外壁塗装の色をこれから決める方の中には、
「何色から見ればよいのか分からない」
「色見本を見ても、実際の仕上がりを想像できない」
「一度塗ったあとに後悔したくない」
と迷っている方もいらっしゃると思います。
外壁の色は、最初から一色に決める必要はありません。
まずは完成後にどのような家に見せたいかを考え、屋根やサッシ、玄関ドアなど、塗装後も変わらない部分の色を確認します。
そのうえで、気になる色を3色程度選び、カラーシミュレーションで建物全体の見え方や配色のバランスを比較すると、希望する方向性を整理しやすくなります。
カラーシミュレーションで候補を絞ったあとは、屋外の自然光で塗板を確認し、最後に使用する色番号や艶を決めます。
外壁の色を決める基本の流れ
希望する印象を考える
↓
変えない部分の色を確認する
↓
気になる色を3色程度選ぶ
↓
カラーシミュレーションで配色を比較する
↓
候補色を屋外の塗板で確認する
↓
色番号と艶を最終確認する
この記事では、これから外壁の色を決める方が迷ったときに一つずつ進められるよう、色選びの流れと確認したいポイントを順番に解説します。
1.最初に「どのような家に見せたいか」を決める
色見本を見る前に、まず完成後の住まいをどのような印象にしたいか考えてみましょう。
たとえば、次のような希望です。
明るくやわらかい印象にしたい
落ち着いた雰囲気にしたい
今よりも重厚感を出したい
現在の外観から印象を大きく変えたい
参考にしたい住宅や施工例のような雰囲気にしたい
この段階では、具体的な色番号まで決める必要はありません。
「ベージュにしたい」と色名だけで考えるより、「明るく温かみのある外観にしたい」「今の外観から雰囲気を一新したい」と希望する印象を決めた方が、色の候補を絞りやすくなります。
気になる住宅や施工例を見つけた場合は、写真を保存しておくのもおすすめです。ただし、同じ色を使っても、建物の形や外壁材、日当たりによって見え方は変わります。そのため、写真は色をそのまま再現するためではなく、希望する雰囲気を伝える参考として使いましょう。
反対に、避けたい印象も考えておくと役立ちます。
たとえば、「黄色っぽく見えるのは避けたい」「暗くなりすぎるのは避けたい」「今とあまり変わらない仕上がりは避けたい」といった希望です。
最初にすること
希望する印象を一つか二つ、避けたい印象を一つ書き出してみましょう。
2.色を変えない部分を確認する
外壁の色は、外壁だけを見て決めると建物全体がまとまりにくくなることがあります。
先に確認したいのは、今回の塗装で色を変えない部分です。
特に、サッシ、玄関ドア、タイル、レンガ、石材などは、外壁塗装と同時に色を変えないことが多い部分です。
屋根を塗装しない場合は、現在の屋根色も配色の基準になります。
たとえば、黒いサッシがある住宅では、明るい外壁を選ぶと窓まわりがはっきり見えます。ブラウンの玄関ドアや木目部分がある場合は、ベージュや暖かみのあるグレーがなじみやすいことがあります。
反対に、外壁だけを好みの色に変えても、サッシや玄関ドアとの相性が合わなければ、完成後に違和感が残る可能性があります。
次にすること
今回色を変えない部分の色を確認し、それらと組み合わせたい外壁色を3色程度選びます。迷う場合は、同じ系統に限定せず、気になっている色を候補に入れて構いません。
3.カラーシミュレーションで色の方向性を絞る
色見本帳には多くの色が掲載されていますが、最初からすべてを比較すると、かえって決めにくくなります。
希望する印象や、屋根・サッシ・玄関ドアなど変えない部分の色を確認したら、カラーシミュレーションで気になる色を比較してみましょう。
すでに希望する色がある場合は、候補を3色程度に絞って建物に当ててみます。
まだ色が決まっていない場合は、最初から似た色だけを選ぶ必要はありません。
たとえば、
・明るいベージュ
・落ち着いたグレー
・やわらかなグリーン
など、色味や印象の異なる色を建物に当てて見比べます。
実際の住宅写真で比較すると、「グリーンも気になっていたけれど、家全体で見るとグレーの方が合う」「ベージュは思っていたより明るく見える」など、色見本だけでは分からなかった違いに気づきやすくなります。
ある程度色の方向性が決まったら、次は同じ系統の中で明るさや濃さを変えて比較します。
たとえばグレーであれば、明るいグレー、中間のグレー、少し濃いグレーというように見比べると、希望に近い色を絞りやすくなります。
候補を一度に増やしすぎず、まず色の系統を比較し、そのあとで明るさや色味を調整していくことがポイントです。
色を選ぶ際は、汚れの見え方も少し意識しておきましょう。
真っ白に近い色は雨だれや黒ずみ、黒に近い色は砂ぼこりや白っぽい汚れが目立つことがあります。グレー、ベージュ、アイボリーなどの中間色は、薄い汚れが比較的なじみやすい傾向があります。
ただし、色だけで汚れを防げるわけではありません。現在の外壁で、窓の下や換気フードのまわり、北側など、どこに汚れが出ているかも確認しておきましょう。
ここですること
希望色がある場合は、候補を3色程度に絞って比較します。まだ色が決まっていない場合は、まず異なる系統の色を建物に当て、方向性が見えてから同じ系統の明るさや濃さを比べましょう。
外壁色で建物の印象を比べてみましょう
同じ住宅でも、外壁の色によって建物全体の印象は変わります。
下の画像を見比べて、色ごとの見え方を確認してみてください。
現在の外壁色
ベージュ
グレー
グリーン
※画像は、外壁色による印象の違いを確認するための参考です。実際の色は、使用する塗料、日当たり、周囲の環境、画面の設定などによって異なって見えることがあります。
4.建物全体の配色と色分けを確認する
外壁色の方向性が決まったら、次は屋根や付帯部を含めた建物全体の配色を確認します。
外壁の色だけを見てよいと感じても、屋根、雨樋、破風板、軒天、サッシ、玄関ドアなどと組み合わせると、印象が変わることがあります。
たとえば、外壁を明るい色にして付帯部を濃い色にすると、建物全体が引き締まって見えます。反対に、外壁と付帯部を近い色でまとめると、やわらかく統一感のある印象にしやすくなります。
ツートンカラーを検討している場合は、2色の組み合わせだけでなく、どこで色を分けるかも確認しましょう。
色分けには、次のような方法があります。
・1階と2階で分ける
・ベランダ部分だけ色を変える
・玄関まわりをアクセントにする
・建物の凹凸に合わせて色を切り替える
色を分ける位置によって、同じ2色でも建物の見え方は大きく変わります。
建物の形や外壁材の継ぎ目に合わせて切り替えると、境目が不自然になりにくく、まとまりのある配色にしやすくなります。
また、アクセントカラーを使う場合は、色の強さだけでなく、使う面積にも注意が必要です。
小さな範囲ではちょうどよく見える色でも、広い面積に使うと強く感じられることがあります。反対に、使う範囲が狭すぎると、アクセントが目立たない場合もあります。
カラーシミュレーションは、こうした配色のバランスや色分けの位置を比較するために役立ちます。
ただし、画面上の色は、パソコンやスマートフォンの設定、元の写真の明るさ、影の入り方などによって、実際とは異なって見えることがあります。
そのため、この段階では正確な色番号を決めるのではなく、単色にするかツートンにするか、付帯部を何色にするか、どこで色を分けるかといった建物全体の方向性を確認します。
ここですること
外壁色と屋根、付帯部の組み合わせを確認します。ツートンにする場合は、色の組み合わせ、使う面積、色を分ける位置を比較し、建物全体の配色を整えましょう。
5.候補色は屋外で確認する
カラーシミュレーションで方向性が決まったら、候補色を実際の色見本や塗板で確認します。
小さな色見本と、外壁全体に塗った色では、同じ色でも印象が変わります。
色は面積が広くなると、明るい色はより明るく、鮮やかな色はより強く感じられることがあります。
色見本では落ち着いて見えた色が、外壁全体では想像より白く見えることもあります。濃い色は、広い面積に使うと思っていた以上に重く感じる場合があります。
候補色は、室内の照明だけで判断せず、屋外の自然光で確認しましょう。
可能であれば、小さな色見本帳だけではなく、少し大きめの塗板を用意してもらいます。
塗板を実際の外壁に当て、少し離れた場所から見ると、屋根、サッシ、玄関ドア、周囲の建物との相性を確認しやすくなります。
一度見てすぐに決めるのではなく、日なたと日陰、晴れた日と曇った日など、光が異なる状態でも見ておくと安心です。
カラーシミュレーションで良いと感じた色でも、実際の塗板を見ると、思っていたより明るい、黄みが強い、濃く感じるといった違いに気づくことがあります。
最終的な色は、画面上の見え方だけでなく、屋外で確認した塗板をもとに決めましょう。
ここですること
カラーシミュレーションで絞った候補色を屋外で確認し、想像より明るすぎないか、濃すぎないか、周囲の色と合っているかを見比べます。
6.色番号・塗る場所・艶を最終確認する
カラーシミュレーションと屋外での塗板確認が終わったら、工事で使用する色番号や艶を最終確認します。
カラーシミュレーションでは建物全体の配色を決めますが、画面上で見た色と実際に使用する塗料の色が、自動的に同じになるわけではありません。
希望する色に近い塗料の色番号を選び、塗板を見ながら最終的な色を決めます。
このとき、外壁だけでなく、屋根、雨樋、破風板、軒天、水切りなど、塗装する部分の色番号も一緒に確認しておきましょう。
また、同じ色でも艶によって仕上がりの印象が変わります。
艶のある仕上がりは光を反射しやすく、明るく新しい印象に見えやすくなります。艶を抑えた仕上がりは、光の反射が少なく、落ち着いた雰囲気にまとめやすくなります。
ただし、選べる艶の種類は塗料によって異なります。希望する艶が選べるか、使用する塗料と合わせて確認することが大切です。
ツートンカラーやアクセントカラーを取り入れる場合は、カラーシミュレーションで決めた色分けが、見積書や打ち合わせ資料にも正しく反映されているか確認しましょう。
最終的に決まった内容は口頭だけで済ませず、色番号、艶、塗装箇所が分かる形で残しておくと、工事中の認識違いを防ぎやすくなります。
工事前に確認する内容
外壁、屋根、付帯部に使用する色番号と艶を確認します。ツートンやアクセント部分がある場合は、カラーシミュレーション画像や住宅写真と一緒に記録しておきましょう。
まとめ|外壁色は順番に比較すると決めやすい
外壁の色選びでは、多くの色を一度に見比べるほど、かえって迷いやすくなることがあります。
まずは、完成後にどのような家に見せたいかを考え、サッシや玄関ドア、屋根など、塗装後も変わらない部分の色を確認しましょう。
そのうえで、気になる色を3色程度選び、カラーシミュレーションで建物全体に当ててみます。外壁だけでなく、屋根や付帯部との組み合わせ、ツートンにする場合の色分け位置なども比較すると、希望する方向性を整理しやすくなります。
カラーシミュレーションで候補を絞ったあとは、屋外の自然光で塗板を確認します。画面上の色だけで決めず、実際の外壁に当てながら、明るさや色味、周囲との相性を見比べることが大切です。
最後に、外壁や屋根、付帯部に使用する色番号と艶を確認し、カラーシミュレーションで決めた配色が打ち合わせ資料や施工内容に正しく反映されているか確認しましょう。
すべての住宅に合う色や、絶対に後悔しない色があるわけではありません。
人気色だけで決めるのではなく、自宅の形、変えられない部分の色、現在の汚れ方なども見ながら、一つずつ候補を絞ることが、納得できる色選びにつながります。
色選びに迷ったときは、まず「どのような雰囲気の家にしたいか」を家族で話し合うところから始めてみましょう。













