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塗装記事

屋根塗装で“縁切り”って必要?知らないと雨漏りの原因に!

目次

「屋根塗装すれば、雨漏りも防げますよね?」

お客様との打ち合わせで、よくいただくご質問です。
たしかに、屋根塗装は建物を守るために欠かせない大事な工事。
でも実は、ある作業を忘れてしまうと、塗装後にかえって雨漏りを起こしてしまうこともあるんです。

それが「縁切り(えんぎり)」と呼ばれる工程です。

 

「縁切りって…なにか縁起が悪そうな言葉ですね」と笑われることもありますが、
実はこれ、屋根塗装のトラブルを防ぐためにとても大事な作業なんです。

特にスレート屋根(カラーベストやコロニアル)は、屋根材のすき間から内部の湿気や雨水を排出する構造になっています。
ですが、塗装によってそのすき間が塗料でふさがれてしまうと、

水が逃げ場を失い、屋根材の劣化や雨漏りの原因に…。

 

そんなトラブルを防ぐために行うのが「縁切り」。
その縁切り作業をスムーズかつ確実に行うために使われるのが、「タスペーサー」という部材です。

 

この記事では、
「屋根塗装で雨漏りを防ぐには?」「縁切りってなに?」「タスペーサーって必要?」
そんな疑問に、わかりやすくお答えしていきます。

 

1|屋根塗装で雨漏りって防げないの?

「屋根塗装をしておけば、もう雨漏りの心配はないですよね?」

 

こうしたご相談はとても多いのですが、実はここに誤解がひとつあります。

たしかに屋根塗装は、紫外線や雨風から屋根材を守る大切な工事です。
でも、屋根塗装=防水工事ではないという点は、意外と知られていません。

とくにスレート屋根(カラーベストやコロニアルなど)は、屋根材が重なり合うことで、
雨水や湿気を自然に排水できる構造になっています。

ところが、塗装の際にこのすき間まで塗料でふさいでしまうと…
水の逃げ場がなくなり、屋根の内部にたまってしまうことがあります。

その結果、

  • 湿気がこもって屋根材が傷む

  • 雨水が逆流して、下地(防水シートや野地板)に染み込む

  • 数年後、まさかの雨漏りトラブルに発展する

なんてことも。

 

つまり、ただ塗るだけの屋根塗装では、雨漏りを防げるとは限らないんです。
だからこそ必要になるのが、「縁切り」という作業なのです。

 

次の章では、この「縁切り」とは何か?なぜ重要なのか?を、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

2|縁切りってなに?なぜ必要?

「縁切り」って聞くと、ちょっとドキッとしますよね。
「なんだか縁起が悪そう…」というお声もよく聞きます。

でも、屋根塗装における“縁切り”はまったく別物。
これは塗装後に屋根材のすき間をしっかり確保するための大切な作業なんです。

 

スレート屋根には“すき間”が必要?

たとえば、スレート屋根(カラーベストやコロニアル)は、屋根材と屋根材の間にわずかなすき間があって、そこから雨水や湿気を逃がす構造になっています。

この「水の通り道」があることで、屋根材の下に湿気がこもるのを防ぎ、長持ちさせているのです。

でも、塗装するとこのすき間が…

屋根塗装のとき、塗料が屋根材のすき間に入り込んでしまうと、この水の通り道がふさがれてしまうことがあります。

見た目はきれいに仕上がっていても、実はそのすき間が“塗膜で密閉”されていると、

  • 水が逃げられずに内部に溜まる
  • 湿気で屋根材が劣化する
  • 最終的に雨漏りが発生する可能性も…

というトラブルにつながってしまうんです。

 

そこで必要なのが「縁切り」

塗装後に、屋根材の重なり部分をカッターなどで丁寧に切り離す作業が「縁切り」です。

つまり、「塗料でくっついてしまった屋根材同士の“縁”を切る」ことで、もとのすき間=水の逃げ道をしっかり確保するわけですね。

そして、次に紹介する「タスペーサー」

これは、この縁切りをより効率的で確実に行うための専用部材なんです。

 

3|タスペーサーってどんな部材?

「タスペーサーって、初めて聞きました」という方も多いかもしれません。

実はこれ、屋根材のすき間(縁)を確保するための“スペーサー”なんです。
カチッとはめ込むだけで、屋根材の重なりにしっかりとすき間を作ってくれる、縁切り専用の部材です。


■ 見た目はシンプル。でも重要!

タスペーサーは、小さな黒いプラスチック製の部品で、見た目はとても地味です。
サイズは手のひらに収まる程度で、屋根材のすき間に差し込んで使います。

でも、この小さな部品が、屋根の通気・排水の要になるのです。

■ どうやって使うの?

屋根塗装の中塗りまたは上塗りの前後に、職人さんが屋根材の重なりにタスペーサーを差し込みます

これによって、

  • 塗装後も屋根材同士が密着しない

  • すき間がしっかり確保される

  • カッターでの手作業よりムラなく確実

という効果が期待できます。

■ カッターよりも安全で効率的

以前は「縁切り」といえば、塗装後に職人が屋根の上でひとつずつカッターで切るという方法が一般的でした。
でもこの方法は、時間もかかるうえに、屋根材を傷つけてしまうリスクもありました。

その点、タスペーサーなら、ムラなく確実にすき間を作ることができ、工事品質も安定するというわけです。

 

4|タスペーサーが使われないとどうなる?

「タスペーサーなんて使わなくても塗装はできるんでしょ?」

たしかに、屋根塗装はタスペーサーなしでも見た目にはきれいに仕上がります。
でも問題は、見えないところで起きてしまう“水のトラブル”です。


■ 排水できず、雨水がたまる

屋根材のすき間が塗料でふさがれてしまうと、本来スッと流れるはずの雨水や湿気が逃げ場を失い、
屋根内部にたまってしまいます。

とくにスレート屋根は水はけ構造が命。
通気ができないことで、屋根の下地にどんどん湿気がまわり、内部腐食のリスクも高まります。


■ 雨漏りの原因に

最悪の場合、内部にたまった雨水が防水シートや野地板を傷め、
そのまま室内に雨漏りが発生するケースも。

「塗装したばかりなのに、なんで雨漏りが…?」というトラブルは、
タスペーサーが使われなかったり、縁切りがされていなかったりという“施工ミス”が原因のことも多いのです。


■ 放置すると、屋根の張り替えに発展も

一度内部まで腐食が進んでしまうと、もはや塗装だけでは対応できません。
屋根全体の張り替え(葺き替え)といった高額な工事が必要になる可能性も出てきます。

※ 見えないけれど“超重要”な工程

タスペーサーの有無は、見た目だけでは判断できません。
だからこそ、信頼できる業者がしっかりと説明し、きちんと施工しているかどうかが大事なのです。

次の章では、そんなタスペーサーの「メリットと注意点」を整理してご紹介します。

 

5|タスペーサーのメリットと注意点

ここまで読んで、「タスペーサーって絶対使ったほうがいいのでは?」と感じた方も多いかもしれません。
その通り、正しく使えばとても優れた部材です。

でも、メリットばかりではなく、注意すべき点もあります。
ここでは、タスペーサーの特長をわかりやすく整理してみましょう。

■ タスペーサーのメリット

ムラなくすき間が確保できる
→ 手作業の縁切りと比べて、確実で安定した仕上がりになります。

屋根材を傷つけない
→ カッターを使う縁切りと違い、屋根材を削ったり割ったりする心配がありません。

◎作業効率が良く、仕上がりもきれい
→ 差し込むだけなので施工もスムーズ。塗装工程との相性も◎

◎施工中に“縁切り済み”が目で見て確認できる
→ お客様にとっても「やったかどうか」が分かりやすいのは安心材料です。

 

■ タスペーサーの注意点

⚠️ 屋根材の種類によっては使えないこともある
→ 厚みのある屋根材や瓦屋根には適していません。
スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)には相性が良いです。

⚠️ 屋根の状態によっては不要な場合もある
→ 勾配が強い屋根や、すでに通気性がしっかりしている場合はタスペーサーなしでも問題ないことも。

⚠️ しっかり奥まで差し込まれていないと効果が薄れる
→ 熟練した職人による正しい施工が重要です。

 

タスペーサーは、正しく使えば屋根塗装の安心度をぐっと高めてくれる頼れる存在です。
ただし、すべての屋根に万能ではなく、屋根材の種類・状態・勾配などによっては不要または使えないこともあるため、事前に専門業者へ相談することが大切です。

次はその「どんな屋根に必要?使わないケースもある?」について、もう少し具体的に解説していきますね。

 

 

6|どんな屋根に必要?使わないケースもある?

「タスペーサーって、全部の屋根に使うものですか?」

実は、すべての屋根に必ず必要というわけではありません
屋根の素材や形状、勾配(傾き)によって、使うかどうかが変わってくるんです。


タスペーサーが必要な屋根

  • スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)
    いわゆる薄い板状の屋根材で、屋根材同士のすき間から水を排出する仕組み。
    このタイプの屋根では、縁切りやタスペーサーが特に重要です。

  • 勾配が緩やかな屋根
    水が自然に流れにくいため、すき間を確保して排水経路を保つ必要があります。


タスペーサーが不要、または使えないケース

  • 瓦屋根や金属屋根
    瓦は重ねて固定するタイプなので、タスペーサーの役割が不要。金属屋根も構造が異なります。

  • 勾配のきつい屋根
    勾配が急だと水がすぐに流れるため、縁切りがなくても問題が起きにくいです。

  • 屋根材の厚みや形状が合わない場合
    タスペーサーは薄いスレート屋根用に設計されているので、厚みのある屋根材には向いていません。

屋根塗装の際に「タスペーサーを使うかどうか」は、
屋根の種類や形状、勾配を見て判断するもの。

だからこそ、信頼できる業者にしっかり調査してもらい、最適な施工方法を選んでもらうことが大切です

 

よくある質問Q&A

👩‍🦰Q1. 縁切りって自分でできますか?
A. 専門の知識や技術が必要な作業なので、DIYはおすすめしません。正しい縁切りができないと雨漏りの原因になるため、専門業者に任せるのが安心です。
👵Q2. タスペーサーは全ての屋根で必要ですか?
A. いいえ。主にスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)に使われます。瓦屋根や金属屋根、勾配の急な屋根では不要な場合があります。
👨‍🦱Q3. タスペーサーなしで塗装するとどうなりますか?
A. 屋根材のすき間が塗料でふさがれ、雨水や湿気が排出できなくなります。結果として屋根の腐食や雨漏りが発生するリスクが高まります。
👴Q4. タスペーサーの施工はどのタイミングで行いますか?
A. 屋根塗装の中塗りや上塗りの前後に、屋根材の重なりに差し込む形で施工します。塗装とセットで行うことが一般的です。
👩‍🦰Q5. タスペーサーの効果はどれくらい持続しますか?
A. プラスチック製のため耐久性が高く、屋根塗装の耐用年数(約10〜15年)に合わせて効果が持続します。ただし、屋根の状態によって異なることもあります。

 

まとめ

屋根塗装で重要な「縁切り」と、その縁切りを助ける「タスペーサー」についてご紹介しました。

  • 縁切りは、屋根材のすき間を確保し、雨水や湿気の排出を助ける大切な作業です。

  • タスペーサーは、その縁切りを効率的かつ確実に行うための専用部材で、屋根の長持ちに欠かせません。

  • 使わないと、雨漏りや屋根の腐食など大きなトラブルにつながるリスクがあります。

  • ただし、すべての屋根に必ず必要なわけではなく、屋根の種類や形状によって使い分ける必要があります。

  • 施工は専門業者に任せ、しっかり説明を受けて納得してから進めることが安心です。

 

屋根は住宅の中でも特に過酷な環境にさらされる部分。
だからこそ、塗装のひと手間や専用部材を使うことで、建物の寿命をしっかり守りましょう。

この記事が、屋根塗装の安心で失敗しない工事選びの参考になれば幸いです。

監修者の顔写真
著者:遠山 百合子(カラーアドバイザー) 外壁塗装会社で10年以上、カラーアドバイザーとしてお客様の色選びをお手伝いしています。これまでにたくさんのカラーシミュレーションやご提案を重ね、「この色にしてよかった」と笑顔になっていただける瞬間を何より大切にしてきました。塗装の現場に触れる中で、塗料や工事内容についても経験を通じて学んできました。「専門的なことがよくわからない」「初めてで不安」という方にも、できるだけやさしく、わかりやすくお伝えできるよう心がけています。大切なお住まいをより素敵に、より長持ちさせるためのお手伝いができれば幸いです。