◼ よくある後悔・失敗例と原因
事例①:塗料の選び方を間違えると、5年でやり直し!?
~ ALC外壁と塗料選定ミスによる「塗膜のふくらみ」事例 ~
事務員の私が見た「よくある失敗」
「ALC外壁って丈夫だから、どんな塗料でも大丈夫」
…と思ってしまう気持ち、実はよくわかります。
私もカラーシミュレーションを担当していて、同じようなご相談を何度も受けてきました。
でも実際には、塗料の選び方を間違えると、たった5年程でやり直し…なんてことに。
こんなトラブルが発生しました…
あるお客様は、業者のすすめるままに塗料を決めた結果…
仕上がりはツヤもあってとてもキレイ✨
しかし数年後、南側の壁が部分的にふくらみ、塗膜が剥がれてきたのです。
原因は「透湿性のない塗料」でした!
ALC外壁は細かい気泡を含む構造なので、水分を吸収しやすいという特性があります。
昼間に太陽で壁の温度が上がると…
- 内部の水分が水蒸気に変わってふくらもうとする
- 塗料が“呼吸できない”と、逃げ場を失って内側から塗膜を押す
- 結果、「熱膨れ」が発生して塗膜が剥がれてしまう
✅ 対策:ALCには「透湿性の高い塗料」を!
ALC外壁には、“湿気を外に逃がせる塗料”が必要です。
💡おすすめは…
- 水性シリコン塗料
- 水性フッ素塗料
これらは透湿性(とうしつせい)が高く、壁の中の湿気をスムーズに外へ逃がすことができます。
まとめ:塗料の選定は“素材の理解”がカギ!
塗料は見た目が似ていても、中身(性能)は全然違います。
ALC外壁にはALCに合った塗料を選ばないと、せっかくの工事がムダに…
🔎 必ず「ALCの構造を理解している業者」に相談して、最適な塗料を選びましょう。
💧事例②:目地のコーキング劣化に気づかず雨漏りに!
~「見た目はキレイ」でも内部で進んでいた危険な劣化~
見た目がキレイ=安心ではありません
外壁の色もツヤもまだキレイ。
「まだメンテナンスは必要ないだろう」と思っていたお客様。
ところが…
ある日ふと気づくと、室内の壁の中から雨漏りが発生していたのです。
原因は…「コーキングの劣化」でした
調査の結果、ALC外壁のパネルつなぎ目にあるコーキング材が、
経年劣化によって縮んだり、ひび割れていたことが判明しました。
その隙間から雨水が侵入し、建物内部に直接到達していたのです。
ALC外壁の特徴がリスクを高めます
ALC外壁の大きな特徴は…
- 内部に防水シート(二次防水)が使われていない
つまり、コーキングが劣化したら、雨水は“直接”中へ入りやすい構造なのです。
特に下記のような状態を放置するととても危険です👇
- 肉やせ(縮んで細くなる)
- ひび割れ
- 剥がれ・はみ出し
目に見える変化が少なくても、水の通り道は確実にできていきます。
✅ 対策:コーキングの寿命を知り、定期点検を!
コーキングは、外壁の“防水の要”。
特にALC外壁では非常に重要なパーツです。
💡 一般的なコーキングの寿命は7~8年程度。
定期的に点検と補修を行うことで、大きなトラブル(雨漏り・構造材の腐食)を防ぐことができます!
まとめ:見えないところに潜むリスクを見逃さない!
外壁がキレイでも、安心とは限りません。
特にALC外壁では、コーキングの劣化=雨漏りリスクにつながります。
日常的に見落としがちな部位こそ、早めの点検が家を守るポイントです。
⚠️ 事例③:施工業者の経験不足で施工不良に!
~ ALC外壁には「慣れた業者」が必要だった!~
知人の紹介で選んだ業者に落とし穴
あるお客様は、知人から紹介された業者に塗装工事を依頼しました。
施工は一見スムーズで、仕上がりもキレイ✨
しかし…
数年後、塗膜の膨れ・剥がれが発生。再度の塗装が必要となってしまいました。
原因は「ALC外壁の施工経験不足」
実はその業者、ALC外壁の施工経験がほとんどなかったのです。
ALCは、他の外壁材(窯業系サイディング・モルタル)と違って
施工に特別な知識と注意が必要な素材です。
ALCならではの施工ポイントとは?
- 多孔質素材のため、湿気を吸収しやすい
- → 下地処理が不十分だと「膨れ」「剥がれ」「ひび割れ」が起こる
- 目地のコーキング施工にも熟練が必要
ALCの特性を知らない業者は、こうした点を見落としやすく、施工不良の原因になります。
✅ 対策:ALC専門の経験豊富な業者を選びましょう
ALC外壁は、施工そのものに専門的な技術が必要です。
業者選びでは、以下の点を必ず確認しましょう👇
- ✅ ALC外壁の施工実績(施工例の写真など)
- ✅ 施工後の保証内容・アフターケア
- ✅ 使用する塗料・材料の種類と選定理由
「ただ安い」「知人の紹介だから安心」ではなく、
技術と実績で選ぶことが、後悔しない工事のカギです。
まとめ:信頼できる業者選びが“家を守る”第一歩!
ALC外壁は非常に丈夫な素材ですが、扱いを誤ると短期間で施工不良が発生してしまいます。
業者の経験不足は、見た目には分からず、数年後に問題が表面化するケースが多いです。
契約前にしっかり確認し、安心して任せられる業者を選びましょう
🔍 まとめ:後悔しないためのチェックポイント
ALC外壁のメンテナンスで失敗しないために
ALC外壁で後悔しないためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- ✅ 塗料の性能(透湿性)をしっかり確認する
- ✅ コーキングの劣化は早めにチェック&補修
- ✅ ALC施工に慣れた業者を選ぶことが最重要!
長く快適に住むためには、素材に合った正しい知識と、
信頼できる業者選びが何よりのカギになります。
🧾この記事は、塗装現場のサポートに携わっている事務スタッフが執筆しました。
専門職ではないからこそ、お客様の「失敗したくない」という気持ちに寄り添って、
難しい塗装の話をわかりやすくお届けしていきたいと思っています。