更新日:2026年9月1日

「外壁塗装をすれば、防水工事もできたことになるの?」
「ベランダの防水工事と外壁塗装は、何が違う?」
「外壁にひび割れがある場合は、塗装と防水のどちらを頼めばいい?」
外壁塗装と防水工事は、どちらも住まいを雨水から守ることに関係するため、違いが分かりにくい工事です。
先に結論をいうと、外壁塗装と防水工事は同じ工事ではありません。
外壁塗装は、塗膜によって外壁材の表面を紫外線や雨風などから守る工事です。
一方、防水工事は、ベランダやバルコニー、屋上などに防水層をつくり、雨水が建物内部へ入り込むのを防ぐために行います。
ただし、実際の住まいでは「塗装か防水か」の二択ではありません。
外壁塗装とベランダ防水を一緒に行うこともあれば、ひび割れを補修してから外壁塗装をすることもあります。雨漏りがある場合には、塗装や防水を決める前に原因を調べることが必要です。
この記事では、外壁塗装と防水工事の違いから、ご自宅ではどのように考えればよいのかまで分かりやすく整理します。
外壁塗装と防水工事は何が違う?

まずは、それぞれの役割を簡単に整理してみましょう。
| 比較 | 外壁塗装 | 防水工事 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 外壁材の表面を保護する | 雨水の浸入を防ぐ防水層をつくる・改修する |
| 主な施工場所 | サイディング、モルタルなどの外壁 | ベランダ、バルコニー、屋上、陸屋根など |
| 主な材料 | 外壁用塗料 | ウレタン、FRP、防水シートなど |
どちらも水から建物を守ることに関係していますが、守る場所や仕組みが異なります。
ここを理解しておくと、「外壁塗装をすれば家全体の防水も終わる」という誤解を防ぎやすくなります。
外壁塗装にも雨から外壁を守る役割があります
では、「外壁塗装には防水の役割がないのか」というと、そういう意味ではありません。
外壁塗装によってつくられる塗膜は、紫外線や雨風から外壁材の表面を保護しています。
塗膜が劣化すると、外壁材が水分の影響を受けやすくなることがあるため、状態に応じて塗り替えを行うことは外壁を守るうえで大切です。
ただし、「外壁用の塗料を塗ること」と「ベランダや屋上に防水層をつくること」は別の工事です。
たとえば、外壁をきれいに塗り替えたからといって、劣化したベランダの防水層まで直るわけではありません。
反対に、ベランダの防水工事をしたからといって、外壁の劣化まで改善するわけでもありません。
防水工事を行うことが多いのはベランダ・屋上など
防水工事は、雨を受ける面や水が滞留する可能性のある場所で行われます。
住宅で代表的なのは、次のような場所です。
・ベランダ
・バルコニー
・屋上
・陸屋根
・建物によっては外廊下や庇など
防水工事にも、ウレタン防水、FRP防水、シート防水など複数の方法があります。
どの方法を使うかは、現在の防水の種類、下地の状態、施工場所、形状などを確認して判断します。
また、ベランダの表面が色あせているからといって、すぐに防水層をすべて作り直すとは限りません。
防水層そのものに大きな問題がなければ、表面を保護しているトップコートのメンテナンスで対応できることもあります。
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外壁にひび割れがある場合は塗装?防水?
外壁にひび割れを見つけると、
「水が入りそうだから、防水工事が必要なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、ひび割れがあるからといって、一律に「外壁塗装」または「防水工事」と決めることはできません。
まず確認したいのは、ひび割れの状態です。
・表面だけの細かなひびなのか
・外壁材まで影響しているのか
・長く伸びているのか
・同じ場所に繰り返し発生しているのか
・雨水の浸入が疑われる状態なのか
ひび割れの状態に応じて、下地補修を行ってから塗装する場合もあれば、外壁材や周辺部分をさらに確認する場合もあります。
ひび割れは幅だけで判断せず、場所・深さ・広がり方・周囲の状態を含めて見ることが大切です。
また、サイディング外壁では目地や窓まわりのコーキングも雨水の浸入を防ぐうえで重要です。
コーキングに割れや剥がれがある場合も、必ず同じ方法で補修するわけではなく、施工場所や既存状態を確認したうえで打ち替え・増し打ちなどを判断します。
ベランダの劣化は「表面」と「防水層」を分けて考える
ベランダの床に色あせやひび割れを見つけると、
「防水工事を全部やり直さないといけないのでは?」
と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、ベランダの表面に見えている仕上げと、その下にある防水層は分けて考える必要があります。
たとえば、表面の色あせやツヤ引けだけであれば、防水層自体に大きな問題がないこともあります。
一方で、防水層の膨れや破れ、下地まで影響している劣化、雨漏りにつながる症状がある場合には、防水層を含めた改修を検討することがあります。
見た目だけで「トップコートで大丈夫」「全面防水が必要」と決めず、今どこまで劣化しているかを確認することが大切です。
ベランダ防水の劣化症状については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ベランダの状態が気になる方へ
ベランダ防水は何年もつ?劣化サインと工事が必要な状態を分かりやすく解説
外壁塗装と防水工事を一緒に行うことはある?
はい。建物の状態によっては、外壁塗装とベランダ・屋上などの防水工事を同じ時期に行うことがあります。
たとえば外壁塗装を検討しているときに、ベランダや屋上にも劣化が見つかった場合です。
ただし、
「外壁塗装をするなら防水工事も必ず一緒にする」というものではありません。
外壁は塗り替え時期でも、ベランダの防水層はまだ良好という場合もあります。
反対に、外壁の塗り替え時期より先にベランダや屋上の防水メンテナンスが必要になることもあります。
大切なのは「築何年だから一緒にする」と決めることではなく、外壁と防水部分をそれぞれ確認することです。
なお、屋上や高所など足場が必要になる施工では、外壁塗装と時期を合わせることで足場を共用できる場合があります。
ただし、建物形状や施工内容によって足場の必要性は異なるため、「同時なら必ず足場代が安くなる」とは限りません。
雨漏りしているなら、塗装か防水かを決める前に原因確認
室内に雨染みがある、天井から水が落ちてきた、ベランダの下が濡れている。
このような場合に、
「外壁を塗れば雨漏りも直りますか?」
というご相談をいただくことがあります。
雨漏りが起きている場合は、最初から外壁塗装や防水工事のどちらかに決めるのではなく、雨水がどこから入っている可能性があるのかを確認することが先です。
雨水の浸入経路としては、外壁だけではなく、屋根、ベランダ、防水部分、シーリング、窓まわり、各部材の取り合い部分など、さまざまな箇所が考えられます。
原因が別の場所にあるのに外壁だけを塗装しても、雨漏りの原因そのものは解決できません。
同じように、雨漏りがあるからといって必ずベランダ防水が原因とも限りません。
雨漏りがある場合は「何を施工するか」より先に、「どこから水が入っているのか」を確認しましょう。
ベランダ下の濡れや雨染みについては、こちらの記事でも原因と確認ポイントを詳しく解説しています。
雨漏りが気になる方へ
ベランダ下が濡れている原因は?雨漏りの見分け方と防水工事の必要性を解説
自宅は外壁塗装?防水工事?症状から考える目安
最後に、よくある症状から「まず何を確認すればよいか」を整理します。
| 気になる状態 | まず考えたいこと |
|---|---|
| 外壁の色あせ・チョーキング | 外壁全体の状態を確認し、塗り替え時期を検討 |
| 外壁のひび割れ | ひびの状態・範囲・原因を確認し、補修方法を判断 |
| コーキングの割れ・剥がれ | 施工場所と劣化状態を確認し、補修方法を検討 |
| ベランダ表面の色あせ・ツヤ引け | 防水層の状態を確認し、トップコート等のメンテナンスを検討 |
| 防水層の膨れ・破れ・浮き | 防水層や下地の状態を確認し、防水改修の必要性を判断 |
| 屋上・陸屋根の防水劣化 | 防水層の種類と劣化状態を確認 |
| 室内の雨染み・雨漏り | 塗装や防水を決める前に雨水の浸入原因を確認 |
この表はあくまで考え方を整理するためのものです。
同じ「ひび割れ」「膨れ」という症状でも、施工場所や原因によって必要な工事は変わります。
症状の名前だけで工事方法を決めないことが大切です。
業者に見てもらうときは「工事名」より「原因」を聞く
外壁塗装と防水工事のどちらが必要なのか迷ったときは、
「防水工事をしてください」
と工事方法を先に決めるより、
「この症状は何が原因と考えられますか?」
「塗装だけで対応できる状態ですか?」
「防水層や下地まで確認する必要がありますか?」
と確認すると、ご自宅に必要な工事を整理しやすくなります。
見積書を見るときも、「外壁塗装一式」「防水工事一式」という工事名だけではなく、どの場所を、どのような状態と判断し、何を施工する予定なのかまで確認してみましょう。
まとめ|外壁塗装と防水工事は「どちらか一つ」とは限りません
外壁塗装と防水工事は、どちらも住まいを水や雨から守ることに関係していますが、目的や施工する場所は異なります。
外壁塗装:塗膜によって外壁材の表面を保護する
防水工事:ベランダや屋上などに防水層をつくり、雨水の浸入を防ぐ
ただし、実際の工事では「外壁塗装か防水工事か」の二択ではありません。
外壁のひび割れなら補修をしてから塗装する場合があります。
ベランダならトップコートだけでメンテナンスできることもあれば、防水層の改修が必要になることもあります。
雨漏りしている場合は、外壁塗装や防水工事を決める前に、まず原因を確認することが大切です。
「どの工事をするか」より先に、「どこが、どのような状態なのか」を確認する。
これが、ご自宅に合った外壁塗装・防水工事を考えるための大切なポイントです。




















