平屋の外壁塗装メンテナンス
贅沢に土地を使い、ゆったりとした住まいを作りだしてくれる平屋。
都市部の密集した場所に建つ2階建てなどの住宅とはまた違った魅力を持っています。
近年その魅力が再評価され、年代を問わず住まいのカタチに平屋を選ぶ方が増えてきています。建物の高さが低いことから、構造の安定性が高く、強風や地震などにも強いつくりになっています。
どの部屋にいてもいつも家族を身近に感じて暮らせる・・・。平屋は、現代においてとても魅力的な住まいです。
家は住み続ける限り定期的なメンテナンスは必要になります。
今回はメンテナンスの中でも足場に注目し「平屋の場合の足場設置は…?」についてお話をさせていただきます。
平屋の特徴
平屋は、古くから日本において活用されてきた建築形式で、必要な空間をワンフロアに詰め込んだ「1階建ての家」のことをいいます。平面的に部屋を配置する間取りとなっています。
生活空間が全てワンフロアにまとまり、暮らしやすさと開放感が魅力です。平屋は二階や三階部分がないため、重力面でも安定した造りで、またコストを抑えられます。
近年再注目され、新築の建物に占める平屋の比率が増えてきています。
コンパクトにまとめた間取り、家族や自然とひとつにつながる空間。
上下階のないバリアフリーの住まいは、小さなお子様のいるご家庭や、シニア世代にとって開放的で安全な住まいと言えます。
平屋のメリット・デメリット
メリット
①生活動線や家事動線が効率的
②耐震性が高い
③天井を高く出来る
④メンテナンス費用を抑えやすい
⑤高低差がなくバリアフリー
⑥家族とのコミュニケーションがとりやすい
デメリット
①広い敷地が必要
②坪単価が高くなりやすい
③日当たりや風通しに注意
④プライバシーや防犯面に配慮が必要
平屋のメンテナンス
平屋と二階建てでは建物の高さが異なります。外壁塗装は二階建ての場合高所での作業になるため足場は必須となります。
しかし平屋の場合はどうでしょうか?
建物の形状によってケースバイケースですが、必ずしも足場が必要とは限りません。
では、平屋の外壁塗装でよく行われる足場や作業方法をみていきましょう。
固定の足場を組む
平屋の場合でも、二階建てと同様に足場を組むこともあります。
(※労働安全衛生規則では、2m以上の高さで作業をする際には、足場を組むかそれに準ずる措置を講じることとなっています)
足場の多くは、ビケ足場と呼ばれる金具のパーツを組み合わせて、ハンマーで打ち込んで固定するタイプです。ビケ足場は、階段や床があり昇降や移動がしやすくなっています。
外壁塗装と屋根の塗装工事を同時に行う場合は、基本的に足場が必要になります。
脚立足場を使う
脚立の上部に踏板が設置されている幅の広い脚立のようなものを脚立足場と呼びます。
簡易的な足場で、組み立てや解体が手軽です。ただし届く範囲が狭いため、足場を移動させながらの施工になり、広範囲塗装の場合は時間を要します。
また、脚立を二つ並べて踏板となる板を渡して足場とすることもありますが、こちらは不安定なので簡単な補修業の場合に使われることが多いです。平屋の場合、建物の形状や立地条件で変わってきますが、足場なしでこのような脚立足場で塗装できる場合もあります。
脚立・はしご
平屋では、脚立やはしごのみで塗装を行う場合もあります。
比較的安価で作業を行うことができるので、コストを抑えることができます。ただしスピード性や安全性を作業に求める場合は、はしごでの外壁塗装の方法はあまりおすすめできません。状況によっては作業ムラが発生してしまい十分な成果を得ることができない可能性もあります。
平屋でも足場は必要?
平屋塗装の場合、塗装費用に大きく関わってくるのが足場代になります。
平屋の場合、足場が無くても塗装することは可能です(脚立が届く高さの場合)。
ただし足場を設置せずに塗装する場合は、以下のような弊害が生じてきます。
・作業する職人の安全や作業効率の低下
・飛散防止シートを張らない為、周辺への塗料の飛散の可能性
例えば、塗装費用を少しでも安くする為に足場設置を施工主側が拒否した場合…
賠償問題に発展したときは、その責任を施工主も問われる可能性があります。また、塗装業者は万が一のために”請負業者賠償責任保険”へ加入していることが多いですが、足場や飛散防止ネットを設置せずに事故を起こした場合には保険が下りない可能性があり、その場合はお客様の全額補償に繋がります。
これらのことから、足場は安全に効率よく作業するためには設置されることをおすすめします。とはいえ、家の形状、また業者によっては足場を設置せずに作業を行うところもあります。
平屋塗装で足場の設置に悩まれたときは、業者に建物をみてもらい状況によって判断してもらいましょう。
そもそも…足場の必要性とは
普段の生活にはほとんど馴染みのないものなので見積書に「足場」と記載してあると「必須?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
飛散防止ネットで囲まれ、足場が組まれた家を見ると、「外壁リフォームが行われているのかな」と思いますよね。
外壁塗装工事で、最初に行われるのが、足場の組み立て工事です。その後に養生、高圧洗浄~と塗装作業に続きますが、現場の安全性と施工品質を高めるために足場は重要な役割を果たしています。
足場の目的は
①現場作業員の安全性を高める
②品質確保と作業効率アップ
③近隣や通行人への配慮
などがあります。
【参考】外壁塗装の足場につけるメッシュシート(飛散防止ネット)が必要な訳!
作業員の安全を確保するため
足場を設置する最大の目的は、現場作業員の安全の確保です。塗装工事では、刷毛やローラーなどの工具を持ちながら作業することがあります。足場が不安定ではこのような工具の落下や、作業中に転倒したりする恐れもあります。足場を設置することで作業員の安全を確保し、安心して作業に集中することができます。
作業効率を上げるため
手の届く箇所には足場の代わりに脚立が使われることがあります。しかし脚立は足場よりも不安定ですし、施工が終わるたびに脚立を移動させなければなりません。
また塗りムラや塗り残しがある場合には、もう一度脚立を設置しなければならず、時間や手間がかかります。一方、足場があれば施工場所の移動がスムーズになり、作業効率を上げることができます。
近隣住民への配慮
足場の仮設工事では、飛散防止ネットを設置します。飛散防止ネットとは工事中に発生するホコリや塗料などの、飛散を防止するネットのことで、近隣住民の敷地内に塗料やホコリが飛び散るのを防げます。また物の落下などで近隣の方や通行人へ迷惑がかからないようにするための配慮のためです。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも足場の仮設工事は重要です。
ここに注意!
営業マンの「足場代無料」には要注意!
飛び込み営業で足場代無料キャンペーンと称して、「近所で塗装工事をしています。もし塗装をされるのでしたら今なら足場代が無料です」「ただいまキャンペーン中なので足場代をサービスします」などと言って突然営業マンが訪問してくることがあります。
しかし、通常足場の設置解体には、少なくとも2日間は必要になり、人件費や運搬費もかかってきます。サービスで足場代金を少し割り引くことはあっても、無料はありえません。
足場代無料だと見せかけて、「施工費単価」や「材料費単価」など他の項目に足場代分の費用が加算されている可能性があります。
足場無料という言葉は営業トークです。無料という言葉に惑わされることなく業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
生活空間がワンフロアにまとまり、暮らしやすさと開放感が魅力の平屋建て。
今回は平屋でも足場が必要であるかについてお話しました。
平屋の場合、建物の形状や立地条件で変わってきますが、足場なしで塗装できる場合もあります(脚立が届く高さの場合)。
ただし足場無しで脚立を立てての作業になると効率が悪く、足元が悪い場合には危険を伴います。また、メッシュシートなどの飛散防止対策ができないため、ご近所の方へご迷惑をおかけすることにもなりかねます。
足場を設置する目的は「現場作業員の安全性を高める」・「品質確保と作業効率アップ」・「近隣や通行人への配慮」です。
平屋での足場が必要かどうかという点については、足場は安全と作業のクオリティを考えた時に、とても大切なものだと考えられますが、建物の形状・立地条件・施工する業者によっては足場設置が必要でない場合もあります。
まずは依頼する業者に相談されることをおすすめします。