カラーデザイナーが選ぶ最新トレンド外壁色と人気の質感
建物の外壁色…。これは建物の第一印象を大きく左右する重要な要素です。色やデザインで建物の雰囲気が大きく変わるため、外壁色は個性や特徴を表現する重要なポイントとなります。色を選ぶ作業は選択肢が多くありすぎて大変ですが、トレンド色を参考にするのも一つの方法です。近年では、シンプルでモダンな色合いや自然と調和するナチュラルカラーが注目されています。
ただ外壁の色だけでなく、触感や質感も重視される傾向があります。
自然な素材感や質感を取り入れることで、建物により個性が生まれます。
ただし、人気のあるトレンド色が自分の好みや建物の特性と合わない場合もあります。建物に愛着を持つためには、自分のライフスタイルや好みに合わせた色を選ぶことが大切です。また、建物の形状や材質、周囲の環境との調和も考慮する必要があります。
今回は、最新のトレンド色と質感について詳しく見ていきましょう。
最新の人気外壁色
ナチュラルカラー
ナチュラルカラーとは、自然界の木や土、空を連想させる色を指します。これらの色は、周囲の環境と調和しやすく、目立ちすぎず落ち着いたトーンが特徴です。自然な風合いや素材感を表現するため、住宅地や自然に囲まれた場所にぴったりです。また、さまざまな建材や素材との相性も良く、家全体に柔らかく統一感のある外観をもたらします。 ナチュラルカラーには、癒し効果があり、長く愛され続ける安定感のある選択肢です。
では、最新のトレンドであるナチュラルカラーを見ていきましょう。
最新トレンドナチュラルカラー
・サンドベージュ・
ベージュも多様なバリエーションがありますが、こちらは自然の砂や砂浜をイメージした温かみのある色合いです。穏やかな色合いで、建物全体に優しい印象を与えます。
・オリーブグリーン・
オリーブグリーンは、オリーブの葉を思わせる暗めの黄緑色で、ややグレーがかっています。モスグリーンよりも落ち着いた印象で、シックで洗練された雰囲気を持ちます。上品さの中に自然を連想させ落ち着いた色になります。鮮やかさを落とした渋いグリーンなので和風の建物にも合います。
・ベージュグレー(グレージュ)・
ベージュグレー(グレージュ)は、ベージュとグレーが組み合わさった色で、柔らかく落ち着いた雰囲気を持っています。この色は自然界にもよく見られる色調で、石や砂、木材などの自然素材に似たナチュラルな色合いです。
・ライトグレー・
シンプルでモダンな印象を与える外壁色の一つです。自然な光沢感や開放的な空間の広がりを演出し、建物全体に柔らかな雰囲気を与えます。建物によってはスタイリッシュに仕上がります。
また、土や岩、砂などの自然素材から影響を受けたアーストーンカラーも人気があります。これらの色は主に茶色や灰色を基調とし、自然な風合いや温かみを感じさせるのが特徴です。自然界に由来するため、落ち着きと安心感を与える色合いで、周囲の景色や太陽の光をうまく取り入れ、穏やかな佇まいを演出します。
モダンな色彩
モダンな色彩は、建物やインテリアのデザインに使われることで、現代的でおしゃれな雰囲気を作り出します。シックな色合いや強いコントラストは、建物の外観をモダンでスタイリッシュに演出し、近代的な建築などにも人気があります。モダンな色彩は、建物に個性的な表現をもたらし、独自の個性やアクセントを加えることができます。建物の周囲環境や景観との調和も考慮され、モダン色彩が選ばれる要因となります。
モダン色彩は、時代を超えて愛されており、建物が年月を経ても外観を新鮮で魅力的に保つことができます。
一般的に、ホワイト、グレー、ブラック、モノトーンなどがモダンな色彩としてよく見られますが、以下で紹介する色も最近では注目されています。
最新トレンドモダン色
・チャコールグレー・
深みのある濃いグレーでスタイリッシュな印象を与えます。シックな雰囲気と都会的な魅力を演出し、建物に高級感を与えます。
・ライトグレー ・
明るいグレーは、清潔感と広がりを感じさせます。どのような環境にも調和しやすく、モダンなデザインに適しています。ナチュラルカラーとしても人気の色です。
・ネイビーブルー・
濃深な青色で、洗練された雰囲気を持ちます。クールで落ち着いた印象を与え、建物の外観に深みと重厚感をもたらします。
・パールホワイト・
真珠のようなつやを帯びた白色で清潔感と上品さを演出します。光を反射して建物を明るく見せ、広がりや開放感を与えます。シンプルでクラシカルな外観を求める方に適しています。
・スレートグレー・
青みがかったグレーで、自然石のような質感を持つ色合いで、落ち着いた雰囲気と高級感を兼ね備えています。木材や金属などの自然素材とも調和しやすく、ナチュラルモダンな外観を演出できます。
外観デザインの隠れた魅力:外壁の素材感と質感
建物の外観は、素材感や表面の質感によっても大きく印象づけられます。
外壁の素材感は、外壁を構成する素材そのものの種類や特性を指します。
伝統的な素材であるレンガや石材から、近年増えている金属やコンクリートなどの新素材まで様々です。これらの素材は、建物に温かみや都会的でモダンな雰囲気を演出したりします。
質感は、外壁の表面仕上げによって生み出される触感や見た目のテクスチャーを指します。例えば、滑らかな表面、凹凸のある表面、粗い表面などがあります。それぞれ質感によって自然な雰囲気や洗練された印象を与えます。
素材感と質感は、建物の外観やデザインにおいて重要な要素であり、適切な素材と質感を組み合わせることで、建物に特別な雰囲気や個性を与えることができます。
最近では、外壁の質感に注目が集まっており、以下のような質感が人気です。
おすすめ外壁質感
【マット質感】
マット質感は、光沢のない平滑な表面を持ち、自然な風合いや温かみを演出します。光が反射せずに、建物全体に落ち着いた雰囲気を与えることができます。最近では、モダンな建物や住宅でよく見られる質感の一つです。
【テクスチャー質感】
テクスチャー質感は、表面に凹凸や模様を持たせることで、建物に立体感と深みを与える質感です。この仕上げは、建物に独特の表情を持たせ、温かみのある外観を作り出します。
・レンガ調:レンガのような凹凸のある表面を模した質感。外壁にレンガを使用していなくても、外観上レンガ調の質感を表現することができます。
・木目調:木材の木目を模した質感。木製外壁のような温かみのある雰囲気を演出することができます。
・石目調:石材の表面の凹凸や模様を模した質感。石造りの外壁を再現する効果があります。
・モルタル調:コンクリートやセメントなどのモルタルを使用した外壁の質感を模したもの。粗い質感や凹凸が特徴です。
これらのテクスチャー質感は、外壁のデザインや建物のスタイルに合わせて選択され、建物の外観を豊かにします。
【ラフ仕上げ】
ラフ仕上げは、表面に不均一な質感を持たせることで、建物に自然な雰囲気を与える効果があります。最近では、モダンな建物や工業的なスタイルの建物でよく見られる質感の一つです。
外壁色を選ぶ際の注意点
●カラーシミュレーションや色見本と仕上がりは全く同じ色ではない
色見本やカラーシミュレーションは、実際の仕上がりとは異なることがあります。パソコンの画面上で確認すると、色が違って見えることがありますので、注意が必要です。そのため、色見本やカラーシミュレーションは、配色のバランスを確認する目安として使用しましょう。
●面積効果を知っておく
面積効果とは、同じ色でも塗装面積が大きくなるにつれて彩度や明度が上がって見える現象のことです。明るい色は塗装面積が大きくなればなるほど、より鮮やかに明るく見えやすくなります。一方、暗い色の場合は、塗装面積が大きくなるとより暗くなります。色選びの際には、明るめの色はサンプルよりも実際に塗装した際に明るくなることを考慮し、ややトーンを落として選ぶことがポイントです。暗い色に関しては、ワントーン明るめの色を選ぶと選んだ色と仕上がりの大きな差を減らせるでしょう。
●光源で色は変わって見える
外壁は屋外に位置するため、太陽の光によって色が反射して人の目に映ります。日当たりの良い場所では色が明るく見えるため、建物全体がより明るく見える効果があります。外壁の色を選ぶ際には、必ず外に出て太陽光や日陰で確認することが重要です。また、時間帯や天候を変えて確認することをおすすめします。
●建物に合わせる
建物に適した色を選ぶことは重要です。建物のスタイルやデザインに合わせて色を選ぶことで、建物全体のバランスや雰囲気を引き立てることができます。伝統的な建物にはクラシックな色合い、モダンな建物には洗練された色合いが多く選ばれています。
●周囲の環境と調和
外壁色は建物の環境や周囲の景観と調和する必要があります。地域の気候や文化、周辺の建物や自然環境と調和する色を選択することで、建物が自然に溶け込み、周囲の景観を損なわずに調和します。
※景観を重んじた色を使用している地域もあります
まとめ
家の色を選ぶ…。多様な色彩の中から色を決めるのは大変な作業になります。 そこで選択肢の一つとして、最新のトレンド色を参考にしてみることをおすすめします。最近のトレンド色には、自然を感じさせるナチュラルトーンやモダン色彩があります。
近年、外壁の質感にも注目が集まっており、マットな仕上がりや凹凸のある表面が人気です。これらのトレンド色や質感を取り入れることで、個性を表現し、建物の魅力を引き立てることができます。選択肢が多すぎて色選びに迷われたときは、最新のトレンド色を参考にされるのも一つの方法です。
ただし、外壁の色を選ぶ際には、建物のスタイルや周囲の景観に合った色合いやデザインを選ぶことが重要です。また地域の規制や文化にも配慮しながら選ぶ必要があります。
長く住まわれる家です。自分の好みも大切にし、建物と色のバランスを考えて、満足のいく色を選ぶことが重要です。
今回の記事が少しでもお役にたてれば幸いに存じます。