外壁塗装の相見積もりとは?
「外壁塗装の見積もりを取ったら、A社は80万円・B社は110万円…。なんでこんなに違うの?」
実はこの“価格差”には、はっきりとした理由があります。
外壁塗装は見た目以上に複雑で、内容を理解しないまま契約すると後悔するケースも少なくありません。
そんなときに役立つのが 相見積もり(あいみつもり)。
複数の業者から見積書を取り寄せ、金額やサービス内容を比較して納得できる業者を選ぶ方法です。
この記事では、相見積もりの正しい取り方と、
比較すべきポイント・注意点・失敗しないコツを業者目線でわかりやすく解説します。
まとめ
・外壁塗装の見積もりで価格差が出る本当の理由
・相見積もりで損をしないためのコツ
・信頼できる業者を見極めるポイント
「安さだけで選んで後悔したくない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
📊 相見積もりは何社に依頼すべき?
外壁塗装の相見積もりは、3社前後が最もおすすめです。
| パターン | メリット | デメリット | 
|---|---|---|
| 1社だけ | 手間がかからない | 相場がわからず失敗リスク大 | 
| 2〜3社 | 比較しやすく、判断しやすい | 少し時間がかかる | 
| 5社以上 | 情報が多い | 手間が増え、判断が難しい | 
💡 ポイント
地域密着店+全国展開の大手+中堅業者など、タイプの異なる3社を選ぶと比較がしやすいです。
💬 まとめ
- 
理想は3社比較 
- 
同条件で依頼することが正しい比較のカギ 
🧾 相見積もりで比較すべき5つのポイント
① 金額と内訳|総額より“中身”をチェック
見積書は「金額」よりも「内訳の明確さ」が重要です。
チェック項目
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足場代(㎡単価) 
- 
塗料代(種類・メーカー・塗布回数) 
- 
人件費(職人の作業費) 
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諸経費(運搬費・管理費など) 
💡 注意点
「外壁一式」とだけ書かれている見積もりは避けましょう。
項目を細かく書けない業者は、後から追加費用を請求してくることもあります。
💬 まとめ
- 
金額よりも“何にいくらかかるか”を確認 
- 
内訳が明確でない業者は要注意 
② 塗料の種類と耐用年数|価格差の理由を理解しよう
塗料の種類によって価格も耐久性も大きく変わります。
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 価格帯(30坪目安) | 
|---|---|---|
| シリコン塗料 | 約10〜13年 | 約70〜110万円 | 
| ラジカル塗料 | 約12〜15年 | 約80〜115万円 | 
| フッ素塗料 | 約15〜20年 | 約90〜130万円 | 
| 無機塗料 | 約20年以上 | 約100〜150万円 | 
💡 ポイント
「なぜこの塗料を選んだのか?」を質問してみましょう。
説明が明確であれば、その業者は誠実で知識豊富な証拠です。
💬 まとめ
- 
塗料選びは“価格×耐久性”のバランス 
- 
理由を説明できる業者=信頼できる業者 
③ 工事内容と工程数|全体の流れも把握しよう
外壁塗装は「下塗り→中塗り→上塗り」だけではありません。
実際には10以上の工程があり、どれも品質に直結します。
🧱 外壁塗装の基本工程と施主チェックポイント(10〜14日目安)
| 工程 | 内容 | 施主チェックポイント | 
|---|---|---|
| ① 近隣挨拶 | 工事前に挨拶・説明 | ご自身でも一言伝えると好印象 | 
| ② 足場設置 | 作業用の足場組立 | 騒音・洗濯物の対応を確認 | 
| ③ 高圧洗浄 | 汚れ・カビ除去 | 洗濯物や車はカバーを | 
| ④ 下地補修 | ひび・コーキング補修 | 写真で補修箇所を確認 | 
| ⑤ 養生作業 | シートで保護 | 窓が開けられない期間に注意 | 
| ⑥ 下塗り | 密着ベース塗装 | メーカー名を確認 | 
| ⑦ 中塗り | 希望色を重ねる | 色味の違和感を早めに相談 | 
| ⑧ 上塗り | 最終仕上げ | ムラ・ツヤを日中に確認 | 
| ⑨ 最終確認 | 立会いチェック | 雨樋・軒天・窓枠を重点確認 | 
| ⑩ 足場解体 | 清掃・完了報告 | 飛散・破損がないか確認 | 
💬 まとめ
- 
工程を省略する業者は危険 
- 
「今日は何の作業ですか?」と聞くだけで誠実さがわかる 
④ 担当者の対応・信頼性|最も重要な“人”を見る
どんなに安くても、担当者の説明が曖昧なら注意です。
✅ 良い担当者の特徴
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専門用語を使わず説明できる 
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メリット・デメリットを両方話す 
- 
現地調査が丁寧で時間をかける 
⚠️ このような担当者には要注意
- 
「今だけ値引きします」と即決を迫る 
- 
「他社は全部悪い」と否定的 
- 
現地調査が数分で終了 
- 
根拠のない「大丈夫です」発言 
💬 まとめ
- 
“価格”より“信頼”を重視 
- 
誠実な担当者は「塗らなくてもいい」ときも正直に言ってくれる 
⑤ 保証・アフターサービス|契約前に“書面”で確認
保証がある=安心ではありません。
重要なのは「保証内容が明確かどうか」です。
| チェック項目 | 確認すべき内容 | 
|---|---|
| 保証書の有無 | 書面発行があるか | 
| 保証期間 | 5〜10年が一般的。1〜2年は短すぎ | 
| 保証範囲 | 剥がれ・膨れ・色あせなど対象明記 | 
| アフター点検 | 時期・方法が決まっているか | 
| 追加費用 | どんな場合に発生するか事前確認 | 
💬 まとめ
- 
「保証書の見本を見せてください」が合言葉 
- 
優良業者は保証内容を曖昧にしない 
相見積もりを取る際の注意点・マナー
相見積もりを成功させるには、お客様側のマナーもとても大切です。
見積もりは無料であっても、業者は現地調査や資料作成に時間と人件費をかけています。
だからこそ、誠実な対応を心がけることで、より良い提案を受けやすくなります。
✅ 全業者に同じ条件で依頼する
(例:面積・時期・希望塗料などをそろえる)
→ 条件がバラバラだと、正確な比較ができません。
「この業者が安い」「あの業者が高い」と判断できないだけでなく、
不公平な比較になってしまうこともあります。
同じ条件で依頼すれば、各社の技術力・提案力・誠実さを正しく見比べられます。
✅ 相見積もりであることを伝える
→ 「他社にも見積もりをお願いしています」と伝えることで、
業者は「比較される前提」で誠実な見積もりや提案をしてくれます。
伝えずに複数社へ依頼すると、
・「どこまで話してよいか分からない」
・「時間をかけても契約につながらないかも」
といった不信感を持たれることもあります。
誠実に伝えることで、結果的に丁寧な対応・より良い提案につながります。
✅ 断る際は必ず連絡を入れる
→ 相見積もりでは、最終的に1社しか選べません。
そのため、依頼しなかった業者へのお断り連絡も大切です。
見積もり作成には、現地調査・資料作成・交通費など多くの労力がかかっています。
また、業者によっては工事日程の仮押さえや職人のスケジュール調整を進めている場合もあります。
何の連絡もなく放置してしまうと、相手に不信感を与えるだけでなく、
他のお客様への対応にも影響を与えてしまうことがあります。
「このたびは他社にお願いすることになりました。見積もりありがとうございました。」
という短い一言でも十分です。
誠実な対応をすることで、将来的に別の工事やリフォームを依頼したいときにも、
良好な関係を保ったまま再相談がしやすくなります。
💡 ポイント
丁寧に断る=相手への思いやり。
丁寧な対応は、次のリフォームやメンテナンスの際の信頼関係にもつながります。
💡 マナーは“より良い見積もりを引き出す鍵”
相見積もりは「安い業者を探すため」だけではなく、
「信頼できる業者を見極めるため」の大切なプロセスです。
誠実に対応するお客様には、業者も誠実に応えてくれます。
結果として、より良い価格・より良い品質・より良い関係を築くことができます。
よくある失敗事例と回避策
🏠 失敗①:「一番安い業者にしたけど、思ったより早く劣化してきた…」
👤 施主Aさん
「3社から見積もりを取って、一番安い業者にお願いしました。
でも、2年くらいでツヤがなくなってきて…。塗料が悪かったんでしょうか?」
🎙️ 専門家の回答
「実は“安さ”の裏に理由があるケースが多いんです。
塗料を薄めて使ったり、“中塗りを省略”していることも。
工程を減らすと、当然ながら耐久性は落ちます。」
💡 回避策
見積書に「塗料名」「メーカー名」「塗り回数(下塗り・中塗り・上塗り)」が明記されているかを必ず確認。
不明点はその場で質問し、「なぜこの塗料を使うのか?」を納得してから契約しましょう。
⚠️ 失敗②:「“今だけ割引”と言われて即決してしまった…」
👤 施主Bさん
「“モニター価格は今日まで”と言われて焦って契約しちゃいました。
でもあとで調べたら、他社の方が安かったんです。」
🎙️ 専門家の回答
「“本日限定”“モニター特典”という営業トークはよくある手法です。
冷静に比較する時間を奪うのが目的。即決を迫る業者には注意が必要です。」
💡 回避策
最低でも2〜3社の見積もりを取り、冷静に比較しましょう。
誠実な業者は「じっくり検討してください」と言ってくれます。
📜 失敗③:「保証つきって言われたのに、色あせは対象外だった!」
👤 施主Cさん
「“10年保証つき”に安心して契約したのに、
1年後に色があせて連絡したら“保証対象外です”って言われました…。」
🎙️ 専門家の回答
「“保証あり”でも、実際は“塗膜の剥がれのみ”など、範囲が限定されていることがあります。
書面で内容を確認しておかないと、トラブルになる典型例ですね。」
💡 回避策
保証書を必ず発行してもらいましょう。
“何が対象か(剥がれ・色あせ・浮きなど)”“保証期間”を明記してもらうことが重要です。
契約前に「保証書の見本を見せてください」と聞くのもおすすめです。
🧱 失敗④:「工事後に“下地が傷んでいた”と言われ追加費用が…」
👤 施主Dさん
「工事中に“想定外の劣化が見つかりました”と言われて、
追加で10万円払いました…。最初に聞いてなかったのに。」
🎙️ 専門家の回答
「“追加工事トラブル”もよくあるパターンです。
見積もり時点で“下地補修は別途費用”と書かれている場合は要注意。
契約前に“追加費用が出る可能性”を必ず確認しましょう。」
💡 回避策
見積書に「一式」など曖昧な表現がないかチェック。
「下地補修費」「養生費」「足場代」などが明細で分かれているかを確認しましょう。
🔍 失敗⑤:「仕上がりを確認せず引き渡してしまった…」
👤 施主Eさん
「工事が終わって“きれいになりましたね”って言われて、そのままOKしたけど、
後で見たら軒天の裏が塗れていませんでした。」
🎙️ 専門家の回答
「完工確認を業者任せにすると、どうしても見落としが出やすいんです。
最終確認は“施主立ち会い”が基本です。」
💡 回避策
完工時は自分でも必ずチェックを。
特に見落としやすいのは、
・軒天の裏
・ベランダの下
・雨樋の裏側
・玄関まわりの細部
写真を撮っておくと、保証対応時にも役立ちます。
外壁塗装は金額が大きく、一度工事を始めると簡単にやり直しができません。
「これを聞くと失礼かな…」と思う質問こそ、
契約前にしっかり確認しておくことが成功のカギです。
まとめ|相見積もりは“安さ”より“納得感”が大切
相見積もりは価格交渉ではなく、
「信頼できる業者と出会うためのプロセス」 です。
🔸 理想は3社比較
🔸 条件は統一して依頼
🔸 説明が丁寧で対応が早い業者を選ぶ
時間をかけて比較することで、
費用も品質も納得できる外壁塗装が実現します。
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