足場のメッシュシート
ご近所の方へ塗装工事の挨拶が終わると、いよいよ工事着工となります。
最初に行う大事な作業が作業現場の下準備で足場の組み立てとメッシュシート張りです。施工の質を高めるという意味でもこの準備は非常に重要な工程です。
外壁塗装の足場に張ってあるメッシュシート。何のために必要なのでしょうか?気になっている方もいらっしゃいますよね。
今回はメッシュシートの必要性についてお話していきますので、よかったら参考にされてください。
メッシュシートとは?
メッシュシートは、作業中に材料などの落下を防いだり、洗浄や塗装時の飛散防止のためなど安全面に配慮し足場を覆うように設置します。青色や、白色、オレンジ色、黄色、グレー色などのメッシュシートがあります。「養生シート」「飛散防止ネット」とも呼ばれます。
メッシュシートには穴があいているので、風通しがよく夏場でも施工性が高く、また工事現場内に塗料の臭いが充満するのを防いでくれます。
※メッシュシート設置時の注意点
風が強いときにメッシュシートが足場を崩す原因になってしまうことがあります。ブルーシートよりも風の影響が受けにくくなっていますが、風の煽りをうけやすいので、もし急な天候不良など風の影響が出てきそうなときなど、万が一のときに備えた準備をしておくことも大切です。
メッシュシートの役割
メッシュシートの役割は、主に安全面ですが現場の作業員の危険を防止するためのものです。
他にも、落下物の防止や塗装の際には高圧洗浄の時の水しぶき・塗料の飛散防止の役割もあります。
現場職人は屋根など高所で塗装をすることもあります。落下してしまうと命の危険があります。
また、塗料が近隣の住宅に付着したり通行人に飛んでしまったりすると、様々なトラブルのもとにもなります。そのため、塗装工事の現場においてはしっかりと安全が確保されることと、快適な仕事環境が用意されることはとても大切なことです。
このように、職人の作業環境・安全面を守り、また近隣に迷惑をかけないようにするためメッシュシートは重要な役割を果たします。
足場材のメッシュシートに関する法規定
建築基準法施行令によると、境界から5mの範囲のなかに7m以上の高さの建物があるケースでは、足場を鉄網やシートで覆う、もしくは工事現場周囲を仮囲いによって囲むなどの条件が決められています。
労働安全衛生規則
作業床からの物体の落下防止措置として、高さ10㎝以上の幅木・メッシュシート・防網などの設置を義務化しました。(平成21年の足場関係の改正より)
法令上、必ず設置しなくてはいけないものではありませんが、もしものときを考えて設置するのが望ましいとされています。
メッシュシートの素材
メッシュの網地の材料等は合成繊維でかつ難燃性のもの、又は防炎加工を施したもの、日本工業規格A8952(建築工事用シート)に定める防炎性を有するものである必要があります。
はとめの材料は、強度、性能に均一性を有し、著しい経年劣化をきたさないもの、また縫込みロープを用いるものにあってはこれがナイロン等の合成繊維のものでなければなりません。
メッシュシートの構造材
構造に関しては、メッシュシートの網地をチェックし、切れ、ほつれ、ゆがみ、織りむら等の使用上問題のある点があってはならない、メッシュシートの縁部は、はとめ等が簡単に外れない構造のものであることなども定められています。
その他、一般社団法人仮設工業会の試験をクリアしていることなどが設置基準を満たすために必要となります。
メッシュシート張りが雑な業者には要注意!
・飛散防止のメッシュシートがないまま塗装作業を行っている
・メッシュシートが足りず、家全体を覆っていない
・少ない範囲に、ブルーシートを張って代用している
・形だけで、薄くて目の粗いシートを張る
このようなトラブルを回避するため、契約時に足場の組み方、メッシュの張り方など細かな部分まで確認しておくことです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
メッシュシートの必要性についてお話しました。
足場工事などで使われるメッシュシートは、足場の危険性を軽減したり、落下物の防止、周囲の住宅や道路に迷惑をかけないようにするための、重要な安全対策です。
塗装工事の現場で大切なのは安全が確保されていることです。職人がケガをしないように安全な環境を作り、塗料の飛散で近隣の方にご迷惑をかけないようにすることが円滑な作業に繋がります。
このように工事を円滑に進めるためにメッシュシートは重要な役割を担ってくれるため必要であると言えます。