アパートの外壁塗装を検討するとき、オーナー様が迷いやすいのが、「見積もりには建物のどこまで含まれているのか」という点です。
戸建住宅であれば、外壁や屋根、雨樋などが主な確認場所になりますが、アパートには共用廊下、外階段、各住戸のベランダなどがあります。
さらに、同じ共用部分でも、壁と床では工事方法が違うことがあります。
アパートでは、場所ごとに工事内容が分かれることがあります。
- 共用廊下は、壁や天井は塗装、床は防水など別の工事になることがある
- 外階段は、手すり・鉄骨部分と床で施工方法が異なる
- ベランダは、内側の外壁や天井と床で工事内容が分かれることがある
また、建物の外側にあるものでも、素材によっては塗装しない部分があります。
そのため、見積もりでは金額だけを見るのではなく、「どこまでが塗装範囲なのか」「どこが別工事になるのか」を契約前に確認しておくことが大切です。
この記事では、アパート外壁塗装の見積もりを確認するときに知っておきたい、共用廊下・外階段・ベランダ・付帯部などの施工範囲について分かりやすく解説します。
1.外壁は正面・側面だけでなく廊下側やベランダ内も確認します
外壁塗装の中心になるのは、建物の正面、側面、裏面などの外壁です。
ただし、アパートではそれだけではありません。
共用廊下側、各住戸の玄関まわり、ベランダの内側など、外から建物を見ただけでは分かりにくい場所にも外壁があります。
こうした部分まで施工範囲に含めるかどうかは、建物のつくりや劣化状態、見積もり内容によって異なります。
そのため、見積書に「外壁塗装○㎡」と書かれていても、建物の外周だけなのか、共用廊下側やベランダ内側まで含まれているのかを確認しておきましょう。
特にベランダ内を施工する場合は、工事期間中に洗濯物を干せない日があったり、置いている荷物を移動してもらったりすることがあります。
施工範囲を確認することは、工事費用だけではなく、入居者様への案内が必要な範囲を把握することにもつながります。
2.共用廊下は壁・天井・床を分けて確認します
共用廊下は一つの場所に見えますが、壁・天井・床では、使用する材料や施工方法が異なります。
共用廊下の壁
共用廊下側の壁は、建物外周の外壁と同じように塗装することがあります。
ただし、廊下側には玄関ドアやメーターボックス、配管、インターホンなどが集まっているため、どこまでを塗装するのか確認しておくことが大切です。
共用廊下の天井
共用廊下の天井は、外壁とは別に「軒天塗装」「天井塗装」などの項目で見積もられることがあります。
黒ずみや塗膜の剥がれ、雨染みなどが見られる場合は、単に塗り替えるだけでよいのか、雨水や湿気の影響がないかも確認します。
共用廊下の床
共用廊下の床は、壁と同じ外壁用塗料で仕上げる場所ではありません。
既存の床材や劣化状態に応じて、床用塗装、防水工事、長尺シートなどから施工方法を検討します。
確認ポイント
壁や天井が外壁塗装の見積もりに含まれていても、床だけは防水工事などの別項目になっていることがあります。
見積書に「共用廊下一式」と記載されている場合も、壁・天井・床のどこまでが含まれているのか確認しておくと分かりやすいでしょう。
3.外階段は手すり・鉄骨・段裏・床で施工方法が異なります
アパートの外階段には、手すり、鉄骨部分、階段の裏側、踊り場、床など、いくつもの施工箇所があります。
手すりや鉄骨部分は、鉄部塗装として施工されることが多く、サビがある場合は、表面を整えるケレン作業やサビ止めを行ってから塗装します。
一方、階段の床は人が歩く場所です。
そのため、鉄骨部分と同じ塗料で仕上げるとは限らず、既存の状態に応じて床用塗装、防水材、長尺シートなどが使われることがあります。
見積書に「外階段一式」と書かれている場合は、手すりや鉄骨部分だけなのか、階段裏・踊り場・床まで含まれているのかを確認しておきましょう。
また、サビや腐食が大きく進んでいる場合は、塗装だけでは対応できず、鉄部の補修や交換が必要になることもあります。
4.ベランダは外壁・天井・床を分けて確認します
各住戸のベランダも、アパート塗装では施工範囲を確認しておきたい場所です。
ベランダ内側の外壁や天井は、外壁塗装と一緒に施工することがあります。
一方、床は外壁と同じ塗料で仕上げる場所ではありません。
既存の防水状態によっては、トップコートの塗り替えだけで対応できることもあれば、防水層そのものを改修する工事が必要になることもあります。
そのため、ベランダ床だけ別項目で見積もられているケースもあります。
また、ベランダの笠木や手すりなどは、素材によって塗装するものと塗装しないものがあります。
入居者様への案内も忘れずに
ベランダ内を施工する日は、洗濯物を干せなかったり、荷物を室内へ移動してもらったりすることがあります。施工日や注意事項を事前に伝えておくことで、工事中の行き違いを減らしやすくなります。
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5.付帯部や共用設備は「一式」の中身を確認します
アパートには、外壁以外にも塗装することがある場所があります。
たとえば、雨樋や軒天、庇のほか、共用廊下まわりの配管、メーターボックス、パイプスペースの扉などです。
これらは「付帯部塗装」や「鉄部塗装」として、外壁とは別に見積もられることがあります。
「付帯部一式」「鉄部一式」と書かれていても、施工範囲がすべて分かるとは限りません。
どの部位まで含まれているのか、見積書や現地で確認しておくことが大切です。
また、アパートでは、建物本体とは別に設置されている共用設備もあります。
たとえば、駐輪場、ごみ置き場、物置、外灯の柱などです。
これらは同じ敷地内にあっても、外壁塗装の工事に自動的に含まれるとは限りません。
一緒に施工したい場所がある場合は、現地調査のときに伝え、できるだけ見積書へ具体的に記載してもらいましょう。
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6.各住戸の玄関ドアや窓まわりは塗装しないこともあります
アパートの外壁を塗り替えると、共用廊下や外壁がきれいになるため、それまで気にならなかった玄関ドアやサッシなどが目につきやすくなることがあります。
しかし、建物の外側にあるものをすべて塗装できるわけではありません。
一般的な外壁塗装では、次のような素材は塗装しない場合があります。
- アルミサッシ
- ガラス
- アルミ製の玄関ドア
- アルミ製の笠木
- タイル
- 銅製部材
これらは、一般的な外壁用塗料では密着しにくかったり、塗装しても剥がれやすかったりすることがあるためです。
一方で、同じ玄関ドアでも鉄製であれば塗装できる場合があります。
そのため、部位の名前だけで判断するのではなく、素材や現在の状態を確認したうえで施工方法を決めることが大切です。
特にアパートでは、同じ玄関ドアやサッシが各住戸に並んでいるため、一部だけ仕上がりが異なると外観上目立つことがあります。
見積もり時には、塗装する部分だけでなく、
- 塗装しない場所はどこか
- なぜ塗装しないのか
- 清掃や補修のみ行う場所はあるか
- 交換を検討した方がよい場所はあるか
まで確認しておくと、工事後の認識違いを防ぎやすくなります。
7.防水・屋根・コーキングは外壁塗装とは分けて確認します
アパートの改修工事では、外壁塗装と同じ時期に、防水、屋根、コーキングの工事を検討することがあります。
ただし、これらが外壁塗装の見積もりへ自動的に含まれるわけではありません。
| 工事 | 主な場所 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 防水工事 | 屋上、廊下床、階段床、ベランダ床 | トップコートなのか、防水層の改修なのか |
| 屋根工事 | スレート、金属、折板、陸屋根など | 塗装・補修・防水のどれが必要か |
| コーキング | 外壁目地、窓、ドア、配管まわり | 施工場所、長さ、打ち替え・打ち増し |
詳しい工法までオーナー様が覚えておく必要はありません。
見積もりでは、「どこを工事するのか」「どのような工事を行うのか」「外壁塗装とは別料金になるのか」を確認すれば、施工範囲を把握しやすくなります。
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8.アパートの見積もりで確認したい6つのこと
アパートは戸建住宅よりも施工箇所が多く、入居者様が使用する場所も含まれています。
そのため、口頭で「建物全体を塗ります」と説明を受けただけでは、具体的な施工範囲が分かりにくいことがあります。
アパート外壁塗装の見積もり確認リスト
1.共用廊下はどこまで工事しますか?
壁、天井、床のうち、どの場所が含まれているか確認します。
2.外階段はどの部分を施工しますか?
手すり、鉄骨、階段裏、踊り場、床まで含まれているか確認します。
3.ベランダはどこまで含まれていますか?
内側の外壁、天井、床、笠木などの施工範囲を確認します。
4.付帯部一式には何が含まれていますか?
雨樋、軒天、庇、配管、鉄部など、施工する部位を具体的に確認します。
5.塗装しない場所はありますか?
塗装しない理由と、補修や交換が必要かどうかも確認します。
6.別工事や追加費用になる場所はありますか?
防水、鉄骨補修、駐輪場、ごみ置き場、物置などの扱いを確認します。
専門用語を使って質問する必要はありません。
「この場所は見積もりに入っていますか?」「ここはどのように工事しますか?」と、写真や建物を見ながら一つずつ確認すれば十分です。
また、共用廊下やベランダ、外階段など入居者様が日常的に使用する場所を施工する場合は、施工範囲と一緒に、入居者様への案内が必要な期間も確認しておくと工事を進めやすくなります。
まとめ|塗る場所だけでなく「別工事になる場所」まで確認しましょう
アパートの外壁塗装は、建物の外側をすべて同じ材料・同じ方法で塗る工事ではありません。
共用廊下は壁・天井・床、外階段は手すり・鉄骨・階段裏・床、ベランダは内側の外壁・天井・床というように、一つの場所の中でも施工内容が分かれることがあります。
外壁や天井は塗装範囲に含まれていても、廊下やベランダの床は防水工事として別に扱われることがあります。
また、各住戸のアルミサッシや玄関ドア、笠木など、素材によって塗装しない場所もあります。
見積もりで確認したいのは「何を塗るか」だけではありません。
「塗装しない場所」「別工事になる場所」「追加費用が発生する可能性がある場所」まで確認しておくことが大切です。
アパートは施工範囲が広く、オーナー様だけでなく入居者様にも関係する場所が多くあります。
写真や図面を見ながら、共用廊下、外階段、ベランダ、付帯部、防水部分などを一つずつ確認しておくことで、契約後や工事完了後の「ここも入っていると思っていた」という行き違いを防ぎやすくなります。












