外壁の北側だけが緑色になっていたり、家全体がうっすら黒ずんで見えたりすると、気になりますよね。
「自分で洗っても大丈夫?」
「きれいにしても、また生えてくるのでは?」
「塗装をしないと解決できないの?」
このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
外壁に付く緑色や黒っぽい汚れは、カビやコケの可能性があります。
一面だけに出ることもあれば、複数の面や外壁全体に広がることもあります。
カビやコケが生える原因は、日当たりや風通しだけではありません。塗膜が古くなり、外壁表面の防水性が落ちて水分が残りやすくなっていることも関係します。
この記事では、外壁にカビやコケが生える原因、自分でできる落とし方、再発を抑えるための工夫、塗装を考えたい状態についてご紹介します。
1. 外壁の緑色や黒い汚れはカビ・コケかもしれません
外壁に付く汚れには、カビやコケのほかにも、雨だれ、砂ぼこり、排気ガスなどがあります。
見た目だけで正確に見分けるのは難しいですが、色や出ている場所から、ある程度判断できることもあります。
緑色の汚れはコケの可能性があります
コケは、次のような場所に出やすい傾向があります。
- 北側や日陰になりやすい外壁
- 外壁の下の方
- 植木や花壇に近い場所
- 雨のあとに乾きにくい場所
- 隣家との間が狭い面
- 表面に凹凸がある外壁
雨の日や湿気の多い日は、コケが水分を含み、外壁も濡れて色が濃く見えるため、緑色の汚れがいつもより目立つことがあります。
晴れて外壁が乾くと、少し白っぽく、くすんで見える場合もあります。
黒っぽい点や汚れはカビの場合があります
カビは、黒色や茶色の細かな点のように見えることがあります。
窓まわりやベランダの下など、湿気がこもりやすい場所に出ることもあります。
ただし、窓や換気フードの下に縦に伸びている黒ずみは、カビではなく、雨水と一緒に汚れが流れた雨だれの場合もあります。
「黒い汚れだから、すべてカビ」とは限らないため、色だけでなく、出ている場所や広がり方も見てみましょう。
2. 外壁の一面だけ・全体にカビやコケが広がるのはなぜ?
外壁のカビやコケは、北側や隣家に近い一面だけに出ることもあれば、複数の面や外壁全体に広がることもあります。
これは、外壁の面ごとに日当たりや風通し、雨の当たり方、乾くまでの時間が違うためです。
また、外壁全体に広がっている場合は、周辺環境だけでなく、外壁表面を守っている塗膜の状態も関係していることがあります。
一面だけに出やすい原因
北側や建物の陰になる面は日が当たりにくく、雨のあとも水分が残りやすくなります。
隣家との距離が近い場所や、塀に囲まれた場所も風が通りにくいため、外壁が乾くまでに時間がかかります。
庭木や植木鉢、花壇が近くにある場合も、その周りに湿気がたまりやすくなります。
また、窓や換気フード、ベランダ、雨樋などから雨水が同じ場所へ流れていると、
その部分だけカビやコケが繰り返し出ることがあります。
一面だけ汚れているときは、その面の日当たりや風通しだけでなく、
汚れている場所の少し上に雨樋や窓がないかも確認してみましょう。
外壁全体に広がりやすい原因
以前はあまり目立たなかったのに、最近になって複数の面や外壁全体にカビやコケが増えてきた場合は、塗膜の防水性が低下している可能性があります。
外壁表面の塗膜が古くなると、以前のように水をはじきにくくなり、雨のあとに水分が残りやすくなります。
外壁全体に色あせが見られたり、触ると白い粉が付いたりする場合は、塗膜が傷み始めていることも考えられます。
また、川や田畑、山林が近い場所や、住宅が密集して風が通りにくい場所では、建物の周り全体が乾きにくくなることがあります。
表面に深い凹凸がある外壁も、溝の部分に水分や砂ぼこりが残りやすいため、広い範囲にカビやコケが付きやすくなります。
一面だけに出ている場合は、その面の環境が大きく関係していることがあります。
複数の面や外壁全体に広がっている場合は、周辺環境に加えて、塗膜の防水性が落ちていないかも確認した方がよいでしょう。
3. カビやコケは放置しても大丈夫?
カビやコケがあるからといって、すぐに雨漏りするわけではありません。
ただし、長くそのままにしていると、見た目が悪くなるだけでなく、外壁の状態も分かりにくくなります。
見た目が悪くなり、家が古く見えやすくなります
外壁に緑色のコケや黒っぽいカビが目立つと、建物全体がくすんで見え、実際の築年数よりも古い印象になることがあります。
特に、玄関まわりや道路から見える外壁に汚れが出ていると、来客時や近所からの見え方が気になる方も多いでしょう。
「家そのものはまだ傷んでいないかもしれないけれど、見た目が気になる」という理由で、
掃除や塗装を考え始める方も少なくありません。
汚れが広がることがあります
外壁が乾きにくい状態が続くと、カビやコケが育ちやすい環境が続きます。
雨水や風によって周囲へ広がることもあり、近くの外壁にも水分や汚れが残っていると、別の場所にも発生しやすくなります。
ひび割れなどが見えにくくなります
カビやコケが広がっていると、その下にある細かなひび割れや塗膜の剥がれが見えにくくなります。
汚れを落としたあとに、初めて外壁の傷みに気づくこともあります。
清掃後は、きれいになったかだけでなく、ひび割れや剥がれが出ていないかも確認してみましょう。
時間がたつと落ちにくくなることがあります
表面に凹凸がある外壁では、カビやコケが溝の中に入り込みます。
長く放置するほど、軽く洗っただけでは落ちにくくなる場合があります。
4. 軽いカビやコケなら自分で落とせる場合があります
外壁の低い場所に付いた小さな範囲の汚れであれば、自分で洗えることもあります。
ただし、強くこすると外壁を傷めることがあるため、やさしく落とすことが大切です。
自分で対応しやすい状態
次のような場合は、安全な範囲で清掃を考えてもよいでしょう。
- 地面から手が届く場所にある
- 汚れの範囲が小さい
- ひび割れや塗膜の剥がれが見当たらない
- 外壁を触っても表面が崩れない
- 脚立を使わずに作業できる
汚れの色が薄いか濃いかだけでは、外壁の状態は判断できません。
色が濃くても表面の汚れだけの場合がありますし、薄く見えても広い範囲に広がっていることがあります。汚れの広がり方や外壁の傷みも一緒に確認しましょう。
二階部分や広い範囲に付いている場合は、無理をしない方が安心です。
外壁を洗うときの流れ
まずは、目立たない場所に少量の水をかけ、外壁の状態を確認します。
特に問題がなければ、次の流れでやさしく洗いましょう。
- 外壁を水で軽く濡らす
- 柔らかいスポンジやブラシでやさしく洗う
- 落ちにくい場合は、外壁用の洗浄剤を使う
- 洗浄剤が残らないように水で流す
- 洗浄後は、そのまましっかり乾かす
ただし、水をかけたときに、次のような変化が見られた場合は、そのまま洗い続けない方が安心です。
- 塗膜が浮いたり、剥がれたりする
- 外壁の表面がポロポロと崩れる
- 一部分だけ水を強く吸い込み、急に色が濃くなる
- ひび割れやすき間へ水が入り込む
- コーキングの切れや剥がれが見つかる
- 水をかけた部分だけ、なかなか乾かない
このような状態は、塗膜の防水性が低下していたり、外壁材が傷んでいたりする可能性があります。
無理にこすらず、いったん清掃を止めて、外壁の状態を確認してもらいましょう。
また、硬いたわしや金属製のブラシを使うと、外壁表面や塗膜を傷つけることがあります。
一度で落とそうと力を入れず、外壁の様子を見ながら少しずつ洗うことが大切です。
洗浄剤は外壁用を選びましょう
家庭用の洗剤なら何でも使えるわけではありません。
外壁に使用できることを確認し、表示されている使い方や濃度を守りましょう。
初めて使用する場合は、目立たない場所で変色や艶の変化が出ないか試してから使うと安心です。
5. 家庭用の高圧洗浄機は使っても大丈夫?
高圧洗浄機を使えば、広い範囲を簡単に洗えそうに感じますよね。
ただし、外壁の状態によっては、強い水圧が塗膜やコーキングを傷めることがあります。
近い距離から強い水圧を当てると、次のようなことが起こる場合があります。
- 塗膜が剥がれる
- 外壁表面の模様を傷つける
- コーキングが傷む
- 隙間から水が入る
- 傷んでいる部分が広がる
特に、ひび割れや塗膜の剥がれがある外壁には、強い水圧を当てない方がよいでしょう。
高圧洗浄機を使ったあとに、外壁へ線のような黒ずみが残ることもあります。
高圧洗浄後に外壁がかえって汚く見える理由や、黒い線が出たときの対処法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
外壁を高圧洗浄したら逆に汚くなった理由|線状の黒ずみの正体とは?
また、高圧洗浄機には噴射時の反動があります。
脚立やはしごに乗ったまま使用すると、バランスを崩して転落する危険があります。
高い場所や外壁全体を洗いたい場合は、無理をせず業者へ相談しましょう。
6. 洗ってもまたカビやコケが生えるのはなぜ?
きれいに洗ったのに、しばらくするとまた緑色や黒っぽい汚れが出てしまうことがあります。
これは、表面のカビやコケは落とせても、外壁が水分を含みやすい状態や、乾きにくい環境までは変わっていないためです。
特に、塗膜の防水性が低下している外壁は水をはじきにくくなり、雨のあとに湿った状態が続きやすくなります。
また、田んぼや川、山林が近い場所や、北側で日当たりが悪い住宅などは、湿気の影響を受けやすく、カビやコケが再発しやすい環境といえます。
さらに、外壁の近くに植木や物置があり風通しが悪くなっていたり、雨樋の詰まりやベランダの排水不良などで同じ場所に水がかかり続けたりすると、一部の外壁だけに繰り返しカビやコケが発生することがあります。
住んでいる環境そのものを変えることは難しくても、次のような工夫で再発を抑えられる場合があります。
- 外壁の近くに置いている植木鉢や収納ボックス、物置などは、できるだけ壁から少し離して風通しを確保する
- 外壁に触れている庭木の枝葉は、適度に剪定して乾きやすい状態を保つ
- 雨の日に雨樋から水があふれていないか、ベランダの排水が詰まっていないかなどを無理のない範囲で確認する
- カビやコケが小さいうちに洗浄や点検を行い、広がる前に対処する
環境の影響でカビやコケが発生しやすい住宅でも、定期的に外壁を確認し、湿気がたまりにくい状態を保つことで、汚れの再発を抑えやすくなります。
一方で、複数の面や外壁全体にカビやコケが広がっている場合は、環境だけでなく塗膜全体の防水性が低下している可能性もあります。そのような場合は、外壁の状態を点検し、必要に応じてメンテナンスを検討すると安心です。
7. カビやコケは塗装すればきれいになる?
はい。カビやコケをきちんと落とし、外壁の状態に合わせて下地処理を行ってから塗装すれば、見た目をきれいに整えることができます。
外壁塗装では、まず高圧洗浄でカビやコケ、砂ぼこりなどを落とし、必要に応じてひび割れなどを補修してから、下塗り・中塗り・上塗りを行います。
こうした工程を丁寧に行うことで、外壁表面の防水性が整い、カビやコケが付きにくい状態に近づけることが期待できます。
塗料を選ぶ際は、防カビ・防藻性や低汚染性のある塗料も検討するとよいでしょう。カビやコケの発生を抑えやすく、汚れが付きにくい効果が期待できます。
ただし、どの塗料を使っても、カビやコケがまったく生えなくなるわけではありません。日当たりや風通し、湿気などの住環境によっては、時間の経過とともに再び発生することがあります。
また、カビやコケが残ったまま塗装すると、塗料が十分に密着せず、仕上がりや耐久性に影響する場合があります。そのため、塗料の種類だけでなく、洗浄や下地処理が適切に行われることも大切です。
8. 洗浄だけでよいか、塗装が必要か迷ったときは
カビやコケがあるからといって、必ず塗装が必要とは限りません。
ただし、洗浄だけでよいのか、塗装まで考えた方がよいのかを、見た目だけで判断するのは難しいものです。
手が届く低い場所で、汚れの範囲が小さく、ひび割れや剥がれも見当たらない場合は、まず一部分だけやさしく洗ってみてもよいでしょう。
次のような状態が見られる場合は、無理に自分で判断せず、外壁全体を見てもらう方が安心です。
- カビやコケが一面または広い範囲に出ている
- 複数の面や外壁全体に広がっている
- 洗っても短い期間で再発する
- 色あせや白い粉が出ている
- ひび割れや塗膜の剥がれがある
- 高い場所に発生している
- 雨樋や窓まわりから水が流れている
- 外壁が水を吸い込みやすくなっている
業者に相談するときは、「塗装が必要ですか?」と聞くだけでなく、なぜカビやコケが生えたのかも確認しましょう。
洗浄だけで対応できるのか、外壁の防水性が落ちていないか、雨樋や窓まわりに問題がないかを、写真を見ながら説明してもらうと判断しやすくなります。
自分でできることは、安全に手が届く小さな範囲を試してみることまでです。
広い範囲や高い場所、外壁の傷みが気になる場合は、無理に洗わず、早めに状態を見てもらう方が解決につながりやすいでしょう。
9. 外壁のカビ・コケについてよくある質問
Q. 塗装後はカビやコケが生えなくなりますか?
防カビ・防藻性のある塗料を選ぶことで発生を抑えやすくなりますが、湿気が多い環境では再び付くことがあります。塗装をしても「絶対に生えない」というわけではありません。
Q. 外壁の一面だけ塗装できますか?
外壁の状態によっては、一面だけ塗装できる場合もあります。
ただし、塗った面と塗っていない面で、色や艶の違いが目立つことがあります。
一面だけ汚れていても、外壁全体の塗膜が同じように古くなっている場合もあるため、まずは建物全体を見てもらうと安心です。
Q. 塩素系漂白剤を使っても大丈夫ですか?
塩素系漂白剤は、外壁の変色や塗膜の傷みにつながることがあります。
金属部分や庭木にも影響する場合があります。
自己判断で濃い液を使わず、外壁に使用できる洗浄剤を選び、表示されている使い方を守りましょう。
まとめ
外壁のカビ・コケは、原因を確認して無理のない方法で対処しましょう
外壁のカビやコケは、日当たりや風通し、湿気、雨水の流れ、植栽などの影響で発生します。
北側や隣家に近い一面だけに出ている場合は、その面が乾きにくい環境が関係していることがあります。
一方、複数の面や外壁全体に広がっている場合は、周辺環境に加えて、塗膜の防水性が弱くなっていないかも確認したいところです。
手が届く小さな範囲で、ひび割れや剥がれが見られない場合は、柔らかいスポンジや外壁用の洗浄剤を使って、やさしく洗えることもあります。
ただし、高い場所や広い範囲を無理に洗ったり、強い水圧や洗剤を使ったりすると、外壁を傷めることがあります。
また、きれいにしても短い期間で再発する場合は、外壁が乾きにくい環境や、防水性の低下が残っている可能性があります。
外壁まわりの風通しを整える、雨樋から水が漏れていないか確認する、防カビ・防藻性のある塗料を検討するなど、再発を抑える方法もあります。
カビやコケだけで、すぐに塗装が必要とは限りません。
洗浄だけでよいのか、塗装まで必要なのか判断しにくい場合や、色あせ、白い粉、ひび割れ、塗膜の剥がれなども見られる場合は、外壁全体の状態を見てもらうと安心です。












