更新日:2026年7月24日
外壁塗装を考え始めたときに、屋根も一緒に塗装した方がよいのか迷う方は少なくありません。
見積もりを取ると、
「足場を組むなら、屋根も塗った方がお得ですよ」
「外壁だけでも工事できます」
「屋根はもう少し先でも大丈夫です」
など、業者によって異なる説明を受けることもあります。
先にお伝えすると、外壁と屋根の両方が塗装時期を迎えている場合は、同時に工事をした方が合計費用を抑えやすくなります。
大きな理由は、外壁と屋根を別々に施工すると、その都度足場が必要になるためです。
ただし、屋根の状態が良好な場合や、塗装を必要としない屋根材が使われている場合まで、無理に同時施工をする必要はありません。
同時塗装を判断するときの基本
外壁と屋根の両方に塗装が必要なら、同時施工を検討しやすくなります。
どちらか一方がまだ塗装時期ではない場合は、足場費用だけを理由に急いで工事を決めないことが大切です。
この記事では、外壁と屋根を同時に塗装する場合と、別々に施工する場合の違い、費用を比べるときの考え方、ご自宅に合った施工時期の判断ポイントをご紹介します。
同時塗装と別々に塗装する場合の違い
| 比較する項目 | 同時に塗装 | 別々に塗装 |
|---|---|---|
| 足場 | 原則1回 | 工事ごとに必要になりやすい |
| 一度の支払い | 大きくなりやすい | 時期を分けられる |
| 工事期間 | 一度にまとまる | 工事を2回行う |
| 色選び | 外壁と屋根を一緒に考えやすい | 既存色との組み合わせを考える |
| 次回の時期 | そろえやすい | 別々になりやすい |
※建物の形状、屋根材、劣化状態、足場の組み方によって工事内容や費用は変わります。
1. 外壁と屋根を同時に塗装すると費用を抑えやすい理由
外壁と屋根を同時に塗装する大きなメリットは、足場の設置を1回にまとめやすいことです。
外壁塗装では、職人が安全に作業するための足場を建物のまわりに設置します。
屋根塗装でも、屋根の勾配や建物の形状、周辺環境によっては、同じように足場が必要です。
外壁と屋根を数年ずらして施工すると、足場の組み立て・解体・運搬などの費用が、工事のたびに発生する可能性があります。
別々に塗装する場合
1回目:外壁塗装のために足場を設置
2回目:屋根塗装のために再び足場を設置
同時施工であれば、外壁と屋根の作業に同じ足場を使えるため、合計費用を抑えやすくなります。
ただし、実際の費用差は建物の大きさや足場の組み方によって異なります。見積もりでは「同時施工なら足場代が無料」と考えるのではなく、別々に施工した場合の総額と比べることが大切です。
2. 同時塗装には足場費用以外のメリットもあります
工事の予定を一度にまとめられる
塗装工事では、足場の組み立て、高圧洗浄、養生、塗装、確認、足場解体という流れで作業を進めます。
外壁と屋根を別々に塗装すると、この流れを時期を変えてもう一度行うことになります。
同時施工なら、工事前の打ち合わせや近隣への挨拶、足場がある生活などを一度にまとめやすくなります。
外壁と屋根の色を一緒に考えられる
外壁と屋根は、建物の印象を大きく左右する部分です。
同時に色を決める場合は、外壁、屋根、雨樋、破風板、サッシ、玄関ドアなどを含めて、建物全体の配色を考えられます。
外壁だけを先に塗る場合は、将来屋根を塗り替えることも考え、屋根色と合わせやすい外壁色を選んでおくと安心です。
外壁と屋根を一度に点検できる
同時施工では、外壁だけでなく屋根の状態もあわせて確認できます。
地上からは見えにくい屋根の色あせ、ひび割れ、金属部分のさび、板金の浮きなどに気づけることもあります。
ただし、点検したからといって、必ず塗装が必要になるわけではありません。屋根材の種類と劣化状態に合った補修方法を確認しましょう。
3. 同時塗装で注意したいこと
一度に必要な金額は大きくなる
外壁と屋根を同時に施工すると、別々に行うより合計費用を抑えやすい一方で、一度に支払う金額は大きくなります。
足場費用を減らせることだけで決めず、工事後の生活費や今後の住宅修繕も含めて、無理のない資金計画を立てることが大切です。
屋根に本当に塗装が必要かを確認する
外壁が塗装時期でも、屋根が同じ状態とは限りません。
前回の工事で屋根だけ高耐久塗料を使っている場合や、屋根を葺き替えた時期が外壁と異なる場合は、屋根塗装を急がなくてよいことがあります。
また、瓦など、一般的な塗り替えを必要としない屋根材もあります。
「足場を組むから」という理由だけで、まだ必要のない屋根塗装まで追加しないことが大切です。
塗装では対応できない屋根もある
屋根材のひび割れや欠け、反り、下地の傷みが進んでいる場合は、塗装だけでは十分に対応できないことがあります。
屋根の状態によっては、部分補修、カバー工法、葺き替えなどを検討することもあります。「塗れるかどうか」だけでなく、「塗装で今後も維持できる状態か」を確認しましょう。
4. 外壁と屋根の同時塗装を検討しやすいケース
次のような場合は、外壁と屋根を同時に塗装することで、費用や今後の管理をまとめやすくなります。
・外壁と屋根の両方に色あせや塗膜の劣化が見られる
・前回、外壁と屋根を同じ時期に塗装している
・築年数が進み、屋根の状態も一度確認したい
・足場が組みにくく、設置費用がかかりやすい住宅
・外壁と屋根の色をまとめて変更したい
・次回のメンテナンス時期をできるだけそろえたい
ただし、築年数だけで塗装の必要性を決めることはできません。日当たり、屋根の勾配、使用されている屋根材、前回の塗料などによって劣化の進み方は変わります。
5. 外壁と屋根を別々に塗装してもよいケース
外壁と屋根は、必ず同時に塗装しなければならないわけではありません。
次のような場合は、状態を確認したうえで工事時期を分けることも考えられます。
・屋根を新しく葺き替えたばかり
・前回、屋根だけ高耐久塗料で塗装している
・屋根の塗膜に目立った劣化が見られない
・塗装を必要としない屋根材が使われている
・今回は外壁の補修を優先する必要がある
・一度に大きな費用をかけることが難しい
工事を分ける場合は、次回の屋根工事で足場が必要になる可能性も含めて、合計費用を確認しておきましょう。
今回の支払額だけでなく、今後10年ほどの修繕予定まで見ながら判断すると、どちらがご自宅に合っているか考えやすくなります。
6. 費用を比べるときは見積もりの条件をそろえる
外壁と屋根を同時に塗装する見積もりを比較するときは、合計金額だけを見ないことが大切です。
同じ「外壁・屋根塗装」でも、業者によって補修範囲や使用する塗料、付帯部の施工内容が異なることがあります。
見積書で確認したい内容
・外壁と屋根それぞれの塗装面積
・足場と飛散防止ネットの費用
・外壁と屋根に使用する塗料名
・下塗り材と塗装回数
・ひび割れや屋根材の補修内容
・シーリング工事の方法と範囲
・雨樋、破風板、軒天など付帯部の範囲
・見積もりに含まれていない作業
一方の見積もりが高く見えても、屋根補修やシーリング、付帯部塗装まで含まれていることがあります。工事範囲をそろえたうえで比較しましょう。
7. 外壁と屋根の塗料グレードは同じにするべき?
外壁と屋根を同時に塗装する場合、次回の塗り替え時期をそろえるために、耐久性が近い塗料を選ぶ考え方があります。
ただし、外壁と屋根にまったく同じ塗料を使うという意味ではありません。
屋根は外壁よりも強い日差しや熱の影響を受けやすいため、屋根用として設計された塗料を使用します。
例えば、外壁に高耐久な塗料を使用しても、屋根に耐久性の低い塗料を選ぶと、屋根だけ先に塗り替え時期を迎える可能性があります。
塗料は価格だけで選ばず、外壁と屋根を次にいつメンテナンスしたいかを考えて組み合わせることが大切です。
シリコン、ラジカル制御形、フッ素、無機など、塗料の違いと選び方は、外壁塗装の塗料はどれがいい?シリコン・ラジカル・フッ素・無機を比較で詳しくご紹介しています。
8. 契約前に確認しておきたいこと
外壁と屋根の同時塗装を提案されたときは、次の内容を確認しておくと判断しやすくなります。
・屋根のどこに、どのような劣化があるか
・今回は屋根塗装をしなくても問題ないか
・外壁と屋根を別々に施工した場合の費用
・外壁と屋根の次回メンテナンス時期
・塗装できない屋根材や傷んだ箇所がないか
・屋根の状態を写真で確認できるか
屋根は地上から見えにくいため、口頭の説明だけでは状態を判断しにくいものです。
調査時の写真を見ながら、塗装が必要な理由と、塗装しない場合に考えられることを説明してもらいましょう。
9. よくある質問
Q.外壁と屋根は、必ず同時に塗装した方がよいですか?
必ずしも同時にする必要はありません。外壁と屋根の両方が塗装時期を迎えている場合は同時施工を検討しやすいですが、屋根の状態が良好な場合や塗装不要の屋根材では、工事を分けることもあります。
Q.外壁だけを塗装してもらうことはできますか?
外壁だけの塗装も可能です。ただし、屋根の状態も一緒に確認し、近い時期に屋根工事が必要にならないかを見てもらうと、今後の修繕計画を立てやすくなります。
Q.同時塗装なら、足場代はかからないのですか?
足場代がなくなるわけではありません。外壁と屋根で同じ足場を使用することで、別々に工事をした場合に必要になる2回目の足場費用を抑えやすくなる、という考え方です。
Q.外壁と屋根で違うグレードの塗料を選べますか?
選ぶことはできます。ただし、耐久性に大きな差があると、どちらかが先に塗り替え時期を迎える可能性があります。次回の工事時期をどのように考えるかも含めて、塗料の組み合わせを相談しましょう。
Q.屋根が見えなくても、塗装時期を判断できますか?
地上から屋根が見えない場合は、ご自身だけでなく、業者でも正確に塗装時期を判断することは難しいでしょう。
屋根は地上から確認できる範囲が限られているため、色あせやひび割れ、塗膜の劣化などを十分に確認できない場合があります。そのため、必要に応じて安全な方法で調査を行い、屋根全体や傷んだ箇所の写真を見ながら説明を受けると、状態を把握しやすくなります。
まとめ|屋根と外壁の状態を見て判断しましょう
外壁と屋根の両方が塗装時期を迎えている場合は、同時に施工することで足場の設置を1回にまとめやすく、別々に工事をするより合計費用を抑えられる可能性があります。
工事の予定や近隣への挨拶を一度にまとめられること、外壁と屋根の色を一緒に考えられることも同時施工のメリットです。
一方、屋根の状態が良好な場合や、塗装を必要としない屋根材が使われている場合は、無理に同時施工をする必要はありません。
大切なのは「一緒に工事をすると安いか」だけでなく、外壁と屋根の両方に今、工事が必要なのかを確認することです。
見積もりでは、同時に施工した場合と別々に施工した場合の費用、使用する塗料、補修範囲、次回のメンテナンス時期まで確認しましょう。
外壁と屋根の状態を写真で確認し、それぞれに必要な工事を説明してもらったうえで、ご自宅に合う時期を選ぶことが大切です。









