分です。
屋根や外壁、キッチン・バス・トイレなどは構造部よりも早く劣化します。
しかしこれらの設備は、延長保証の対象外であるケースがほとんど。
設備の平均寿命は12〜15年。
故障や劣化を防ぐには、日頃の手入れと定期点検が欠かせません。
無償保証だけでなく、無償点検の内容もよく確認しておきましょう。
なぜ住宅メーカーが延長保証をすすめるのか?
新築住宅には、法律で10年間の瑕疵保証が義務づけられています。
この保証期間が終わる頃、住宅メーカーから延長保証の案内が届くのはよくあることです。
多くの施主様は「何となく安心そうだから」と、比較検討せずに延長契約をしてしまいがちです。
しかし、そこには住宅メーカー側の“見えないメリット”が潜んでいるのです。
住宅メーカーにとっての延長保証のメリット
- 価格を比較されにくいため、メンテナンス費用を高めに設定できる
- 相見積もりされにくいため、利益率が高い
- 保証内容が限定的(瑕疵や重大不具合に限られる)なため、リスクが小さい
一見、安心できそうな延長保証も、実は住宅メーカーが利益を得やすい仕組みになっていることを覚えておきましょう。
⚠️ ここも注意!外壁・シロアリ業者の訪問勧誘に要警戒
最近ではリフォーム産業の活性化により、
築5年を過ぎると「外壁塗装」や「シロアリ防除」などの訪問勧誘が増えてきます。
無料点検の名目で訪問し、「このまま放置すると危険です!」と大げさに不安を煽って契約を迫ってくる業者もいます。
▶ その場ですぐ契約せず、必ず他社の意見を聞いたり、専門家に相談するようにしましょう。
メンテナンスをお得にする方法!
住宅の「資産価値の維持」や「高寿命化」のためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
住宅メーカーは10年が経過すると、有償のメンテナンス工事を条件に延長保証をすすめてきます。
※ご注意ください!
延長保証工事は任意であり、必ず受ける必要はありません。
住宅メーカーから「この工事をしないと延長保証が受けられません」と言われると不安になってしまいますが、その必要性をしっかりと見極めることが大切です。
メーカー指定の工事は割高になりがち
- 本来15年後で良い工事でも、早めに施工をすすめられる
- 価格が相場より高い傾向がある
- 専門店に比べて選択肢が少ない
実は、住宅メーカーでなくても専門店で保証付きメンテナンスが受けられます。
専門店の方が費用も抑えられ、柔軟な対応も可能です。
💡 お得にメンテナンスするためのポイント
- 住宅メーカー以外の専門店にも相談して相見積もりをとる
- 延長保証に必要な工事かどうかを第三者に確認してもらう
- 保証内容・価格・点検サービスの総合的な比較をする
まとめ:住宅メーカーの延長保証、本当に必要ですか?
住宅メーカーがすすめてくる延長保証には、有償のメンテナンス工事が条件としてついています。
しかし実際に保証されるのは、
①構造躯体 と ②雨漏り の2点のみで、
それも瑕疵(欠陥)が原因の場合に限られる内容です。
※自然災害による被害(地震・台風・落雷など)は保証対象外
→ 火災保険や地震保険など、別の保険でカバーされます。
私たちのような専門業者でも、保証付きで高品質なメンテナンスを提供しています。
メーカーよりも価格が抑えられる上に、実際に必要なメンテナンスだけを適正価格でご提案しています。
事務スタッフからのひとこと
私もこれまでにたくさんのお客様とお話をしてきましたが、
「延長保証が当たり前と思っていたけど、説明を聞いて納得した」と言われる方が多くいらっしゃいます。
保証という言葉に惑わされず、本当に必要なメンテナンスかどうかを、しっかり見極めることが大切です。
ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
私たちは「お客様にとって本当に必要なこと」を一緒に考えていきたいと思っています。
住宅メーカーの延長保証を受ける前に、
ぜひ一度、保証内容・価格・メンテナンスの必要性について見直してみてください。
その上で、信頼できる専門業者と比較することをおすすめします。