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塗装記事

知ると面白い!建築塗装や塗料の歴史とは!?

目次

人類初の塗装…

色はいつから認識され始めたのでしょうか。…人類が最初に住居を建てた時代まで遡ります。

人類が色を使ったとされることが確認できる最古のものは、後期旧石器時代、先人たちが起居していた洞窟の壁画であるのではないか…と言われています。
スペインのアルタミラ洞窟は有名で、内部には立派な壁画が残存しています。

先史時代…既に壁に色を付けるという技術があったことには驚かされます。

この頃に使われた塗料の原料は動物の血液や植物の樹液などで、それに色土などを混ぜ合わせていました。

その後人類は技術の進歩によって高度な塗料が開発されていきます。

遥か遠い昔、人類はなぜものに色を付けようと思い、どのようにして色を作り出していったのか…とても不思議です。

 

 塗装道具「刷毛・麻柱(あななひ)」 ~縄文時代から漆が使われていた~

現代でも使われている「漆」。漆はウルシ科の樹木の樹液を加工して作られます。古代中国や日本など東アジア地域で使用されていました。その時代の土器や土偶、石器などに使用していたとされています。日本最古の塗料は縄文時代後期の遺跡から発見された赤色顔料と言われています。これが日本最古の漆塗りです。
漆は、縄文時代、さらに弥生時代~平安時代にわたり使われ続けます。
古代日本では漆を使用して家具や日用品、神社仏閣などがつくられ文化や芸術に貢献しています。
また漆は耐久性や防水性などに優れており建築や工業面でも使用されています。

大陸からの渡来品を含め筆や刷毛も整っていたようです。漆器や土器に描くため植物の茎や髪の毛などを束ねた毛筆が使われるようになりました。しかし毛筆より以前に刷毛が多く使用されていたと思われます。

また古い言葉に「穴七日」「麻柱(あななひ)」という言葉があります。どちらも建築において使用された言葉になります。麻柱という言葉は、高いところに登る足がかりとしての意味があることから足場の古来の言葉だといわれています。

 

塗装歴史を大きく動かした黒船来航! ~日本最初の油性塗料~

そして江戸時代に入っていくのですが、塗料に大きな進化が起きます。
この頃になると顔料の輸入も始まります。人工顔料の誕生によってもっと色味を出せるようになり、塗料・塗装が盛んになってきました。塗料の種類が豊富になっていったものの、まだこの時はすべて植物性の塗料でした。

 

1853年 浦賀沖にペリー率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の蒸気船が来航します。歴史的有名な「黒船の来航」です。この人物の登場により塗料・塗装に大きな衝撃を与えることとなります。このペリー来航で、日本で初めて『油性塗料(溶剤塗料)』が持ち込まれます。
(※諸説はありますが、ペリーが幕府役人と会見した際、そこでレクチャーを受け塗装したのが日本で最初の油性塗料の塗装とされています)

油性塗料であるペンキを使った塗装という西洋技術が日本に入り、その多彩な色使いに当時の江戸の人々が驚嘆したのは言うまでもないと思います。

この影響をうけ、明治時代になると塗料の開発はもちろん多くの塗料メーカーも誕生してきます。
また外国人の持参した『金巻のペンキ刷毛』を見本に「寸胴刷毛」が塗装用として普及していきます。壁面を塗るときに塗りやすいように刷毛の柄に角度をつけたものを「筋違刷毛」といいますが、この形状は日本独自の形であり、現在最も使用されている刷毛の形状となっています。

 

日本初塗装工場 ~塗料工業による国産化~

 

1858年、洋館建築とペンキ塗りが盛んになり、ペンキ塗り職人が増えていきました。
1866年、横須賀の造船所建設で「塗師所」という日本初の塗装工場が作られました。
1874年、茂木春太・重次郎兄弟により日本で塗料の研究が開始され、国産原料による洋式塗料「ペンキ(油顔色)」が完成しました。
1881年、日本初の洋式塗料工場「共同組合光明社」を設立(現在の日本ペイント株式会社)。その後亜鉛華製法の特許を取得。
1898年、「日本ペイント製造株式会社」として新たなスタートを切りました。現在も高耐久性・高機能な塗料の開発が盛んです。塗料のほとんどは明治時代以降の洋式塗料で、日本初の塗装建物ができたのも明治になってからだと言われています。
洋式の塗料は輸入が中心でしたが、独自の技術力を活かして日本の建築や自動車産業発展に貢献しています。海外の塗料を国産化する研究が進められ塗装は工業になっていきました。
塗料だけでなく、刷毛塗りなどの塗装の技術が開発され、技能の向上につながっていきます。

この時代は新しい塗料も登場し塗料の新開発の勢いを加速させていきます。
日本ペイント製造株式会社はその後も技術力の向上や改良を続けていき、日本を代表する塗料メーカーの一つとして利用されています。

 

ローラー塗装という技術革新 ~合成樹脂の時代~

 

1924年、フッ素樹脂塗料に次ぐ高級塗料として、シリコン樹脂耐熱塗料が開発されました。建築外装や屋外タンクなど幅広く使用されています。
1946年には,JISC(Japanese Industrial Standards Committee 日本工業標準調査会)が発足。
1949年に工業標準化法が制定されました。

昭和中期は、塗料の新開発と品質改善が進行していきます。また塗料会社が一気に増えたことで、塗装に使う道具も刷毛主流の時代からローラーに変化していき、機械の導入も進んだため塗装における生産性・生産量が爆発的に増えていきます。

またそれまで塗装道具は刷毛だったのが、1965年頃にローラー塗装の技法が開発されます。簡単に塗れるローラー塗装の開発によりで急激に塗装工が増えることとなります。現在では広い面を塗る場合には、ほとんどローラーが使われています。

昭和後期になると、ウレタン系の塗料が出てきます。(外壁塗装で使うウレタン系と防水塗装で使うウレタン系は使用用途や成分が違います)
フッ素の種類も増えますが、まだこちらは値段が高い為、需要が増えるのはもっと先のことになります。

またこの時代の大きな変化とすれば、塗装工程に変化があり複層仕上げといった「下塗り・中塗り・上塗り」で仕上げるタイプや、それまでローラーで模様をつけて、仕上げ材を違うローラーで仕上げるといったパターンから単層弾性といった下塗りを塗ってから1回で模様も仕上げもできる塗料がアメリカから伝わります。

 

環境を考えた塗装・塗料へ

そして時代は平成に入ります。
この頃には新しい塗料開発よりも、環境に優しい性能をアップさせようと、環境に配慮した成分を新たに加え「低臭・低汚染・エコ・環境配慮型」などをうたった塗料が増えていきます。
低VOCと表記される塗料が増えてきたのもこのころからです。
(※VOCとは、揮発性があるため大気中で気体状になる有機化合物の総称です)

令和に入った現在ではエコという言葉がどこにでも表記されるようになり『環境に配慮した塗料・有害物質を除去し安心して使える塗料』が増えていきます。

現在においては、昔とは比べものにならないほど高品質になっておりますが、まだまだ自然環境、住環境への配慮は各塗料メーカーにとって欠かせない研究課題となりそうです。

 

まとめ

いかがでしたか?
先史時代…動物の血液や植物の樹液などに色土などを混ぜ合わせて壁に色を付けるという技術があったことには驚かされます。紀元前に発見されていることから、壁に着色するという意味では遠い昔から「塗装」と「人」は深いつながりがあったのでしょうか。日本の歴史と私たちの生活も大きくかかわっていることがわかります。

日本初の塗料は漆から始まったといわれています。漆は直接触れるとかぶれることから何らかの道具を使っていたといわれており、それが当時の刷毛であったと思われます。毛の材料も動物の毛から化学繊維へと変化していきますが、100年以上基本的な形が変わらない「筋違刷毛」は現在も使われています。塗装の道具も便利なものへと進化していき、昭和後期にはローラーが流通し始め、それまで平刷毛で塗っていた広い面積をスピーディに塗ることができ、瞬く間に定着していきます。

また西洋のペンキが持ちこまれるまでは、塗装といえば渋塗りでした。江戸時代後期に渋塗り職人が現れ彼らが現在の塗装職人の元祖であると言えるでしょう。

塗料は時代とともに進化しています。近年は環境対策が最重要課題でありVOCの削減、低臭・低汚染・エコなどをうたった塗料が増えています。また景観法が施行され都市の統一された景観や美しい街並みづくりに人々の関心が高まっており、環境に調和した優しい色彩環境を創り、快適な暮らしの実現を求めて製品開発・環境配慮を重視した新しい塗料・技術開発へ研究は続いていくと思います。

今回のように歴史をたどっていくと、先人たちの努力のおかげで塗料・塗装道具が生まれ、現在のように快適に暮らせていることにつながっているのだと実感できます。
今回は、塗装の歴史のお話をさせていただきましたが、長い歴史の中で人と塗装の繋がりについて少しでも理解を深めていただければ幸いです。

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