「外壁の色は決まったけど…破風や樋の色ってどうしたらいいんだろう?」
外壁塗装をご検討中のお客様から、よく聞かれるお悩みです。
実はこの“付帯部”の色選び、意外と迷うポイントなんですよね。破風・雨樋・軒天などは面積こそ小さいものの、家の印象を大きく左右する存在。色の選び方ひとつで、外観の完成度がグッと変わります。
でも現実には、「業者さんにおまかせでいいかな」「無難に白や黒にしとこうかな」と、深く考えずに決めてしまう方が多いんです。
そしていざ完成してみると…
「外壁の色は気に入ってるのに、なんか全体がちぐはぐな感じがする…」
と、ちょっぴり後悔してしまうことも。
そんな失敗を防ぐために、この記事では日々カラーシミュレーションを行っているプロの視点から、破風・樋・軒天の色選びのコツをわかりやすく解説します。
✅ この記事はこんな方におすすめ
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外壁塗装の色選びで悩んでいる方
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破風や雨樋の色を「無難な色でいいか」と思っている方
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業者として、お客様に最適な色を提案したい方
家の印象は、「主役(外壁)」だけでなく「脇役(付帯部)」の色次第で大きく変わります。
後悔しない色選びのために、ぜひ最後まで読んでみてください。
【基本知識編】付帯部ってどこ?なぜ色選びが大切なの?
■ 破風・雨樋・軒天ってどの部分?
外壁塗装でよく耳にする「付帯部(ふたいぶ)」とは、外壁そのもの以外の塗装対象部位のこと。中でも特に目立つのがこの3つです。
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破風(はふ):屋根の先端、三角部分や軒先に見える板のこと。屋根と外壁の境目を縁取るラインにあたります。
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雨樋(あまどい):屋根に降った雨水を集め、地面へ流すパイプ。外壁に沿って縦や横に取り付けられています。
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軒天(のきてん):屋根の裏側(軒の裏)にある天井部分。家を下から見上げた時に見える面で、意外と視界に入りやすい場所です。
👉 この3つは家の「フチ(縁)」にあたる部分であり、全体の印象を引き締めたり、柔らかく見せたりする“デザインの仕上げ”とも言える重要な要素です。
■ なぜ付帯部の色が重要なの?
「面積が小さいから適当に選んでもいい」と思いがちですが、実は付帯部の色は外観のバランスや完成度に大きく関わります。
たとえば──
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軒天を濃いグレーにしたら、玄関まわりが暗く重たくなってしまった
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外壁はおしゃれでも、樋の色が合っていなくて全体がちぐはぐな印象に
このように、たった1色の選び方で「おしゃれ」か「違和感」かが決まることも。
さらに、破風や雨樋は直線的なパーツのため、視線を誘導する効果も強く、色のコントラストが目立ちやすいのです。
■ 色選びの落とし穴:よくある思い込み
👩🦰「破風は白が無難でしょ?」
→ 他の色と調和していないと“白だけ浮く”原因に。
👩🦰「軒天ってあまり見えないし、何色でもよくない?」
→ 実は人の視線に入りやすく、明るさ・開放感に直結します。
👩🦰「雨樋は屋根と同じ色にすればいいんじゃない?」
→ 壁との境界がぼやけて、かえって不自然に見えることも。
このように、破風・樋・軒天は単なる「部品」ではなく、外壁塗装のデザイン性を大きく左右する重要パーツです。
次の章では、具体的な色選びのコツと、どんな配色がうまくいきやすいかを詳しく解説していきます。
破風や雨樋、軒天だけでなく、シャッターや雨戸、シャッターボックスなどの色選びも、家全体の印象を左右する重要なポイントです。とくにこれらの部位は目線に近く、外壁やサッシとの相性によって「おしゃれ」にも「ちぐはぐ」にも見えてしまいます。
詳しくはこちらをご覧ください
色選びの基本ルール編|外壁とのバランスがカギ!
外壁塗装で失敗しないためには、付帯部の色を“なんとなく”で決めてはいけません。
この章では、破風・雨樋・軒天の色選びにおける基本的な考え方とよく使われる配色のパターンをご紹介します。
■ ポイント①:外壁との色バランスを第一に考える
付帯部は「縁取り」や「ライン」として目に入るため、外壁との相性が見た目の印象を大きく左右します。
色合わせの基本パターン
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👉 例えば、外壁がベージュ系の場合、破風や樋を濃いブラウンにすると自然に馴染み、外観に深みが出ます。
■ ポイント②:屋根・サッシ・玄関などとの統一感も意識
付帯部は「外壁だけ」に合わせるとちぐはぐになることがあります。
屋根・サッシ・玄関など、家の他の要素とのつながりも重要です。
例えば…
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屋根が黒系 → 破風・樋も黒系にすると統一感あり◎
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サッシがブロンズ → 濃いブラウンの付帯が馴染みやすい◎
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玄関が木目調 → 濃茶やグレーの付帯でナチュラルさUP◎
☝「ラインを揃える」ことで、家全体が引き締まり、見た目のまとまりが良くなります。
■ ポイント③:定番カラーごとの印象と使い方
色 | 印象 | よく合う外壁色 | 注意点 |
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白 | 明るい・軽やか | 淡色外壁(ベージュ、ライトグレーなど) | サッシや他部位が濃色だと浮く可能性あり |
黒 | モダン・引き締め | グレー、ネイビー、ホワイト | 外観が重くなる場合もあるので面積バランスに注意 |
濃茶 | 落ち着き・暖かみ | ベージュ系、ブラウン、木目系 | 無難だが暗すぎると古く見える場合あり |
グレー | 中立・洗練 | ホワイト、ブルーグレーなど | トーンに注意(明るすぎるとぼやけやすい) |
👉 色の“強さ”は控えめに使うのがポイント。付帯部は主張しすぎず、あくまで「引き立て役」に徹する方が美しく見えます。
色選びは“家全体のバランス”がカギ
付帯部の色選びは、ただ好みで選ぶのではなく、
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外壁との相性
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屋根・サッシ・玄関との統一感
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色のトーン(明るさ・濃さ)のバランス
といった要素を総合的に考えることが大切です。
次章では、部位ごとの具体的な色選びポイントと注意点を、破風・雨樋・軒天それぞれに分けて詳しくご紹介します!
【部位別】付帯部のおすすめカラーと選び方
破風(はふ)|家の輪郭を引き締めるなら「濃い色」
破風は、屋根の端にある横板で、家の輪郭やシルエットを際立たせる役割があります。
そのため、破風にはブラックやダークブラウン、チャコールグレーなどの濃い色がよく選ばれます。
濃色にすることで、外壁や屋根の色が引き立ち、全体のデザインがキリッと締まった印象になります。
ただし、外壁が濃い色の場合は、逆に外壁よりワントーン明るめの色で柔らかさを出すのも効果的です。
✅ ポイント:外壁や屋根とのコントラストを意識し、重たすぎないバランスを取ることが重要です。
雨樋(あまどい)|目立たせない or アクセントに
雨樋は建物の縦ラインを強調する部分。目立たせたくない場合は「外壁と同系色」、
デザイン性を高めたい場合は「屋根や破風の色に合わせた濃色」を選ぶと良いでしょう。
【外壁と同系色】雨樋が外壁に馴染み、存在感を抑えたシンプルな仕上がりに。
【アクセント】縦のラインが際立ち、モダンでスタイリッシュな印象に。
✅ ポイント:窓サッシや屋根との調和も忘れずに。ちぐはぐにならないように全体を見て色を決めましょう。
軒天(のきてん)|圧迫感のない色選び
軒天は、建物を見上げた時に見える部分。圧迫感を防ぐために「白や淡い色」が基本です。
白系は明るさと清潔感を演出し、空間を広く見せる効果もあります。
ただし、外壁が白や淡色の場合は、グレーやベージュなどの中間色にすると
全体がぼやけず、程よいメリハリがつきます。
最近は、ナチュラルテイストの住宅で木目調の軒天も人気。温かみのある印象になり、デザイン性が高まります。
✅ ポイント:軒天の色は「見上げた時の明るさ」と「外壁・屋根とのバランス」を意識しましょう。
実際にどんな色選びが失敗につながり、どうすれば避けられるのか──
色選びで後悔しないための参考にしたい記事はこちらです。
誰もが納得!付帯部の色を決めるときに意識したいポイント
外壁塗装において、破風・樋・軒天といった付帯部の色は「最後のひと押し」であり、「仕上がりの満足度」を左右する重要な要素です。
この章では、カラー提案をする業者さんやカラーシミュレーション担当者が、提案時に意識すべきポイントをまとめました。
提案者向けアドバイス|「おまかせで」と言われた時の判断軸
お客様から「付帯部はおまかせします」と言われたら、以下の視点で決めるのがおすすめです。
【1】サッシ・屋根との連動を確認
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サッシが黒やブロンズ → 破風・樋も濃色に
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屋根がグレー → 破風・樋もグレートーンに
【2】外壁とのコントラストで印象調整
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明るい外壁 → 破風・樋は濃色で引き締め
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濃色の外壁 → 同系やや明るめで重さ回避
【3】軒天は「明るさ重視」で
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基本は白・アイボリー
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和風・モダン系 → 濃色で高級感
施主様から「現状のままで」と言われたときの3つの提案ポイント
「せっかく塗ったのに変化がなくて残念だった…」
という後悔を防ぐには、以下の提案が効果的!
1. 経年変化を伝える
「実は劣化で現状の色がくすんで見えてることが多いんですよ」
👉 カラーサンプルで元の色との差を確認
2. ワントーン変える提案
「雰囲気は変えずに、ワントーン濃くすると引き締まりますよ」
👉 控えめな変化で満足度UP!
3. 実用面のアドバイス
濃色 → 汚れが目立ちにくい
白系 → 汚れやすいが明るさ◎
👉 メンテナンス性も併せて説明
カラーシミュレーション担当者の提案コツ
■ よく使う“鉄板配色”をストック
外壁色 | 破風・樋の色 | 印象・テイスト |
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白 | 黒 | モダン・引き締め |
ベージュ | 濃茶 | ナチュラル・落ち着き |
グレー | 濃いグレー | クール・都会的 |
👉 「もう少し明るめに」など好みに応じてアレンジ
付帯色は“脇役以上の存在”
破風・樋・軒天などの付帯部の色は、家全体の「ラインの美しさ」「統一感」「印象」を大きく左右する大事なパーツです。
だからこそ、提案やシミュレーションのときには、以下のポイントを意識しましょう。
シミュレーション・提案時の視点
◆全体の印象がどう変わるか?
(すっきり見える、重厚感が出る、やわらかい印象になる…など)
◆どんなテイストを目指すか?
(モダン、ナチュラル、上品、高級感…)
まとめ|付帯部の色選びが、外壁塗装の満足度を決める
外壁塗装というと、どうしても「壁の色」に注目が集まりがちです。
しかし実際には、破風・雨樋・軒天といった“付帯部”の色こそが、家の印象を大きく左右する仕上げのカギになります。
今回ご紹介した色選びのポイントをもう一度
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破風・雨樋は家の輪郭や縦ラインをつくるため、色選びでメリハリが生まれる
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軒天は“家の明るさ”に直結。白系で開放感、濃色で高級感を演出
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外壁だけでなく、屋根・サッシ・玄関との“全体バランス”が重要
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色のトーン(明るさ・濃さ)を揃えると、統一感のある美しい外観に
覚えておきたいチェックリスト(色決定前に!)
✅ サッシや屋根と付帯部の色はバラバラになっていないか?
✅ 破風・樋の色が外壁から“浮いて”いないか?
✅ 軒天が重すぎて、玄関やベランダが暗くならないか?
✅ 全体で見たとき、色の「主役と脇役」のバランスは取れているか?
最後に
色選びに正解はありませんが、「なんとなく決めた結果、なんとなく違和感が残る…」ということは避けたいですよね。
だからこそ、付帯部こそ丁寧に、全体のバランスを考えて選ぶことが、後悔しない外壁塗装への近道です。
ペイントホームズでは、カラーシミュレーションを通じて、家全体が調和する配色をご提案しています。
色選びに迷ったら、お気軽にご相談ください。