高額な外壁塗装メンテナンスがほとんど不要な外壁材
一戸建てに住んでいると、家の外観や耐久性を保つために、外壁の定期的なメンテナンスが必要です。
これには高額な費用がかかることもあります。最近は、メンテナンスがほとんどいらない「メンテナンスフリー」の外壁材が注目されています。「メンテナンスフリーの外壁」と聞くと、まったく修繕が不要な素材や構造を思い浮かべるかもしれませんが、完全にメンテナンスがいらない外壁は今のところ存在しません。
実際には、どの外壁材を使っても自然環境の影響や時間の経過によって、ある程度のメンテナンスが必要になります。
それでも、少ないメンテナンスで長持ちする素材もあります。ただし、いずれは塗装や補修などのお手入れが必要になることがあります。「メンテナンスが全く不要」というわけではないので注意してください。
したがって、メンテナンスフリー外壁を選ぶ際には、どのくらいメンテナンスが少なくて済むのかを現実的に考えることが重要です。
※悪徳業者に注意
「メンテナンスフリーだから永久にメンテナンスがいらず、費用もかからない」と言う業者には注意が必要です。
一般的な素材と比べてメンテナンス回数やコストが少なく抑えられる外壁はあります。
ではそのような高耐久の外壁材を紹介していきます。
おすすめの高耐久外壁3選
タイル
タイルは、石や砂を高温で焼き固めた素材で、水を吸いにくく汚れを弾きます。また、無機物でできているため紫外線による劣化が少なく、ほぼ半永久的に使えるメンテナンスフリーに近い建材です。
ただし、タイルを外壁に施工する際には、目地や下地としてコーキングやモルタルという有機物を使います。これらは柔軟性があり紫外線で劣化するため、タイル本体ではなく目地や下地の定期的なメンテナンスが必要です。
結局メンテナンスが必要なのかと思うかもしれませが、タイルのメンテナンスは他の全面塗装が必要な外壁と比べて、頻度が少なく、規模も小さいです。20年、30年と長く住むことを考えると、総合的なコストは決して高くありません。この外壁材は、長期間住むほどコストパフォーマンスが良いです。
長期的にお得な外壁材を選びたい方には、タイルがおすすめです。
タイル外壁について詳しくはこちらのタイル塗装・メンテナンスは必要!? で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
金属系サイディング
金属製の外壁材は、高い強度があり、水分の吸収や乾燥による収縮、地震の揺れなどの影響を受けにくいです。そのため、割れたり欠けたりする心配がなく、凍害のリスクも低いです。
金属でよくある凹みの問題は断熱材がない場合に起こりますが、最近の金属サイディングはほとんどに断熱材が使われており、耐衝撃性が大幅に向上しています。また、軽量であるため地震による損傷も少なく、耐震性にも優れています。
ただし、金属サイディングは窯業系や樹脂系の外壁材と比べて価格が高くなる傾向があります。また、専門的な施工が必要で、十分な知識と経験が求められます。金属製であるため錆びる可能性もありますが、最近では錆びにくい製品も増えています。
適切なメンテナンスを行えば、他の外壁材と比べてメンテナンス費用を抑えることができます。
樹脂系サイディング
塩化ビニル樹脂でできたボード状の建材である樹脂サイディングは、雨や塩害、凍害に強く、色褪せしにくいのが特徴です。原料に顔料(色付け成分)が練り込まれているため、長期間美しい外観を保ちます。
一般的にリフォームの大きな需要には、外壁の塗り替えやコーキングの打ち直しがあります。しかし、樹脂サイディングはコーキングが不要であるため、目地コーキングの劣化を心配する必要がありません。
この結果、樹脂サイディングはメンテナンスが15~20年、場合によっては30年近くも不要な高耐久の外壁材と言えます。しかし、アメリカでは50%以上のシェア率を誇る樹脂サイディングも、日本ではまだあまり使われていません。
初期費用が他の外壁材に比べて高くはなりますが、長期間使用することでコストパフォーマンスが非常に優れた外装材です。
メンテナンスが少なく済む外壁材のメリット
メンテナンスが少なく済む外壁材は耐久性が高く、汚れが付きにくい、または自己洗浄効果があるなどの特徴を持ちます。これにより、定期的な洗浄や塗り替えが不要で、管理が容易になるとされています。
ほぼメンテナンスが不要な外壁材のメリットとしてあげられるのは以下の通りです。
【 1. コスト削減】
メンテナンスが少なくてすむ外壁材は初期費用は高くなりますが、塗り替えや修理が少なく済むため長期的なメンテナンス費用を大幅に削減できます。
【2. 時間と手間の節約】
家のメンテナンスには時間と労力がかかります。特に忙しい現代社会では、頻繁なメンテナンスは大きな負担です。メンテナンスの手間が少ない外壁材を選ぶことで、日常生活のストレスが軽減されます。
【 3. 美しい外観の維持】
高耐久な外壁材のため汚れが付きにくく、色褪せもしにくいため、家の美しい外観を長期間保つことができます。これは、家の価値を保つ上でも非常に重要です。
【4. 耐久性と信頼性】
これらの外壁材は一般的に高い耐久性を持っており、耐候性や耐火性に優れています。厳しい気象条件にも強いため、安心して住み続けることができます。
【5. 環境への配慮】
この外壁材は長持ちするため廃材が少なく、環境への負担が軽減されます。加えて、定期的な塗り替えや修理が不要なため、塗料や修理材料の使用も減らせます。これにより、持続可能な住環境を実現できます。
実際のメンテナンス頻度を減らすには
メンテナンスフリーとされている外壁材でも、定期的な点検や簡単なメンテナンスを行うことは非常に重要です。これにより、外壁の耐久性、美観、防水性、防火性を維持し、メーカー保証を適用させることができます。定期的な点検を行うことで、住まいの安全性と快適さを長期間にわたって確保することができます。
ではメンテナンスの頻度を減らすためには…?
トラブルの早期発見と対応
外壁のメンテナンスの頻度を減らすためには、早期発見と修理が重要です。定期的な点検を行い、外壁にひび割れや色褪せ、劣化の兆候を見逃さないことが大切です。問題を早めに発見し、迅速に修理することで、小さな損傷が大きな問題に発展するのを防ぎます。
シーリング材のチェックとメンテナンス
メンテナンスの頻度を減らすためには、シーリング(目地コーキング)の劣化に特に注意が必要です。シーリングは外壁の隙間や接合部を密閉し、水や風の侵入を防ぐ役割を果たしますが、時間が経つと劣化しやすくなります。
定期的な点検と早期の劣化部分の修復が重要です。劣化が進むと水漏れや結露の原因になり、外壁全体の劣化を招く可能性があります。適切なシーリング材を選び、専門家による定期的な点検とメンテナンスを行うことで、外壁の耐久性を保ちながら、メンテナンスの頻度を最小限に抑えることができます。
定期的な清掃のメリット
メンテナンスの頻度を減らすためには、定期的な清掃が重要です。外壁には雨や風によって付着する汚れや、樹木からの落ち葉、鳥の糞などが影響を与えます。
これらが長期間放置されると外壁の素材や塗装にダメージを与える可能性があります。定期的な清掃を行うことで、これらの汚れを早期に除去し、外壁の耐久性を維持します。
清掃は高圧洗浄や柔らかいブラシでの手入れが推奨され、特に地域や気候条件に応じた適切な頻度で行うことが効果的です。これにより、外壁の美観を保ちながら、メンテナンスの頻度を減らすことができます。
適切な外壁材選びのコツ
メンテナンスの頻度を減らすためには、気候条件に合った外壁材を選ぶことが重要です。例えば、湿気の多い地域では水を吸収しにくく耐久性がある材料を選ぶことで、カビや藻が生えにくくなります。
また、高温多湿な気候では紫外線に強い材料が適しています。選ぶ際には、耐久性、メンテナンスの簡易さ、美観の持続性を総合的に考慮しましょう。適切な外壁材を選ぶことで、長期間にわたりメンテナンスの必要性を減らし、住宅の外観と機能を守ることができます。
信頼できる業者を選びましょう
塗装の専門的な知識と経験を持つ業者を選ぶことは、高品質で耐久性のある仕上がりを実現し、長期的なコストを削減するために非常に重要です。適切な塗料の選択や下地処理、安全対策など、専門知識と技術が必要です。そのため、信頼できる業者に依頼することが最良の選択です。
【 1. 高品質な仕上がりの実現】
信頼できる業者を選ぶことで、高品質な仕上がりが期待できます。専門的な知識と技術を持つ職人が丁寧に作業を行い、細部までこだわりを持って仕上げるため、見た目の美しさだけでなく、機能性も優れた結果が得られます
【 2. 耐久性と長寿命を追求】
優れた業者は、使用する材料と施工方法にこだわり、耐久性と長寿命を保証します。適切な施工が行われることで、外壁や屋根の寿命が延び、定期的なメンテナンスや修理の頻度が減少し、長期間にわたり安心して過ごせます。
【 3. コスト効果の高いサービス】
初期費用が高くても、長期的な視点で見ればコスト効果の高いサービスを提供する業者を選びましょう。高品質な施工はメンテナンス費用を抑え、トラブルを未然に防ぐため、結果的にコストパフォーマンスが向上します。
【4. 安全性を最優先に】
安全性を最優先に考える業者は、施工中に適切な安全対策を徹底します。防護措置をしっかり講じ、事故や災害のリスクを最小限に抑えることで、作業員と住人の安全を確保します。信頼できる業者は、この点を重要視しています。
【5. 迅速な問題解決力】
施工中や施工後に問題が発生した際、迅速かつ的確に対応できる業者は信頼性が高いです。問題解決能力の高さは、長期的な信頼関係の構築につながり、安心して任せられるパートナーとして重要な要素となります。
まとめ
外壁は、雨や風、紫外線などの自然要因で劣化するため、どの外壁材でも完全にメンテナンスを省くことはできません。
「メンテナンスフリーの外壁」と聞くと、一切メンテナンスが不要だと思うかもしれませんが、実際にはある程度のメンテナンスは必要です。しかし、メンテナンスが少なくて済む外壁材はあります。
今回は、他の外壁材よりもメンテナンスが少なくて済む代表的な外壁材として、タイル、金属サイディング、樹脂サイディングの3つを紹介しました。メンテナンスフリーの外壁を選ぶ際には、実際にどれくらいメンテナンスが少なくて済むのかを現実的に考えることが重要です。
どの外壁材を選んでも、定期点検を行うことが重要です。経年劣化や予期せぬダメージを早期に発見し、大きな修繕工事を避けるためにも役立ちます。また信頼できる業者を選ぶことも重要です。外壁のメンテナンスは費用がかかりますが、長く住む家を美しく安全に保つために必要なことです。