はじめに
ウッドデッキやフェンス、破風板など、
木部の塗装を検討しているときに
「キシラデコール」という塗料名を目にしたり、業者から勧められたりして、
気になって調べている方も多いのではないでしょうか。
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有名な塗料みたいだけど、本当に自分の家に合うの?
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色見本を見たけど、実際に塗ると同じように仕上がるの?
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DIYでも使える?それとも業者に頼んだ方がいい?
キシラデコールはよく使われる木部用塗料ですが、
「どんな家・どんな使い方にも万能」な塗料ではありません。
この記事では、メーカーのカタログ説明では分かりにくい
「実際どうなるのか」「どんな人に向いているのか」という視点で、
キシラデコールを選ぶ前に知っておきたいポイントを整理して解説します。
キシラデコールとは?|木部専用として使われている理由
キシラデコールは、屋外の木材を保護するために使われる木部専用塗料です。
外壁や屋根に使う一般的な塗料とは役割が異なり、
木材の内部に染み込んで保護することを目的としています。
そのため、
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木の風合いを活かした仕上がり
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塗膜が剥がれにくい
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木部特有の劣化(腐食・カビ・虫害)を抑える
といった特徴から、
屋外の木部塗装で広く使われています。
どんな場所に使われる?|よくある使用例

キシラデコールが使われることが多いのは、次のような屋外の木部です。
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ウッドデッキ
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木製フェンス
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破風板・鼻隠し
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木製外壁
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ログハウス
また、外壁材そのものが木ではなくても、
外壁の一部に木部が使われている住宅でも、キシラデコールが選ばれるケースがあります。

たとえば、
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外壁のアクセントとして使われている木板部分
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玄関まわりやポーチ天井の木部
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デザイン性を高めるための化粧梁・木製ルーバー
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軒天や外壁の一部に使われている天然木材
このような箇所は、
見た目は外壁の一部でも、素材は「木」になるため、
外壁用塗料ではなく、木部専用塗料が必要になります。
キシラデコールは、
「木がそのまま見えている部分」を保護するための塗料として、
こうした木部に使われる代表的な選択肢のひとつです。
屋外木部と屋内木部で使う塗料は違う?
木部塗装といっても、
屋外に使う木部と屋内に使う木部では、適した塗料が異なります。
屋内でよく使われるオイルステインは、
木の風合いを活かしながら色を付ける塗料ですが、
基本的には紫外線や雨にさらされない室内向けの塗料です。
一方、屋外の木部は
紫外線・雨風・湿気といった過酷な環境にさらされるため、
防腐・防カビ・防虫性能を備えた屋外用木部塗料が必要になります。
キシラデコールは、
こうした屋外環境から木材を守ることを目的とした
屋外木部専用の塗料として使われています。
※屋内用塗料を屋外に使用すると、
短期間で色あせや劣化が進む原因になるため注意が必要です。
浸透タイプと造膜タイプの違い|仕上がりが大きく変わる理由
木部塗装用の塗料には、大きく分けて
「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の2種類があります。
浸透タイプ(キシラデコール)
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木の内部に染み込む
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表面に厚い塗膜を作らない
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木目がはっきり残る
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自然でナチュラルな仕上がり
キシラデコールは、この浸透タイプにあたります。
※本記事では、木目を活かす「浸透タイプのキシラデコール」を中心に解説しています。
キシラデコールは浸透タイプの塗料のため、
木部表面に厚い塗膜を作りません。
そのため、一般的な造膜タイプ塗料のように、
塗膜が割れたり、剥がれたりしにくいのが特徴です。
時間の経過とともに起こる変化は、
塗膜が剥がれるというよりも、
色あせや防水・防腐効果が徐々に弱くなっていく、
いわゆる経年変化が中心になります。
定期的に塗り替えることで、
木材を良い状態で保ちやすい塗料と言えます。
一方で、木部塗装には、仕上がりの方向性が異なる「造膜タイプ」の塗料もあります。
造膜タイプ
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木の表面を塗膜で覆う
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色がはっきり出やすい
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仕上がりが均一になりやすい
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塗装感が強く出る
なぜ「色見本と違う」と感じやすいのか
キシラデコールは浸透タイプのため、
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木の種類
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劣化の程度
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日当たり
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既存塗膜の有無
によって、色の出方に差が出やすくなります。
「色見本と実際の仕上がりが違う」と感じるのは、
施工ミスというより、塗料の特性による自然な違いであることがほとんどです。
こんな仕上がりにしたい方へ|色選びの考え方
キシラデコールは色番号で選ぶよりも、
「どんな雰囲気にしたいか」で考える方が失敗しにくい塗料です。
明るくナチュラルな印象にしたい方
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木の色を活かしたい
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周囲と自然になじませたい
→ 明るめ・薄めの色を選ぶと、木目がやさしく残りやすくなります。
落ち着いた雰囲気にしたい方
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少し重厚感を出したい
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経年変化を楽しみたい
→ やや濃い色を選ぶと、深みのある仕上がりになりやすいです。
色ムラや経年変化が心配な方
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日当たりが強い
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劣化が進んでいる木部
→ 極端に薄い色・濃い色より、
中間的な色の方が変化が目立ちにくい場合があります。
※実際の仕上がりは条件によって異なるため、
可能であれば試し塗りや施工事例を確認するのがおすすめです。
キシラデコールの注意点|知っておきたいこと
色あせは起こる
キシラデコールは紫外線の影響を受けるため、
年数が経つと徐々に色あせが起こります。
これはキシラデコールに限らず、屋外の木部塗装全般に共通する特性です。
特に、
日当たりの良い場所や雨が当たりやすい部分では、
色の変化が早く感じられることもあります。
定期的な塗り替えが前提
環境にもよりますが、
2〜3年程度での点検・塗り替えが目安になります。
「まだ大丈夫そう」と放置してしまうと、
塗料ではなく木材そのものが傷んでしまうため、
結果的に補修が大がかりになるケースもあります。
塗る前の下地状態で仕上がりが大きく変わる
キシラデコールは木に染み込む塗料のため、
塗る前の木の状態が、そのまま仕上がりに影響します。
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汚れやカビが残っている
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古い塗膜が部分的に残っている
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劣化が進んでいる
こうした状態のまま塗ると、
色ムラが出たり、思ったような仕上がりにならないことがあります。
DIYの場合は、
「塗る作業」だけでなく、下地処理が重要という点を知っておくことが大切です。
塗り重ね回数・乾燥時間を守る必要がある
「一度でしっかり色を出したい」と思って、
塗りすぎたり、乾燥前に重ね塗りしてしまうと、
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ムラが目立つ
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ベタつきが残る
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耐久性が落ちる
といった原因になります。
DIYで使用する場合は、
説明通りの塗り回数・乾燥時間を守ることが、
仕上がりを安定させるポイントです。
高所や広範囲は無理をしない
ウッドデッキやフェンスであればDIYしやすいですが、
破風板や高い位置の木部は、
無理をするとケガや施工不良につながります。
「届く範囲かどうか」「安全に作業できるか」を基準に、
業者に相談する判断も選択肢の一つです。
キシラデコールはDIYでも使える塗料ですが、
「簡単に塗れる=失敗しにくい」というわけではありません。
仕上がりや耐久性を左右するポイントを理解したうえで、
自分に合った方法を選ぶことが大切です。
DIYと業者施工、どちらが向いている?
DIYが向いているケース
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小規模なウッドデッキ
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手の届く範囲のフェンス
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定期的な塗り直しを楽しめる方
業者に相談した方がよいケース
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破風板・鼻隠しなど高所
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面積が広い木部
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劣化が進んでいる場合
「DIYでも使える塗料」ですが、
下地処理や塗り方によって仕上がり・耐久性に差が出やすいため、
無理にDIYにこだわらない判断も大切です。
キシラデコールが向いている人・向いていない人
向いている人
次のような考えをお持ちの方は、
キシラデコールと相性が良いと言えます。
・木の風合いや木目を活かした仕上がりにしたい方
→ 塗膜で覆うのではなく、木材に染み込む塗料のため、
自然な質感を残した外観に仕上げやすいです。
・塗膜の剥がれが気になりにくい塗料を選びたい方
→ 表面に厚い膜を作らないため、
外壁塗装のような剥がれが起こりにくいのが特徴です。
・木部は定期的に手入れをしながら使っていきたいと考えている方
→ キシラデコールは、
「一度塗って終わり」ではなく、
状態を見ながら塗り替えることで、木を長く守る塗料です。
向いていない人
次のような考えをお持ちの場合は、
キシラデコール以外の塗料の方が、
仕上がりや使い方のイメージに合うことがあります。
・一度塗ったら、できるだけ長期間手入れをせずに使いたい方
→ 木部塗装は、基本的に定期的なメンテナンスを前提としています。
キシラデコールは木を守りやすい塗料ですが、
「塗って終わり」という使い方には向いていません。
手入れの頻度をできるだけ減らしたい場合は、
塗膜で木材表面を保護する造膜タイプの木部塗料の方が合うこともあります。
・木目を隠し、均一でペンキのようにはっきりした色合いに仕上げたい方
→ キシラデコールは木に染み込む塗料のため、
木目や素材感がそのまま仕上がりに反映されます。
そのため、色ムラのない仕上がりや、
塗装感のある見た目を求める場合は、
造膜タイプの木部塗料の方がイメージに近い仕上がりになります。
※キシラデコールには造膜タイプの製品もありますが、
本記事では、木目を活かす「浸透タイプのキシラデコール」を前提に解説しています。
キシラデコール以外の選択肢も知っておこう
木部塗装には、キシラデコール以外にもさまざまな選択肢があります。
たとえば、
・木目を活かして自然な風合いに仕上げたい場合は「浸透タイプ」
・色を均一に出し、塗装感のある仕上がりにしたい場合は「造膜タイプ」
・できるだけメンテナンスの手間を減らしたい場合は「高耐候型の木部塗料」
など、求める仕上がりや使い方によって、適した塗料は変わります。
大切なのは、「どの塗料が一番良いか」ではなく、
「どの塗料が自分の木部の状態や使い方に合っているか」を考えることです。
まとめ|「キシラデコールが合うかどうか」で判断することが大切
キシラデコールは、
正しく使えば木部を長く守れる塗料ですが、
誰にでも万能な塗料ではありません。
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どこに使うのか
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どんな仕上がりを求めるのか
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どれくらい手入れできるのか
こうした点を整理したうえで選ぶことが、
「思っていたのと違った」という後悔を防ぐポイントです。
もし「自分の家の場合はどうだろう?」と迷った場合は、
実際の木部の状態を見てもらいながら判断するのも一つの方法です。
このページが、
キシラデコールを使うかどうかを考える際の
判断材料になれば幸いです。













