外壁塗装の見積もりを依頼したときに、業者から「この外壁は直貼り工法です」と言われることがあります。
直貼り工法という言葉を初めて聞き、
「塗装できないの?」
「今まで普通に住んでいたのに、何が問題なの?」
と戸惑う方もいらっしゃるでしょう。
直貼り工法だからといって、すぐに塗装を諦める必要はありません。
ただし、外壁の状態を十分に確認せずに塗装を進めると、施工後に膨れや剥がれが起こることがあります。
そのため、直貼り工法と分かった場合は、塗装前に外壁の状態を確認し、どのような方法が適しているのかを業者へ相談することが大切です。
1. 直貼り工法とは
直貼り工法とは、サイディング外壁を建物の下地に近い状態で取り付ける方法です。
現在多く使われている通気工法では、外壁材と建物の間に空気が通る隙間を設けています。この隙間があることで、外壁の内側に入った湿気を外へ逃がしやすくなります。
通気工法
外壁材の裏側に空気が通る隙間があり、湿気を外へ逃がしやすい構造です。
直貼り工法
外壁材の裏側に十分な隙間がなく、湿気が残りやすくなることがあります。
少し前に建てられたサイディング住宅で見られる工法ですが、外から見ただけでは違いが分かりにくいため、外壁塗装の調査で初めて直貼りだと分かるケースもあります。
2. 直貼り工法は塗装後の膨れや剥がれに注意
直貼り工法の外壁は、内部に湿気が残っている状態で塗装すると、塗膜が膨れたり剥がれたりすることがあります。
塗装直後はきれいでも、時間がたってから不具合が現れることもあります。
特に注意したい外壁の症状
- 塗膜が膨れている
- 外壁表面が剥がれている
- サイディングが反っている
- 外壁材の端が崩れている
- 同じ場所を何度も補修している
このような症状がある場合は、塗料を塗るだけでは対応できないことがあります。
3. まずは透湿性を考慮した塗料で対応できるか確認
直貼り工法でも、外壁材の傷みが少ない場合は、透湿性を考慮した塗料で塗装を検討できることがあります。
透湿性とは
外壁内部の水蒸気を、外へ逃がしやすくする性質のことです。
ただし、透湿性のある塗料を使えば、必ず膨れや剥がれを防げるわけではありません。
塗料を変えても、外壁材の裏側に通気層がない構造そのものは変わらないためです。
「この塗料なら大丈夫」とすぐに決めず、現在の外壁材が塗装できる状態かを確認してもらいましょう。
4. 塗装が難しい場合は、ほかの方法もあります
外壁材の傷みが進んでいる場合は、塗装以外の方法を検討することがあります。
部分張り替え
傷んだ部分だけを交換する方法です。
カバー工法
現在の外壁の上から、新しい外壁材を施工する方法です。
全面張り替え
既存の外壁を撤去して、新しい外壁材へ取り替える方法です。
直貼りだからといって、すぐに全面張り替えが必要とは限りません。
傷みの範囲や今後の住み方によって、必要な工事は変わります。
5. 今後の予定も業者へ伝えましょう
今後も長く住む予定なのか、数年後に売却や建て替えを考えているのかによっても、工事方法の考え方は変わります。
たとえば、数年後に売却や建て替えを予定している場合は、外壁の状態を確認したうえで、塗装を選ぶこともあります。
ただし、直貼り工法では、塗装後にいつ不具合が出るかを正確に予測することはできません。
あと何年住む予定なのか、どこまで費用をかけたいのかも含めて相談しましょう。
6. 直貼りと分かったら、説明してくれる業者へ相談
お客様が、ご自宅の外壁工法を覚えていないことは珍しくありません。
建てた当時に説明を受けていても、20年ほどたてば、外壁内部の構造まで覚えていないのは自然なことです。
だからこそ、現地調査で直貼りの可能性が分かった場合は、業者から説明を受けることが大切です。
業者に確認したいこと
- なぜ塗装に注意が必要なのか
- 現在の外壁は塗装できる状態なのか
- 透湿性を考慮した塗料で対応できるのか
- 塗装後にどのような不具合が考えられるのか
- 塗装以外にはどのような方法があるのか
このような点を分かりやすく説明してくれる業者へ相談しましょう。
直貼りであることを伝えず、そのまま通常の外壁塗装として話を進める業者には注意が必要です。
7. まとめ|直貼りと分かったら、すぐに塗装を決めないことが大切です
直貼り工法の外壁は、裏側に湿気がたまりやすく、塗装後に膨れや剥がれが起こることがあります。
ただし、直貼りだから必ず塗装できないわけではありません。
まずは現在の外壁材の状態を確認し、透湿性を考慮した塗料で対応できるかを検討します。
塗装が難しい場合は、部分張り替えやカバー工法、全面張り替えなど、ほかの方法もあります。
大切なのは、直貼りだと分かったあとに、何も確認せず塗装を進めないことです。
現在の外壁の状態や今後の住み方を伝え、塗装後のリスクまで説明してくれる業者へ相談しましょう。









