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塗装記事

外壁塗装の様々な劣化症状と対策

目次

 

日本の四季を感じながら、大切な人とともにかけがえのない時を刻み続けていく「家」。

四季の変化を愉しめる日本。しかし、ときに四季は様々な気象現象として現れます。
台風や大雨、大雪など甚大な被害をもたらすことがあります。

外壁は毎日紫外線と雨風から建物を守っています。
建物もある程度の年数が経てば劣化はしてきます。それに加えて毎日の紫外線や、雨風による築年数が経ってくることで様々な劣化症状が見られるようになります。

 

様々な劣化原因

雨風

 

建物において一番の天敵となるのが「水」です。
建物は水に弱いので保護するには、防水機能を復活させることです。
家はコンクリートや鉄筋、木などでできています。
これらすべては雨水や風から私たちを守ってくれますが、水に強い材料ではありません。
防水性が下がると…
コンクリートは水が入り込むと劣化します。
鉄筋は水に触れると錆付き、木は水が入り込むと腐食してしまいます。
塗装することで塗膜が紫外線や風雨から守り、建物の老朽化を防ぎ長期間保護します。

 

紫外線

 

紫外線による影響は想像以上であり、真夏のように紫外線が強ければ劣化が激しくなってしまいます。
東側よりは西側、北側より南側など、紫外線が強く当たる方角の外壁は当たらない外壁よりも損傷が激しく見られます。太陽光が当たらない外壁は紫外線による影響は少なくても塗膜の劣化で壁自体の防水性が低下し、含水率が高まりカビや藻が発生することもあります。
紫外線で人の肌にダメージがあるように、外壁の塗膜にもダメージがあります。チョーキングなど劣化のサインが出たらメンテナンスを検討しましょう。

 

経年劣化

 

外壁も月日の経過とともに性能は落ちていきます。
どれだけ高価や高性能の塗料を使っていても、確実に外壁の劣化は進んでいます。すでに劣化しているところを放置したところで、良くなることはなく、劣化はさらに進んでいきます。

 

自然環境や大気汚染など、さまざまなことが原因で外壁は劣化していきます。

 

塗装の材料

 

「塗料=着色顔料(色)+樹脂(接着剤)
塗料は基本的にアクリル樹脂・ウレタン樹脂・シリコン樹脂・フッソ樹脂からできており、樹脂は接着剤の役割をはたしています。樹脂に顔料を加えて塗料となり、耐久性の良い順にフッ素・シリコン・ウレタン・アクリルとなります。また特殊塗料として光触媒・ハイブリット塗料などがあります。

 

 

このような状態は塗り替え時期?劣化症状と対策!

チョーキング現象

 

チョーキングとは外壁を触ると手のひらに白い粉が付着する現象のことです。白亜化現象とも呼ばれています。
雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって塗装表面に白い粉となって現れたものです。時期としては色あせの次に来る劣化現象です。
チョーキングが発生している外壁は、塗膜が剥がれ防水機能がなくなっており、外壁が守られていない状態です。
また、チョーキング現象は自然な劣化現象ではなく、施工不良が原因で起こることもありその場合は1~3年で起こります。

 

原因
・紫外線の影響で塗装面の中にある樹脂が分解した場合
・立地条件に合わない塗料で塗った場合に起こる施工不良
・塗料を十分に混ぜない場合に起こる施工不良

 

対策
まずは補修が必要なほどの進行具合であるのか業者に見てもらいましょう
櫃世であれば塗装を検討しましょう

 

外壁塗装の剥がれ

 

外壁塗膜が膨れや剥がれが出てきている。これは、塗膜の密着不良によって、剥離や浮きが起こっている状態です。この場合は、塗膜が外的刺激から外壁を守る事が出来ませんので、とても危険な状態です。

周辺環境や経年劣化によって剝がれは生じます。また施工不良によっても剝がれは出てきます。この症状が出てくると雨水の侵入に繋がり建物の内部までダメージが及んでしまいます。
また見た目も悪くなり美観を損ねます。

 

原因
・施工不良
・経年劣化

 

対策
まずは業者にみてもらいましょう。
放置すると範囲が広がり、水の侵入も出てきます。早めの補修をおすすめします。
部分的補修もしくは剥がれている部分多い場合は外壁塗装をおすすめします。

 

クラック(ひび)

 

クラックとは、壁にヒビ割れが入る現象です。
ヘアークラックとは、塗膜部分に髪の毛サイズの細い線が入る程度の軽度のクラックを言います。
乾燥クラックとは、乾燥によって収縮が起こり塗料が徐々に密着できなくなることによって起こるクラックです。
構造クラックとは、幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックになります。主に地震、地盤沈下などによる揺れなど建物に外的から強い圧力が加わったことによって発生するひび割れです。
大きさにもよりますが、クラックは放っておくと、建物内部へ水が浸入していき腐食させてしまいます。内部の鉄筋が錆びてしまい、膨張して破損する恐れもあります。
ヒビ割れの大きさによって補修方法が異なります。

 

原因
・地震による建物の揺れ、震動
・凍結と融解の繰り返し
・建物の不同沈下
・塗料の施工可能な温度以下で施工した場合に起こるクラック

 

対策(クラックの大きさ別)

・ヘアークラック(幅0.3mm以下):構造上問題ありませんので、放置してもまだ大丈夫なクラックとなります。
・構造クラック(0.3ミリ以上深さ5mm程度):この幅のクラックはモルタルまでヒビが入っているため、シーリング材を注入してしっかりヒビを埋めてから塗装します。
・0.7ミリ以上:Vカット工法を行ないます。ディスクサンダーという機械を使いヒビ割れを20センチ幅まで削り、シーリング材をしっかり注入してヒビを埋め、その後に微弾性フィラーで下塗りをしてから塗装します。

 

コーキング(シーリング)の割れ

 

コーキングを英語で直訳すると「詰め物をする」という意味。
「コーキング工事をする」=「サイディング外壁材のボードとボードの間にできる隙間に詰め物をして、隙間から水や汚れなどが入るのを防ぐ工事をする」という意味合いになります。
サイディング外壁材にあるボードとボードの境目にある継ぎ目を「目地」といいますが、この場所と窓などのサッシまわりには、シールという、ゴム状のものが埋め込まれています。このシールの事をコーキング・シーリングともいいます。新築時、サイディングボードを張り終わった工事の後、はじめはマヨネーズ状になっているシールを目地などに注入していき、時間がたつとゴム状に固まっていきます。

コーキングの役割は
①建物内に水が浸入することを防ぐ
②緩衝材として衝撃を吸収する
という2つがあります。

サイディングボードやALC外壁の隙間を埋めるものとして使われますが、パネルとパネルの間には隙間ができるのでそこにコーキング材をつめて、外壁から水や汚れが侵入しないようにする役割があります。外壁は外気の温度差による膨張伸縮、地震の揺れ、家の歪みなど、目視では確認できないですが常に何らかのダメージを受けています。それらのダメージを和らげる役割がコーキング材にあります。

 

症状
・しわ、ひび割れ
・剥離
・破断
・欠落

 

原因
・プライマーの塗り忘れ・塗りムラ
・コーキング材自体の劣化、寿命
・コーキング材の厚み不足

 

対策
また補修方法としては、「打ち替え(劣化した元のコーキングを全て撤去して、まったく新しいコーキングを充填する施工法)」「増し打ち(劣化したコーキングの上から新しいコーキングを充填する施工法)」という方法があります。

 

カビ・苔・藻

 

外壁に付着する黒い汚れ・・・それらはカビ、コケなどが考えられます。
カビやコケは同じような環境を好みます。雨などで湿度が上がれば繁殖しやすくどんどん増えていきます。外壁の劣化が進み防水機能が下がると雨水が侵入するためカビやコケにとって増えやすい環境になってしまいます。
また北側や日当たりの悪い側にも増えていきます。
軽いうちであれば簡単な水洗いなどで除去できる場合もあります。
しかしカビやコケを発見した時点で劣化が進んでいる可能性もあるため、早めに外壁の状態を点検してもらうといいでしょう。

 

原因

・外壁材に凹凸が多い
・外壁に結露が発生しやすい状態になっている
・日当たりが悪く湿気が多い立地
・植物が周りに沢山ある家

 

対策

・汚れに強い外壁塗装を使用する
・外壁のカビを徹底的に除去する
・バイオ洗浄でカビを殺菌する

 

ガン肌

 

ガン肌とは、塗面がオレンジの皮の表面のような凹凸の状態になる劣化現象です。(ゆず肌、オレンジピールなどとも呼ばれます)

 

原因

・塗装面の温度が高い
・塗料の使用可能な時間を過ぎたものを使っている
・粘度が高い
・シンナーの蒸発が早すぎる
・スプレーガンによるもの(塗料の吐出量が少なく塗膜が薄い)

 

対策

・溶剤の蒸発速度を遅くする
・粘度を下げる
・正しい環境で行なうこと

 

硬化不良

硬化不良とは、塗料の既定の乾燥時間を守らないことによって起こる初期不良です。
塗装を施した後、規定の硬度にならない塗膜の状態を指します。

 

原因
・塗膜が厚すぎる
・乾燥時間不足
・塗膜の厚さに大きなムラがある
・溶剤の沸点が高すぎる

 

対策

・十分に撹拌を行う:混合比を間違えると十分な性能を発揮しないので注意が必要
・塗膜を薄く均一にする:薄く何回も重ね塗りをする

 

ピンホール

 

施工後の外壁にある1〜3mm程度の気泡がつぶれたような小さな穴のことをピンホールといいます。
ピンホールは見た目が悪くなるほか、塗膜がはがれやすくなります。
ピンホールの数が1つや2つ程度であれば問題はありませんが、穴の大きさが数mm以上あったり、数十個以上できている場合は建物に悪影響が出ます。この場合は塗り直しをおすすめします。

 

原因
・施工不良
・塗装時の気温が塗装に不適切だった
・下塗り・中塗り時の塗料の乾燥時間が短い
・元々の下地に巣穴が発生していた
・塗膜の厚みが不適切
・塗料の希釈量がきちんと守られていない

 

対策
・塗り直し(保証の確認をする)
・下地処理と乾燥時間を確認する
・発生原因のほとんどは業者の施工不良なので信頼できる業者選びが一番の対策

 

まとめ

 

外壁塗装は時間が経てば必ず劣化します。
外壁に不具合を見つけても、「手間と費用を考えると、なかなか…」というのが多くの方の本音かと思いますが、一度不具合が発生すると、みるみるうちに外壁の劣化は進行していきます。手間も費用も最小限に抑えるには、気づいたときに対処するのが一番です。劣化を放置すると雨漏りなどを発生させ、お住まいの寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

外壁や屋根に起きている劣化は、すぐにリフォームが必要ではないものもあれば早急に塗替えや外装工事が必要な緊急性の高いものまで様々です。まずは補修すべき症状かどうかを業者に見てもらい、必要であれば補修を行ないましょう。
大切なお住まいを長持ちさせるためにも、定期的に外壁のチェックをして、気になる箇所や不具合が見つかれば最適な対策をとるようにしましょう。
家族みんなが笑って暮らせる時間がいつまでも続きますように・・・。

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