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塗装記事

モルタル外壁の塗装完全ガイド|仕上げ・塗料・劣化別の対処法をプロが解説!

目次

「うちの外壁、なんだかヒビ割れが増えてきたような…」
「前より色がくすんで見えるけど、これって塗り替え時期?」

そんなふうに、ふと気づく外壁の変化。特にモルタル外壁は、素材の性質からひび割れや汚れが目立ちやすく、経年劣化のサインを見逃しがちです。

でもご安心ください。

この記事では、
👉 モルタル外壁の特徴
👉 よく使われる仕上げ方法と塗料の種類
👉 劣化の症状ごとの対処法
👉 そして、塗り替えのベストなタイミングまで

塗装のプロがわかりやすく解説します。
「今すぐ塗装が必要?」と悩んでいる方も、これを読めばご自宅の状態に合った最適なメンテナンス方法が見えてきます。
まずは、ご自宅の外壁が「今どんな状態なのか」から一緒に見ていきましょう。

 

モルタル外壁とは?特徴と素材

「モルタル外壁って聞いたことはあるけど、実際どんなもの?」という方も多いのではないでしょうか。

モルタル外壁とは、セメント・砂・水を混ぜた素材(モルタル)を壁に塗りつけて仕上げた外壁のことです。

1990年代以前の戸建て住宅では、モルタル外壁が主流でしたが、最近では施工がしやすいサイディングボードが多く使われるようになりました。それでも、モルタル特有の風合いや質感を好む方も多く、根強い人気があります。


 

【モルタル外壁の主な特徴】

特徴 内容
素材 セメント・砂・水を混ぜた材料
メリット 継ぎ目がなく美しい/自由なデザインが可能
デメリット ひび割れが起きやすい/定期的な補修が必要

 

【どんな家に使われている?】

  • 平成初期の住宅に多い
  • 左官職人による仕上げがされている家
  • 和モダンや洋風スタイルの住宅にも多く使われる

モルタル外壁は、職人の手仕事による温かみや重厚感ある質感が魅力。ですが、その反面、ひび割れや汚れが発生しやすく、塗装メンテナンスが欠かせません。

次のパートでは、そんなモルタル外壁の「仕上げの種類」について、写真付きでご紹介していきます。

 

モルタル仕上げの種類【写真付きで解説】

モルタル外壁の魅力は、表面の「仕上げ」によってさまざまな風合いが楽しめる点にあります。ここでは、代表的な仕上げ方法を写真付きでご紹介します。


 

1. スタッコ仕上げ(厚塗り仕上げ)

特徴
コテや吹き付けで仕上げる、重厚感のある表面。凹凸が大きく、陰影が出て表情豊かな外観に。

メリット

  • 高級感がある

  • デザイン性が高い

  • 多少の汚れが目立ちにくい

注意点

  • 凹凸に汚れが溜まりやすく、塗膜が劣化しやすい

  • 塗装の際には凹凸にしっかり塗料を乗せる必要があり、塗装費がやや高くなる傾向

スタッコ仕上げ


 

2. リシン仕上げ(薄塗り仕上げ)

特徴
細かい骨材(砂など)を吹き付けた、ザラっとしたマットな仕上がり。

メリット

  • 落ち着いた印象で和風・洋風どちらにも合う

  • 比較的安価で施工可能

注意点

  • 汚れが付きやすく、カビや苔が発生しやすい

  • 塗膜が薄く、防水性はやや劣る

リシン仕上げ


 

3. 吹き付けタイル仕上げ(二重構造)

特徴
下地の模様と上塗りのクリア層で仕上げる2層構造。ツヤ感があり、凹凸の深さも調整可能。

メリット

  • 高級感・耐久性に優れる

  • 色あせしにくく、見た目が長持ち

注意点

  • 補修や再塗装の際に既存模様との調整が必要

吹き付けタイル


 

4. 左官仕上げ(手塗り仕上げ)

特徴
職人の手作業による独特な模様やラインをつけたオーダーメイド感のある仕上げ。

メリット

  • 完全オリジナルの模様が可能

  • 洋風モダン住宅などに人気

注意点

  • 職人の技術により仕上がりに差が出る

  • 補修時は同じ模様の再現が難しい場合も

左官仕上げ

モルタル外壁の仕上げは、外観の印象を大きく左右する重要なポイントです。選ぶ際は、「お住まいのデザイン」「好みの質感」「メンテナンス性」などを総合的に考慮するのがおすすめです。

 

よくあるモルタル外壁の劣化症状とその見分け方【画像付きで解説】

モルタル外壁には、年月とともにさまざまな劣化症状が現れます。ここでは、代表的な劣化の特徴と見分け方、そして適切な補修方法をまとめてご紹介します。


 

1. ヘアークラック(細かいひび割れ

特徴・見分け方

  • 髪の毛のように細く、0.3mm未満の微細なひび割れ

  • 主に塗膜に発生し、指でなぞっても段差を感じない

  • 下地には影響がなく、塗膜だけが割れている状態

対応策・補修方法

  • 下塗り材やパテでひび割れを埋めてから再塗装

  • 微弾性塗料など追従性のある塗料を使うのがおすすめ

  • 放置すると雨水浸入の原因になるため早めの補修が望ましい


 

2. 構造クラック(深いひび割れ)

特徴・見分け方

  • 0.3mm以上の幅広いひび割れで、モルタル下地や建物構造まで達している可能性がある

  • V字状で縦に長く続くことが多い

  • 指でなぞると段差を感じる場合もある

対応策・補修方法

  • Uカット補修(ひび割れをV字に削る)+シーリング充填

  • 補修後は弾性塗料で塗装し、動きに追従させる

  • 専門業者による診断と補修が必要で、早急な対応が求められる


 

3. チョーキング現象(白い粉の発生)

特徴・見分け方

  • 壁を手で触ると白い粉がつく

  • 塗膜が紫外線や雨風で劣化し、顔料が表面に浮き出ている状態

  • 外壁のツヤがなくなり色あせて見える

対応策・補修方法

  • 高圧洗浄で白い粉を除去し、下地処理を徹底する

  • 耐候性の高い塗料で再塗装し、防水性を回復させる

  • 劣化進行のサインなので、早めの塗替えがおすすめ


 

4. 苔・カビの繁殖

特徴・見分け方

  • 日当たりが悪く湿気の多い場所に緑や黒の斑点ができる

  • 北面やベランダ下など風通しが悪い箇所に発生しやすい

対応策・補修方法

  • バイオ洗浄剤で根から苔やカビを除去

  • 防カビ・防藻効果のある塗料で再発を防止する

  • 放置すると外壁の含水率が上がり、ひび割れや剥離の原因になるため早期対応が重要


 

5. 爆裂(鉄筋の露出・剥離)

特徴・見分け方

  • モルタル表面が大きく割れて剥がれ、内部の鉄筋が錆びて膨張している状態

  • 錆びた鉄筋が見えることもある

対応策・補修方法

  • 錆びた鉄筋はケレン(錆落とし)処理をして防錆剤を塗布

  • モルタルで補修し、剥がれを防止

  • 放置すると建物の構造に重大な影響が出るため、早急に専門業者に依頼する

モルタル外壁の劣化は症状によって適切な補修方法が異なります。早期発見・早期対応が建物の寿命を延ばし、雨漏りや腐食のリスクを防ぐポイントです。気になる症状があれば専門業者に相談し、最適な補修・塗装を行いましょう。

 

➡「自分の家も当てはまるかも…」と感じた方は、こちらの記事もチェック
👉 築20年のモルタル外壁…このままで大丈夫?ヒビ割れ・カビが気になったら読むべきチェックポイント

 

モルタルに適した塗料の選び方|失敗しない3タイプ比較

モルタル外壁はひび割れが起きやすいため、選ぶ塗料によって耐久性や仕上がりが大きく変わります。ここでは代表的な3タイプの塗料を簡単に比較します。


① 単層弾性塗料

特徴
ひび割れに追従する柔らかい塗膜。細かいクラックを埋めながら塗装できます。

向いているケース:
・ヘアークラックが多い
・表面に凹凸模様を出したいとき

注意点
水が内部に入り込むと、塗膜がふくれる可能性があるため、下地の乾燥や通気がカギ。


② 複層弾性塗料

特徴
下塗り~上塗りの層構造で、耐久性・防水性が非常に高い。雨の多い地域にもおすすめ。

向いているケース:
・外壁全体をしっかり防水したい
・10年以上の耐久性を重視したい

注意点
施工にはやや手間とコストがかかる。


③ 微弾性フィラー+シリコンorフッ素塗料

特徴
下塗り材で小さなひびをカバーし、上塗り塗料で耐久性・防汚性をプラス。

向いているケース:
・コスパを重視したい
・塗り替えサイクルを延ばしたい

注意点
クラックが深い場合は補修が別途必要です。


POINT
モルタル外壁には「弾性」や「微弾性」のある塗料が相性◎
劣化の状態・住まいの環境・予算に合わせて選ぶのが成功のコツです。

 

モルタル外壁を塗装する時の注意点

モルタル外壁は素材の特性から、塗装時に注意すべきポイントがあります。ここを押さえておくことで、塗装の持ちや仕上がりが格段に良くなります。


✅ クラックの補修は塗装前に必ず!

モルタルは経年でヒビが入りやすい素材です。
特に構造クラック(深いヒビ)があると、いくら良い塗料を塗ってもすぐに再発・雨漏りの原因に。

 ⇒ 必要に応じてシーリングやエポキシ樹脂で補修してから塗装します。


✅ 高圧洗浄で苔・汚れを落としてから

モルタルの表面には、長年の汚れや苔・カビが付着していることが多いです。
これをしっかり洗い流さずに塗ると、塗料の密着が悪くなり、はがれの原因になります。

 ⇒ 洗浄+下地調整が仕上がりに直結!


✅ 吹き付け仕上げは養生・塗料の飛散に注意

スタッコや吹き付けタイルなどの仕上げの場合、施工方法によっては塗料が周囲に飛びやすいため、
飛散防止ネットやしっかりとした養生が必要です。

 ⇒ 特に隣家との距離が近い住宅街では要注意!


✅ 塗装後のひび割れを防ぐには「塗料選び」もカギ

塗ったあとにまたひび割れが出てしまうケースも。
弾性や微弾性のある塗料で、モルタルの動きに追従できるものを選ぶと安心です。


ポイント

  • クラックは塗る前に直す

  • 洗浄と下地処理が超重要

  • 吹き付け塗装は飛散対策を忘れずに

  • 塗料は「弾性あり」がモルタルにおすすめ

 

よくある質問(Q&A形式)【モルタル外壁編】

Q1. モルタル外壁のひび割れって、どれくらいの大きさなら心配ないの?
A1. 髪の毛くらい細いひび割れ(0.3mm未満)はすぐに大きな問題になりませんが、放置すると広がることも。気づいたら早めに点検しましょう。
Q2. チョーキング(白い粉)が出たら、何をしたらいい?

A2. チョーキングは、外壁の塗膜が劣化し始めたサインです。ただし、すぐに再塗装が必要とは限りません。

まずは業者に点検してもらい、外壁表面の劣化の程度や防水性の低下がないか確認しましょう。チョーキングだけで他にひび割れや汚れの付着がなければ、すぐの塗装は不要な場合もあります。

ただし放置しすぎると塗膜がさらに劣化し、雨水の侵入やひび割れのリスクが高まるため、点検の上、早めのメンテナンス計画を立てることをおすすめします。

Q3. モルタル外壁の塗り替えってどのくらいの頻度でするべき?

A3. 目安は10年〜15年に一度ですが、立地や気候によって異なります。紫外線が強い・海が近い・雨が多い地域では劣化が早まるため、もう少し早めの塗り替えが必要になることも。

なお、モルタル外壁の塗り替えは「外壁塗装のタイミング」と一緒に行うのが基本です。外壁全体の劣化をチェックしながら、同時に塗り替えることで効率的に建物を守ることができます。

Q4. 小さなひび割れは自分で補修できる?

A4. 簡単なヘアークラック(髪の毛のような細いひび割れ)であれば、専用の補修材を使ってDIYで対応することも可能です。

ただし、やり方を間違えると逆に水の侵入を招く恐れがあるため、補修前に手順や使用する材料をしっかり確認することが大切です。

また、幅が広いひび割れや深いひび割れ(構造クラック・爆裂)は、見た目では判断しづらく、内部が傷んでいる可能性もあるため、必ず専門業者に相談しましょう。

Q5. 苔やカビがついたらどうすればいい?

A5. 市販のカビ取り剤や家庭用高圧洗浄機である程度落とすことは可能ですが、表面だけでなく根まで除去しないとすぐ再発してしまいます。

特に高圧洗浄を行う際は、水圧が強すぎると外壁を傷めたり、ひび割れから水が内部に入る恐れがあるため注意が必要です。水圧は100〜120kgf/㎠程度が目安で、プロは外壁の状態を見ながら適切な水圧や洗浄方法を調整しています。

再発を防ぐためには、専門業者によるバイオ洗浄や、防カビ・防苔効果のある塗料での塗装も検討すると安心です。

 

まとめ|モルタル外壁は「見た目」だけでなく「中身」が大切です

モルタル外壁は、塗り壁ならではの風合いやデザイン性が魅力ですが、その反面、ひび割れや吸水による劣化が起こりやすいという特性もあります。

特に注意したいのは、「見た目はまだキレイ」でも、内部では劣化が進んでいることがあるという点です。
ひび割れや白い粉(チョーキング)など、ちょっとしたサインを見逃さず、“劣化の初期段階”で対応できるかどうかが、建物の寿命を大きく左右します。

また、補修や塗り替えといっても「ただ塗るだけ」では不十分です。劣化の種類に合った補修方法を選び、モルタルの動きに追従できる塗料を使うことで、はじめて外壁をしっかり守ることができます。

そしてもうひとつ大切なのが、「どの業者に依頼するか」。正しい診断と適切な提案ができる信頼できる業者を選ぶことが、後悔しない外壁メンテナンスへの第一歩です。

🔍 「見た目」より「中身」を見極める。
モルタル外壁は、知っておくだけでメンテナンスのタイミングも、選ぶ塗料も、施工の質も変わってきます。

ちょっとした気づきが、大きなトラブルの予防につながります。
「このひび、放っておいても大丈夫かな?」と感じたら、それが点検・塗装のタイミングです。

監修者の顔写真
著者:遠山 百合子(カラーアドバイザー) 外壁塗装会社で10年以上、カラーアドバイザーとしてお客様の色選びをお手伝いしています。これまでにたくさんのカラーシミュレーションやご提案を重ね、「この色にしてよかった」と笑顔になっていただける瞬間を何より大切にしてきました。塗装の現場に触れる中で、塗料や工事内容についても経験を通じて学んできました。「専門的なことがよくわからない」「初めてで不安」という方にも、できるだけやさしく、わかりやすくお伝えできるよう心がけています。大切なお住まいをより素敵に、より長持ちさせるためのお手伝いができれば幸いです。