146582b-1.jpg
今スグにわかる!
匿名
20
外壁塗装費用
シミュレーション
お見積書
戸建 2階建て 延床30坪
外壁 ラジカル塗料
外壁塗装パック[足場込]
0

塗装記事

【実はこんな落とし穴も】フッ素塗料の意外なデメリットと向いていない家とは?

目次

「フッ素塗料は最強!」――そんなイメージありませんか?
確かに優れた塗料ですが、実は“意外な落とし穴”があることをご存じでしょうか?

フッ素塗料は、耐久性に優れ、汚れにも強い“高性能塗料”として多くの現場で選ばれています。
実際、住宅塗装の見積もりでも「おすすめですよ」と提案される機会は少なくありません。

しかし――
性能だけを鵜呑みにして選ぶと、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうケースも。

この記事では、外壁・屋根塗装でフッ素塗料を検討している方にこそ知っておいてほしい「意外なデメリット」や「向いていない家の特徴」について、わかりやすく解説します。

迷ったまま決めてしまう前に、ぜひ一度お読みください。

 

そもそもフッ素塗料ってどんな塗料?

「フッ素塗料って、やっぱり高いけど、そのぶん長持ちなんですよね?」

先日、塗装のご相談に来られたお客様から、こんなご質問をいただきました。

たしかにフッ素塗料は“長寿命な高性能塗料”として知られており、外壁や屋根の塗装を検討する際には、よくおすすめされる塗料のひとつです。
でも実は、この「長持ちしますよ」という言葉だけで判断してしまうと、家との相性や予算の面でミスマッチが起きてしまうことも。

まずは、そんなフッ素塗料の基本情報と、どんな特徴があるのかを確認しておきましょう。

 

1. 耐久性の高さが特長!フッ素塗料の基本性能

フッ素塗料は、塗膜に使われる「フッ素樹脂」によって、紫外線や風雨による劣化にとても強い性質を持っています。
一般的なシリコン塗料よりも寿命が長く、おおよそ15〜20年の耐用年数が見込めることから、「一度塗って、できるだけ長くもたせたい」という方に選ばれています。

 

2.実は公共施設や鉄塔にも使われている

実績のある塗料かどうか気になる方もいるかもしれませんが、フッ素塗料は住宅だけでなく、橋や高速道路の支柱、商業施設の屋根などにも使用されています。
それほど厳しい環境にも耐える塗料として、“最強”と呼ばれるのも納得です。

ただし、性能が高いからといって、すべての家に向いているとは限らないのがポイント。
次の章では、なぜフッ素塗料が「最強」と言われるのか、その理由をもう少し掘り下げていきます。

 

フッ素塗料は本当に最強?と言われる理由

「塗料の中でも最強クラスですよ」

「一度塗れば15年以上もちますよ」


このように紹介されることが多いフッ素塗料。
たしかに、その性能を見ると“選ばれる理由”がいくつもあります。

では、具体的にどんな点が「最強」と言われるほど評価されているのでしょうか。

理由①:耐用年数が非常に長い

まず特筆すべきは、耐久性の高さです。
フッ素塗料の塗膜は非常に強く、正しく施工すれば15〜20年近くもつと言われています。
これは、一般的なウレタン塗料(6〜8年)やシリコン塗料(10〜13年)に比べて、圧倒的な寿命です。

「一度の塗装でできるだけ長くもたせたい」「次のメンテナンスの手間を減らしたい」という方には、非常に魅力的ですよね。

理由②:汚れがつきにくく、美観をキープしやすい

フッ素塗料には「親水性(しんすいせい)」という特徴があり、雨が降ると表面の汚れが流れ落ちやすくなるという性質を持っています。
そのため、排気ガスやホコリがつきやすい道路沿いや、湿気の多い地域でも長くキレイな状態を保てるのです。

「何年経っても外観が古びない」といった満足の声が多いのも納得できます。

理由③:紫外線・雨風に強く、劣化しにくい

住宅塗装が傷む最大の原因は、紫外線や風雨による塗膜の劣化です。
フッ素塗料は、この外的ダメージに対してとても強く、色あせやひび割れが起きにくいというメリットがあります。

さらに、塗膜表面がなめらかでカビやコケも発生しにくく、お手入れの手間も少なくて済むのも人気の理由のひとつです。

 

こうしたメリットを見ると、フッ素塗料が「最強」と言われるのも頷けます。
しかし…これらの情報だけを信じて即決してしまうのは、少し待ってください。

次の章では、あまり語られていない“フッ素塗料の落とし穴”について、詳しくご紹介します。

 

【注意】実は見落とされがちなフッ素塗料の“落とし穴”

「最強」と言われるフッ素塗料ですが、実は知っておかないと後悔してしまうポイントもあります。
ここでは、特に見落とされやすい「意外なデメリット」を詳しく解説します。


1. 価格が高いことによる負担増

フッ素塗料は他の一般的な塗料と比べて1.5〜2倍以上の費用がかかることが多く、
外壁と屋根を同時に施工すると、総額でかなりの金額になることも。

費用の高さは「長持ちだから結果的にお得」という見方もありますが、
予算に余裕がない場合や、数年後に売却や建て替えを予定している家には、負担が大きすぎるかもしれません。


2. 塗膜が硬く、弾力性がないためひび割れのリスク

フッ素塗料は硬い塗膜を作るため、
モルタル壁やALCといった、下地の動きが大きい素材では割れやすいことがあります。

特に築年数が経過している住宅の場合、外壁の微細な動きに対応しきれず、
塗膜のひび割れが早まることもあるため、注意が必要です。


3. 外壁と屋根で耐用年数に差が出ることも

フッ素塗料は耐久性が高いですが、屋根の塗膜は外壁よりも過酷な環境にさらされるため、耐用年数が短くなる場合があります。
外壁だけフッ素塗料、屋根は別の塗料というケースもありますが、
それによってメンテナンス時期がずれてしまい、追加費用や手間が増えることも考えられます。


4. ツヤを完全に抑えられないことがある

「マットな質感が好き」「ツヤを消したい」という方にとっては、
フッ素塗料はツヤを完全に消すことが難しいため、好みと合わない可能性があります。


5. 職人の技術力で仕上がりに差が出やすい

フッ素塗料は施工の際に適切な下地処理や塗り方の技術が必要です。
経験不足の業者だと、ムラや密着不良といったトラブルのリスクが高まります。

 

これらの“落とし穴”は、塗装前の情報収集や業者との相談を怠ると、後で大きな負担やトラブルに繋がることがあります。

次の章では、こうした特徴を踏まえたうえで、
「フッ素塗料が向いていない家とはどんな家か?」を具体的にお伝えします。

 

フッ素塗料が向いていないのはこんな家

フッ素塗料は高性能で長持ちする塗料ですが、すべての住宅にぴったり合うわけではありません。
ここでは、特にフッ素塗料を選ぶ際に注意したい「向いていない家の特徴」を具体的にご紹介します。


 1. 今後10年以内に売却や建て替えを予定している家

フッ素塗料は耐用年数が長いため、長期的に住み続ける予定がない場合は、費用対効果が薄くなります。
高額な施工費用をかけても、その期間内に家を手放してしまうと、投資が無駄になる可能性が高いです。


 2. モルタルやALCなど、動きやすい外壁素材の家

モルタルやALCは温度変化や湿度で収縮・膨張を繰り返すため、硬い塗膜のフッ素塗料だとひび割れが起きやすいことがあります。
特に築年数が経った家では注意が必要です。


 3. 美観よりコスト重視の方、予算が限られている家

フッ素塗料は一般的なシリコン塗料などと比べて施工費用が高め
予算を抑えたい、または複数箇所を優先的に直したい場合は、別の塗料を検討した方が良いこともあります。


 4. DIYや低価格の施工を希望している場合

フッ素塗料は扱いが難しく、DIY施工や経験の浅い業者による施工はトラブルの原因に。
技術力の高い業者に依頼することが必須です。


5. ツヤ消しマット仕上げを強く希望する場合

フッ素塗料は完全なマット仕上げが難しいため、光沢を抑えたい方には向きません。

 

フッ素塗料は「長く住み続け、質の高い塗装を求める家」に特に適しています。
逆に、上記のようなケースに当てはまる場合は、他の塗料も視野に入れて検討すると良いでしょう。

 

それでもフッ素塗料を選ぶなら|後悔しないためのチェックポイント

フッ素塗料にはメリットも多いですが、選ぶ際には慎重に判断したいものです。
ここでは、フッ素塗料を検討している方が後悔しないために押さえておくべきポイントをご紹介します。


1. 信頼できる施工業者を選ぶことが何より重要

フッ素塗料は施工方法や下地処理に技術が必要なため、経験豊富で実績のある業者を選びましょう。
具体的には、

  • フッ素塗料の施工実績が豊富か

  • 施工前にきちんと現場調査をしてくれるか

  • 施工工程を丁寧に説明してくれるか

などをチェックすると安心です。


2. 外壁と屋根で塗料の耐久バランスを考える

外壁と屋根で耐用年数に差が出ることがあるため、両方の塗料の組み合わせや耐久性を考慮しましょう。
場合によっては、屋根は耐久性が若干低めの塗料を使う方がトータルのコストパフォーマンスが良いこともあります。


3. 塗装時期や家の状態をしっかり見極める

塗装は「痛んでから慌てて」ではなく、家の状態に合わせて計画的に行うことが長持ちの秘訣。
フッ素塗料にこだわるあまり、無理に早く塗り替える必要がある場合は、かえって費用対効果が下がる可能性があります。


 4. 自分のライフプランに合っているか確認する

今後の住み替えや売却の予定がある場合は、長期的な耐用年数のメリットを享受しきれないことも。
予算や生活スタイルと相談しながら、無理のない選択をしましょう。


 5. 期待する仕上がりイメージを業者と共有する

特にツヤ感や色味のイメージは、塗料選びで大きく変わります。
フッ素塗料はツヤを完全に消すことが難しいため、「マットにしたい」などの希望がある場合は事前に相談しましょう。

 

これらのポイントを踏まえ、業者としっかりコミュニケーションをとることが、
フッ素塗料を使った外壁・屋根塗装で後悔しない秘訣です。

 

価格目安と他塗料との比較

フッ素塗料は性能が高い分、価格も高めです。ここでは一般的な価格相場と、他の代表的な塗料との比較を見てみましょう。

◆ フッ素塗料の価格相場

  • 外壁塗装:1平方メートルあたり約3,500〜5,500円

  • 屋根塗装:1平方メートルあたり約4,000〜6,000円

これを基に、一般的な住宅(外壁100㎡、屋根50㎡)の施工費用は、約55万円〜80万円程度になることが多いです。

 

◆ 他の塗料との価格・耐用年数比較

塗料種類 価格(㎡あたり) 耐用年数の目安
ウレタン塗料 約1,500〜2,500円 6〜8年
シリコン塗料 約2,000〜3,500円 10〜13年
フッ素塗料 約3,500〜5,500円 15〜20年
無機塗料 約4,000〜6,000円 20年以上

 

耐用年数が長い塗料は価格が高くなりがちですが、長期的なコストパフォーマンスを考えると一概に高いとは言えません。
しかし、ご家庭の予算や建物の状態に合わせて最適な選択をすることが重要です。

 

まとめ|フッ素塗料は“選ぶ価値あり”でも、誰にでも最適ではない

フッ素塗料は、耐久性・美観維持の面で優れた性能を持ち、長期間のメンテナンス負担を減らしたい方には非常に魅力的な選択肢です。

ただし、

  • 価格が高いこと、

  • 塗膜の硬さがもたらすひび割れリスク、

  • ツヤの好みの問題、

  • 家の素材やライフプランによる向き不向き

など、事前に知っておきたいポイントも少なくありません。

「最強」と聞いて即決するのではなく、自分の家や生活に本当に合っているかをよく考え、信頼できる業者と相談しながら選ぶことが何より大切です。

 

監修者の顔写真
著者:遠山 百合子(カラーアドバイザー) 外壁塗装会社で10年以上、カラーアドバイザーとしてお客様の色選びをお手伝いしています。これまでにたくさんのカラーシミュレーションやご提案を重ね、「この色にしてよかった」と笑顔になっていただける瞬間を何より大切にしてきました。塗装の現場に触れる中で、塗料や工事内容についても経験を通じて学んできました。「専門的なことがよくわからない」「初めてで不安」という方にも、できるだけやさしく、わかりやすくお伝えできるよう心がけています。大切なお住まいをより素敵に、より長持ちさせるためのお手伝いができれば幸いです。