お住まいを長持ちさせるおすすめの塗料や色の選び方
家は家族が集い、人生で長い時間を過ごす場所です。
その大切な家を外壁・屋根は様々な自然現象から守ってくれています。
外壁塗装は「建物を保護する」また建物を美しくして新築のように蘇らせる役割を担っています。
安心と安らぎの家を長くきれいに保っていくためには塗料や外壁色、最適なメンテナンスなどが必要になります。
今回は大切な家がきれいで長持ちするためのコツをお話しさせていただきます。
この先、長く住まわれる家のために塗料やメンテナンスのことなど少しでも知っておかれるといいと思います。
外壁が長持ちする塗料を選ぶ
耐久性の高い塗料を選定する
塗料には様々な種類がありますが、長持ちするには耐久性が高いものを選ばれることをおすすめします。
・無機塗料(耐用年数:約20年)
無機塗料は、樹脂などの有機物に無機物(ガラスや石)を配合した塗料です。他の塗料に比べると高価ですが、耐久性が高く長期間にわたって劣化を起こしにくい特徴があります。有機物の含有量が少ないため、カビやこけの発生を抑え、色褪せすることがなく長く綺麗な色の維持ができます。また不燃性に優れており、火に強く高温環境でも劣化しにくいです。
・フッ素樹脂塗料(耐用年数:15~20年位)
フッ素塗料は、高い耐久性・耐候性を誇る塗料です。高価ですが、汚れや色の変化を最小限に抑えることができ長持ちする塗料なので、塗り替え回数を減らせます。
耐熱性や耐寒性、耐候性に優れており、汚れにくい性質を持っています。
・ラジカル塗料(耐用年数:12~15年位)
ラジカル塗料は、劣化原因のラジカルを抑える効果があるため、一般的な塗料で塗装するよりもチョーキングが起こりにくいです。カビや藻が付きにくく、変色がしにくいため塗装したときの美観を長く保てるのもラジカル塗料の魅力です。親水性が高く、外壁に付いた汚れを雨と一緒に洗い流してくれます。
住宅の環境に適した塗料を選ぶ
建物の住環境によって劣化のスピードは変わってきます。建物の状況に合った効果のある塗料を選ぶことをおすすめします。
例えば、湿度の高い地域や海岸地域では、塗膜の腐食やカビの発生などの問題が起こりやすいため、耐湿性や耐塩害性に優れた塗料を選ぶことが重要です。
また、寒冷地などでは耐寒性に優れた塗料が適しています。
日光や紫外線は塗料の色褪せや劣化の原因となります。日照時間の長い地域では、紫外線による劣化に対して優れた耐候性を持つ塗料が適しています。また、UVカット効果のある塗料は紫外線を効果的に遮断する特性を持っています。これにより、塗装面や塗られた表面を紫外線の悪影響から保護し、劣化や色褪せを軽減します。
都市部や工業地域などの大気汚染の強い地域では、耐汚染性に優れた塗料を選ぶことが重要です。これにより、汚れや付着物の除去が容易になり、外観の美しさを長期間維持できます。
機能性塗料を選ぶ
機能性塗料は、美観や保護機能だけでなく、追加の特殊な機能を持つ塗料です。
使用する場所に応じて適した機能性を持つ塗料を選ぶことが重要です。
・耐候性
気候条件や自然の要素に対して優れた耐久性を持つため、太陽光、風、雨、温度変化、汚れ、酸性雨などの外部要因から建物や構造物を保護するために使用されます。
・抗菌・防カビ塗料
塗膜表面に特殊な添加剤が含まれており抗菌効果を発揮します。
耐久性があり、塗膜が劣化することなく抗菌・防カビ効果を保持することができるため、長期間にわたって効果を持続させます。
・低汚染性
低汚染性は、塗装面を汚れにくくする機能を持っており、雨だれや汚染などが付きにくい塗料です。水に馴染みやすい性質である「親水性」に優れており、雨水が汚れと塗膜の間に入り込んで、汚れを洗い流すことができます。
・遮音塗料
遮音塗料とは、建物の内外から発生するさまざまな騒音を抑制できる遮音性能に特化した塗料のことです。
建物内であれば、工場や倉庫などで生じる機械音や作業音、また個人宅内からの生活音などを外部に漏れないように抑えられます。また建物外であれば、車や電車などの騒音を抑制し、室内環境を快適に保つことも可能です。
外観の美しさを長持ちさせるコツ
外観の美しさを長持ちさせるには色の選択などいくつかポイントがあります。
例えば、外壁色であれば色褪せしにくい色や汚れが目立ちにくい色を選ぶことで美しさを長く持たせることができます。他にも汚れが付きにくい塗料の選択などがあります。
また既存の色や柄を楽しみたい方には長期間にわたって保護効果を維持できるクリヤー塗料などがあります。美しさを長持ちさせるには以下のポイントに注意しましょう。
色褪せしやすい原色は避ける
・色褪せしやすい色
色褪せしやすい色に赤色や黄色・紫色などの原色があげられます。
彩度の高い鮮やかな色は、太陽光や気候の影響を受けやすく、色褪せしやすい傾向があります。彩度の強い赤やオレンジ・黄色などは、日光によって早く色褪せしてくる可能性が高いので避けた方がよいでしょう。
・色褪せしにくい色
濃いブラウン、ダークグリーン、ブルーを選ぶ。
濃い色は、色素の濃度が高いため、色褪せしにくい傾向があります。
また中間色や自然色は、色褪せしにくく長期間美しさを保ちやすいです。グレー、ベージュ、茶色などは一般的に色褪せしにくい外壁色と言えます。
外壁塗装では、太陽光や大気汚染などの要因によって色の劣化が起こりやすいです。このため、色褪せしにくい色(色の劣化が目立ちにくい)を選ばれると美しい外観が長持ちします。
※ただし、色褪せの程度は地域の気候条件や塗料の品質にも影響されます。
・汚れが目立ちにくい色
中間色(グレー・アイボリー・ベージュ・ブラウン・淡いグリーン)を選ぶ。
これらの色は、外部の汚れが目立ちにくく、ほこりや黄砂などの汚れが付着しても色が同化するため、比較的清潔な外観を保つことができます。
※ただし汚れが付かないわけではないのでご注意ください。
汚れが付きにくい塗料を選ぶ
・低汚染塗料:セルフクリーニング機能を持っている低汚染塗料は、紫外線や雨水によって自己洗浄効果を発揮します。これにより、汚れが表面から洗い流されるため、外壁がより長期間きれいな状態を保つことができます。
・光触媒塗料:光触媒とは、光のエネルギーを利用して化学反応を起こす物質のことです。太陽光が塗膜に当たる事で汚れを分解させて浮かせて雨で洗い流す事ができる塗料です。光触媒成分による分解作用により、付着した汚れも容易に洗い流すことができます。また光触媒塗料は、抗菌・抗藻効果も持っています。
ただし、光触媒の効果は光の照射量や環境条件に左右されるため、十分な光の供給や定期的なメンテナンスが必要です。
・防カビ防藻性塗料:カビや藻の発生を防止するために特別に設計された塗料です。
抗菌・抗藻剤を含んでおり、塗膜の表面において微生物の増殖を抑制し、カビや藻の発生を防ぎます。
・セラミック塗料: セラミック塗料は耐候性に優れ、表面に微細なセラミック粒子が含まれています。これにより、汚れやカビの付着を抑制し、劣化や色褪せを防ぎます。
既存の色やデザインを長く楽しめる塗料
クリヤー塗料は透明なので、既存の外壁の色や柄がキープできます。そのため現在の外壁が気に入っていて、色や柄をそのまま維持したい人にはおすすめの塗料と言えます。高光沢のクリヤー塗料は非常につやのある仕上がりで輝きを与えます。マットなクリヤー塗料は、シックな仕上がりを実現します。耐候性が高く、色褪せや劣化を抑制し、長期間にわたって保護効果を維持できるためお気に入りの色やデザインを長く楽しめます。
外壁を長持ちさせるために出来ること
定期的な点検で劣化状況を把握する
日常生活をする上で、何か不具合が出てくるまであまり建物を気にかけることは少ないです。しかし毎日紫外線や雨風に晒されているため建物の劣化は少しずつですが進んでいきます。
軽い補修で済む場合もありますが、劣化の進行状況によっては大規模な修繕工事が必要となることもあります。
外壁を長持ちさせるため建物の状態を知ることは大事ですので、定期点検をしてくれる業者に依頼して、高所などの確認しにくい箇所までチェックしてもいましょう。
メンテナンス時期がきたら定期的に塗装をすることで建物を長持ちすることが出来ます。
屋根や付帯部の劣化にも注意する
建物にはたくさんのパーツがあります。
外壁以外に軒天や雨樋など付帯と呼ばれている箇所も経年劣化します。また屋根の劣化はご自身で確認するのが難しい箇所となります。外壁塗装する際には付帯や屋根もみてもらい同時にメンテナンスをするようにしましょう。
付帯も一緒にメンテナンスすることで、建物が新築のように蘇り美観を長く維持できます。
シーリングの劣化にも注意!
シーリングは、外壁よりも早く劣化するため、5〜10年を目安に点検、補修をしましょう。シーリングが劣化すると、劣化箇所から雨水などが侵入し建物内部にダメージを与える可能性があります。
汚れに気づいたら早めにケアする
外壁を美しく保つためには、日常的なケアも大切です。ご自身で気づいた汚れ(カビ・コケ)は早い段階であれば落とすことが可能です。ひどくなる前に落とすようにしましょう。こまめな掃除をすることで外壁劣化の進行を抑えることができます。
しかし高所の汚れ落としは大変危険な作業です。無理せず専門の業者に依頼しましょう。
信頼できる業者に依頼する
外壁塗装を検討する際、大事な我が家を任せるには信頼できる業者に依頼することが重要です。
ひと昔前に比べると異業種からの参入などもあり塗装業者が増えているので、多くの業者の中から1社選ぶことは難しくなってきています。
外壁塗装は残念ながら悪徳業者も存在する業界なので、それを見極めていく必要があります。
業者によってそれぞれメリット、デメリットはございます。「価格の透明性」「説明のわかりやすさ」「価格の安さ」「技術の高さ」「アフターフォロー」「保証」など相見積をとって比較しながら選択されるといいと思います。また、担当との相性も大事なので、訪問時の対応や人柄などもチェックされるといいでしょう。
大事なのは、塗装に対して正しい知識と技術を持ち、お客様と誠実に向き合ってくれる業者です。
ここだったら安心して任せられるという良い業者を選んで満足のいく塗装工事にしていただきたいものです。
※適切な下地処理をしてくれる業者を選ぶ
塗装工事をする際に最も大事な工程があります。それは仕上がり後にはわからなくなる下地処理です。どんなに良い塗料を使用しても下地処理がしっかりできていないと数年後に不具合を引き起こす恐れがあります。実際にリフォーム後のトラブルの多くは下地処理不足と言われています。
下地処理の仕方でその後に大きく影響してきますので、下地処理は外壁塗装を完璧に仕上げるためにかかせない重要な工程といっても過言ではありません。
見積もりの際、下地処理の工程など詳しく記載しているか確認しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は外壁を長持ちさせる秘訣をお話させていただきました。
ポイントは
①外壁が長持ちする塗料を選ぶ
②外壁の美しさを持たせる色を選ぶ
③外壁を長持ちさせるメンテナンス・点検
④信頼できる業者選び
大切なお住まいをこの先もずっと長持ちさせるためには、塗料や色、メンテナンス方法を建物の状況によって選択していくことが重要です。また正しい施工方法で塗装してくれる業者を選ぶことも重要になります。
今回のお話したポイントを意識して、外壁塗装を検討されると良いと思います。
安心して任せられる塗装業者選び、後悔のない塗装工事にしていきたいものです。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いに存じます。