外壁塗装にまつわる「お金」・・・。
今回は気になる外壁塗装費用相場を塗料別にわかりやすく解説していきます。
「最近外壁が汚れてきたな。そろそろ塗り替えを考えないと・・・」「でも、塗り替えって一体いくらかかるんだろう???」
築年数が経ってくると、気になるのが家のメンテナンスのこと。
特に家の外壁は見た目にも汚れやひび割れなどが目立つ部分ですから、そろそろ外壁塗装をした方が良いのではないだろうか?と悩んでおられる方も多いかと思います。
また、いくつかの業者にすでに見積もりを出してもらったが、何を決め手に業者選びをすれば良いのだろうか、メンテナンスの時期かな?などの悩みでお困りの方もいるのではないでしょうか。
外壁塗装工事は決して安い工事ではなく、工事が終わってこんなはずじゃなかったと後悔してもやり直すことはできません。
費用を抑え、優良な業者に依頼したいと考えるのが普通です。外壁塗装はどんなタイミングで?相場はいくらぐらい?業者選びはどのようにすれば良い?外壁塗装で失敗しないためには、このような疑問点について少しご自身で把握しておくと安心です。
なかには、知識がないのをいいことに、手抜き工事をしたり、相場とかけはなれた高額な工事費を請求する悪質な業者もいますので注意が必要です。
塗装知識の一つとして相場価格を知る・・・があります。
例えばスーパーのチラシを見て、「今日は〇〇が安い!」と判断できるのは相場価格を知っているからです。どこの業者に依頼するかを決める際、普段の買い物をするときのようにおおよその相場価格を知ったうえで依頼すると提出された見積書が正しいのかどうかの判断、比較ができるようになります。
外壁塗装には定価がありません。
外壁塗装の費用はあってないようなものなので、業者によって変わってきます。また塗料のグレードによっても大きく変わってくるので必ず相見積をとって相場価格を知ることが大事です。
10軒あれば10通りの家の素材や劣化状態、周辺環境はそれぞれ違います。
その家にあった最良の施工をしてくれる業者にお願いしたいものです。
ではどうすれば良い業者を見つけられるのか?1社に見積もりを依頼してそのまま契約する人もいますが、それでは、依頼した業者が本当に良い会社なのかわかりませんし、見積もりが相場価格なのか?高いのか?安いのか?についても判断することができません。
その為、複数の業者に見積もり依頼をして、工事価格を比較する事が大切になってきます。何社か見積もり比較をすることで大体の相場がわかり、工事価格をある程度ご自身で判断することができます。
塗装の適正な相場を押さえておき、見積もりをするときから余計な費用が掛かっていないかご自身でチェックできるようにしましょう。
これから外壁塗装をしようと考えている人は、これだけは押さえておきたいという外壁塗装に関する知識を得た上で、業者選びされることをおすすめします。
どこに依頼する?
家を建てた ハウスメーカー
大手ハウスメーカーはテレビ広告・住宅展示場など様々な営業を行っています。知名度もあるし、保証もしっかりしているから安心というお声を耳にします。
確かにハウスメーカーの持つ”安心感”と”ブランド力” は大きな魅力ですね。
その一方で…“想像以上に塗装費用が高い。他の塗装業者で見積を取ってみたら、ハウスメーカーよりかなり安かった!”という声もあります。
大手のハウスメーカーに頼むメリットは、やはり大手ならではの安心感です。
全国展開しているところもあり、施工実績も豊富で、従業員の数も多く、点検や施工などの依頼に迅速な対応が可能です。
仮に担当者が代わったとしても工事情報の管理がしっかりしているので、どのような症状で、どのような工事を行ったか、また使用した建材についても業者側で把握しています。
新築で家を建てているので、外壁の面積や屋根の面積など詳細なデータも残されています。
ですから、外壁塗装や屋根塗装のみならず、どんなリフォームを依頼してもその家の築年数や劣化症状に合わせた最適な工事の提案してくれるはずです。
一方で大手ハウスメーカーに依頼するデメリットは高額な工事費用です。
元請けであるハウスメーカーは、下請け更には孫請け業者に仕事をまわすために中間マージンを上乗せしてお客様に見積もりを出します。
これが専門業者に直接頼むよりも価格が高い理由です。
工務店
工務店は住まい全般の相談にのってもらえるというメリットがあるので、塗装だけでなく他に相談したい場合は工務店に相談しても良いでしょう。
ただし、実際に塗装工事を行うのは下請けの塗装業者ですので、工事費用は高くなります。
工務店は、主に新築工事で利益を上げるところです。
まずは外壁塗装の施工実績の確認を行いましょう。
なかには外壁塗装の実績はほとんどなく、注文住宅の下請けや大工工事が主という工務店もあります。
外壁塗装は決して安くはありませんので、きちんと施工してもらい次の塗装まである程度の期間をもたせたいものです。そのためにも施工実績の確認は必須です。
リフォーム会社
外壁塗装だけでなく家の内部などのリフォームや修繕なども相談できるので塗装だけでなく他のリフォームも検討している場合は一緒に依頼できますし、話がスムーズにいくでしょう。
ただしハウスメーカーや工務店と同様に塗装に関しては下請けである塗装業者に依頼するので、工事費用には中間マージンが上乗せされるため高くなるでしょう。
リフォーム会社はリフォームのことなら何でもという会社ですが、元々の得意分野が必ずあります。
工務店へ外壁塗装を頼む場合は、以前は塗装店だったが今はリフォーム会社になっている、というところを見つけましょう。そのリフォーム会社は外壁塗装についての知識や実績があるので安心して依頼できるでしょう。
塗装専門業者
塗装専門業者は自社施工をしている会社が多く、下請けや孫請けが存在しない業者が多いので、中間マージンが発生せずに大手ハウスメーカーなどに比べると費用が比較的安くすみます。
営業に長けている業者は自分で仕事をとってきますが、大手ゼネコン、中堅ゼネコンなどの下請けで塗装工事を請負う業者も多くいます。
最終的に塗装専門業者が塗装するわけですので、価格重視の工事をしたいと考えているなら、はじめから塗装専門業者に依頼することで中間マージンが発生せず費用を抑えることができるでしょう。
基本的に塗装を専門に行い、自分たちで材料を仕入れ、施工は自社職人なので余計な仲介料がかかりません。
ですから、適正な価格で外壁塗装・屋根塗装を施工してくれます。
また地元の塗装店はその地域の気温や湿度などに詳しいので、その地域に合った塗料や塗り方を提案してくれるでしょう。
ただ外壁塗装業者は、必ず決まった資格がないとできないという業種ではないため、業者の信頼性をはかるのが難しい業種でもあります。
なかには悪徳業者が隠れている可能性もあります。
また保証期間内に倒産してしまったということもあります。
しかし、すべてがそうであるわけではなく、個人で行っている方でも、信頼できる業者はありますので、経験の長さと実績の確認は、施工業者選びの大切なポイントになります。
◆格安・激安を売りにしている訪問業者に注意!
突然インターホンが鳴り出てみると「外壁の劣化が酷い。このままでは危険です」「今なら激安キャンペーンをしています」「近所の足場をそのまま使うので、お宅だけ特別に足場代は無料です」といきなり訪問してきて営業トークを始める営業マン。
このケースは注意が必要です。
塗装に詳しくないことをいいことに言葉巧みにあの手この手で不安を煽り「無料なら」「安い価格でできるなら」・・・とその場で契約を促そうとしてきます。
しかし、実際の見積もりを見てみると相場と変わらない価格だったり、酷い時には相場の価格よりも高い場合もあります。
残念ながら外壁塗装業界は、家に突然くる営業マン、即決を迫る業者、外壁塗装モニター商法を使う業者がまだまだ存在する業界であります。
勿論全ての訪問販売が悪徳業者というわけではありませんが、そういった業者は存在しますので注意が必要です。
悪徳業者は「格安・激安」の持つお得感を利用して騙そうとしてきますので、外壁塗装を値段や値引き額だけで決めるのは大変危険です。相場が不明瞭だからこそ、外壁塗装費用の相見積りをとることをぜひおすすめします。
では外壁塗装の相場費用を塗料別に比べてみましょう。
外壁塗装の相場費用!?
外壁塗装の費用内訳は、塗料代、工事代(人件費)、足場代、利益にわけられます。
また塗料のグレード、建物の大きさや劣化状況によって費用は変わってきます。
足場の相場費用
意外と知られていない足場の重要性!普段の生活にはほとんど馴染みのないものなので見積書に「足場」と表記してあると「必要なの?」と、わからない方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装工事で、最初に行われるのが、足場の組み立て工事です。
飛散防止ネットで囲まれ、足場が組まれた家を見ると、「外壁塗装が行われているのかな」と思ってしまうでしょう。
外壁塗装は高所で行う作業なので、安定した環境での作業性や落下防止などの安全面も高まり足場を組むことは重要な役割があります。他にも近隣や通行人への配慮などがあります。
大切な住まいの塗り替えリフォームにおいて、足場を組むということは、さまざまな安心・安全を確保するためにとても重要なのです。
◆ここに注意!
営業マンの「足場代無料」には要注意!
飛び込み営業で足場代無料キャンペーンと称して、「近所で足場を掛けているので、今なら足場代が無料です」「ただいまキャンペーン中なので足場代をサービスします」などと言って突然営業マンが訪問してくることがあります。
しかし、通常足場の設置解体には、少なくとも2日間は必要になり、人件費や運搬費もかかってきます。
足場の組み上げには国家資格保有者が同伴する必要があるため、多少割り引くことはあっても、無料はありえません。
足場代無料だと見せかけて、「施工費単価」や「材料費単価」など他の項目に足場代分の費用が加算されている可能性があります。
外壁塗装の相場価格
外壁塗装にかかる費用見積をお願いはしたものの、見積額の妥当性が判断できず困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
だいたい外壁塗装はいくらくらいするのだろうか?と疑問に思う方は多いと思います。そもそも外壁塗装価格には適正価格がというのがなく、お住まいの大きさや劣化状況、選ぶ塗料、業者によって異なるため一概にいくらというのがないのです。
ただ、ある程度の相場価格を把握しておけば、今後どのくらいのお金が必要なのかイメージができ、提示してきた見積額が適正価格であるかの判断ができるかと思います。
ここでは塗料・坪数別で相場価格を出しています。外壁塗装をこれからお考えの方の参考になればと思います。
-注意-
ここでの「坪数」は、1階~3階と建物の各階の床面積をすべて足した延坪を指しています。
(※よく混同されがちですが「建坪(建築面積、1階部分の床面積)」とは違うため、ご注意ください。)
例えば「1階20坪、2階10坪」の2階建て住宅なら30坪、「1階20坪、2階10坪、3階10坪」の3階建て住宅であれば、40坪の欄を参考にしてください。
外壁塗装の塗料グレード別メリット・デメリット
ウレタン樹脂塗料 【耐用年数 7~10年】
シリコン塗料が開発・普及される前まではウレタン塗料がコストパフォーマンスの良さから人気の塗料でしたが、シリコンの普及により最近では採用が減ってきました。
ウレタン塗料は塗料の中では安価でとても扱いやすい塗料となります。
ウレタン塗料は柔らかく、木製素材や鉄材の着色にも向いています。家具・フローリング・外壁までさまざまな塗装に用いられています。また下地との密着性にも優れているため、付帯部(軒天・雨樋)などでよく使われています。
ウレタン材特有の光沢仕上げも可能です。
艶に関しては、艶有り、7分艶、5分艶、3分艶、艶消しと選ぶことができます。
シリコン樹脂塗料 【耐用年数 10~15年】
シリコン塗料は定番塗料であり、よく使われている塗料です。
コストパフォーマンスが高く外壁や屋根などの塗料として国内で最もよく使われている塗料です。
耐水性・耐候性にも優れ、汚れを寄せつけない特性をもつなど耐久性に優れています。
このほか、シーリング材や建築保護材・医療器具などの塗装にも使われています。
値段と耐久性のバランスがとてもよく、塗装店からの信頼も非常に高い塗料になります。
高耐候性、遮熱機能、汚れにくい、艶もカラーバリエーションも豊富で塗料のグレードや商品により価格や耐久性が決まります。
ただ、シリコン塗料の中でもピンからキリまでありますので慎重に塗料を選びましょう。
フッ素樹脂塗料 【耐用年数 15~20年】
寿命がとても長い機能性塗料です。
アクリル系塗料やシリコン系塗料と比べると高い機能性効果を発揮します。
とてもクオリティが高いフッ素塗料ですが、まだまだ価格は高めなので一般家庭では採用が少ないです。
フッ素の持つ高性能により、汚れや雨・紫外線に強く、耐用年数は外壁塗装の塗料の中で一番長いです。
フッ素樹脂の特性から、フッ素系塗料はアクリル系塗料やシリコン系塗料に比べ耐候性にも優れており、一度塗装すれば長期間塗り替えを行う必要がないため、長い目で見た場合のコストを抑えたい方にはおすすめです。
なかなか手入れができない高層ビルや、耐久力が優れていることが必須条件である航空機器で積極的に取り入れられているほど、フッ素塗料は屈強な塗料なのです。
フッ素の素晴らしさは、ご自宅で使用されているフライパンに加工されているフッ素加工が証明していますので、素人の方でも理解しやすいと思います。汚れを寄せ付けず綺麗な状態を保ち塗膜の寿命を高めます。
光触媒塗料【耐用年数 10~20年】
自然の力で汚れを落とすことができる「セルフクリーニング効果」、建物に太陽光などの熱を伝えにくい「遮熱効果」、空気中の汚染物質を酸化し、除去する「空気清浄効果」の3つが光触媒塗料の主な特徴といわれています。
その理由は、原料の酸化チタンに関係しています。
酸化チタンの特性として「超親水性」があります。
親水性とは水と物質との馴染みやすさのことで、ガラスなどに水が付着すると水滴を作りますが、親水性が非常に高いとその水が水滴にならずに薄い膜が広がります。超親水性により水膜ができることで静電気の発生を防ぎ、ちりやホコリが付着しにくくなります。また油や排煙(主に排気ガスなどの大気汚染)の汚れも雨と一緒に洗い流されます。これが光触媒のセルフクリーニング効果であり、防汚性が非常に優れているといわれるところです。
光触媒塗料はその特性から、広い敷地に建つ日当たりの立地に建つ外壁の色が真っ白な住宅などは汚れが目立つので、特に光触媒塗料の性能を十分に発揮できるでしょう。
無機塗料 【耐用年数 15~20年】
ハイブリッド塗料とは、2つ以上の異なる特性を持つ成分を結合させてできた塗料のことをいいます。
どの素材にも長所・短所があります。
それらの素材を組み合わせることで短所を補い、長所を活かそうとして開発されたのがハイブリッド塗料です。
今では次世代型の機能性塗料として耐久性が高い、不燃性、汚れに強いといった無機のメリットと、柔軟性が高くクラックに強いという有機のメリットを組み合わせた有機・無機のハイブリッド塗料など様々なハイブリッド塗料が登場してきております。
寿命はありますが、無機物と有機物を配合した、塗料としては最高級の素晴らしい効果を発揮する塗料です。
その一つとして超耐候性です。塗料の中でも優れた耐久性と耐候性をもっており、耐久性を求める方には最適な塗料といえます。
また汚れにくいことも、無機塗料の特徴の一つです。この効果は光触媒塗料に匹敵するほど汚れに強いです。
ガラスなどの無機物は親水性が非常に高く汚れが表面に付着しても雨で洗い流す事が出来ます。
また、静電気が起きにくい性質がありますので、ホコリなどのゴミも寄せ付けない塗膜とする事が出来ます。
はっ水性も高いので、カビが出来にくいクリーンな外壁塗膜とする事が出来ます。
無機塗料は、有機塗料とのハイブリット塗料ですから、どんな有機塗料と混ざっているかで機能は変わってきます。
まとめ
外壁塗装で失敗してしまう例のひとつに、塗装のことを何も知らないまま一社からの見積もりだけで決めてしまい、結果として高額な費用がかかり早期に不具合が発生してしまうというケースがあります。これは、慣れない外壁塗装において判断基準がないまま契約したことで起きてしまった失敗例です。
外壁塗装を考えたときまず最初に外壁塗装の適切な相場を知ることです。複数の業者から見積もりを取ることで判断基準ができ、比較・検討することができます。
使用する塗料も種類が豊富で性能も様々です。塗料の持つメリット・デメリットを理解し、建物にあった塗料を選ばれてください。建物に使っている素材との相性もありますし、耐久性などによって金額も変わってきます。
外壁塗装の塗り替えを検討する際は信頼できる塗装店に依頼することが最も大切である、と言えるでしょう。