外壁塗装の見積もりを見ていると、外壁や屋根のほかに、雨樋・軒天・破風板など、さまざまな項目が書かれています。
その一方で、
「窓のサッシも塗ってもらえると思っていた」
「シャッターはどこまで塗るの?」
「エアコンの配管カバーは外壁と一緒に塗らないの?」
など、工事が始まってから施工範囲に気づくこともあります。
外壁塗装では、建物の外側にあるものをすべて塗るわけではありません。素材の性質や現在の状態、取り外しの可否によって、塗らない場所や塗装に向かない場所があります。
この記事では、外壁塗装で塗らないことが多い場所と、その理由、契約前に施工範囲を確認する方法を分かりやすく説明します。
1.外壁塗装でも、建物の外側をすべて塗るとは限りません
外壁塗装と聞くと、外から見える部分をまとめて塗り直すイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。
しかし、建物の外側には、外壁材だけでなく、アルミ・樹脂・ガラス・タイル・金属・木など、さまざまな素材が使われています。
素材によっては塗料が密着しにくかったり、塗装後に剥がれやすかったりするため、あえて塗らないことがあります。
また、同じ部位でも、素材や現在の状態によって、塗装できる場合と塗装しない方がよい場合があります。
大切なのは、「塗られていないから工事が足りない」と判断するのではなく、塗らない理由や施工範囲を契約前に説明してもらうことです。
2.外壁塗装で塗らないことが多い場所
建物の外側には、外壁と一緒に塗装する部分だけでなく、素材や役割によって塗らない場所もあります。
アルミサッシ・アルミ製の笠木・手すり
アルミは、一般的な外壁用塗料が密着しにくい素材です。
塗装できる場合もありますが、専用の下地処理や塗料が必要になるため、通常の外壁塗装では塗らずに残すことが多い部分です。
タイルやレンガ
タイルやレンガは、一般的な外壁塗装のように塗膜で保護する必要がない素材のため、通常は塗装しないことが多いです。
ただし、目地のひび割れや欠け、タイルの浮き、表面の汚れなどが見られる場合は、洗浄や補修、必要に応じた保護材の施工を行うことがあります。
シャッターや雨戸
シャッターボックスは外壁塗装と一緒に塗装することが多い部分です。
一方で、シャッター本体は開閉時に塗膜が擦れることがあるため、塗装するかどうかは製品や状態、施工会社の方針によって異なります。レールなどの可動部分は、動きに影響が出ないよう塗装しないのが一般的です。
給湯器・電気メーター・インターホン
給湯器、電気メーター、インターホンなどの設備本体は、機能や安全面への影響を避けるため、通常は塗装しないことが多いです。
工事中は塗料が付かないように養生し、設備まわりの外壁を塗装します。
エアコンの室外機や給湯器の裏側
室外機や給湯器には、配管や電源線、排水ホースなどがつながっています。
無理に動かすと設備を傷めるおそれがあるため、取り外さずに、手や道具が入る範囲まで塗装することがあります。
窓のレールやドアの可動部分
窓のレール、ドアの蝶番、鍵まわりなどは、塗料が付くと開閉しにくくなることがあります。
動きに影響する部分は養生し、塗らずに残します。
同じ場所でも、素材や傷み方、設備の取り付け方によって施工範囲は変わります。
見た目だけでは判断しにくいため、塗る場所と塗らない場所を工事前に説明してもらうことが大切です。
3.塗装できる場所でも、見積もりに含まれていないことがあります
塗装できる部位であっても、外壁塗装の見積もりにすべて含まれているとは限りません。
雨樋・軒天・雨戸・エアコンの配管カバーなどは、外壁とは別に記載されることがあります。
見積書に「付帯部塗装」や「付帯部一式」と書かれている場合は、どの部位まで含まれているのかを確認しておくと安心です。
同じ表記でも、施工する範囲は業者によって異なることがあります。
4.塗らない理由は契約前に説明してもらいましょう
塗装しない場所があったときは、「対象外です」という説明だけでなく、なぜ塗らないのかも確認しておくと安心です。
塗らない理由は、主に次のように分けられます。
- 素材と塗料の相性がよくない
- 塗装しても剥がれやすい
- 開閉や可動に影響する
- 設備を安全に移動できない
- 塗膜で保護する必要がない素材である
- 塗装より交換や別の補修が適している
- 塗装できるが、今回の見積もりには含まれていない
特に注意したいのは、塗装できない場所と、塗装できるものの契約に含まれていない場所は意味が異なることです。
たとえば、アルミサッシや設備本体は、素材や機能上の理由から塗らないことがあります。
一方、雨樋・軒天・雨戸・配管カバーなどは塗装できても、見積もりの内容によっては施工範囲に含まれていないことがあります。
また、割れた雨樋や腐食が進んだ金属部材などは、塗装より交換や補修の方が適している場合もあります。
契約前には、次の3つを分けて説明してもらいましょう。
- 塗装できない場所
- 塗装の必要がない場所
- 塗装できるが、今回の見積もりに含まれていない場所
理由と施工範囲が分かっていれば、工事後に「塗り残しではないか」「ここも塗ってもらえると思っていた」と感じる行き違いを防ぎやすくなります。
5.契約前に施工範囲を確認する方法
■見積書に施工内容が記載されているか確認する
「外壁塗装一式」「付帯部塗装一式」とだけ書かれている見積書では、どこまで塗装するのか分かりにくいことがあります。
外壁だけでなく、雨樋、破風板、軒天、配管カバー、シャッターボックスなど、塗装する部位が具体的に記載されているか確認しましょう。
■建物を見ながら施工範囲を確認する
書面だけではイメージしにくい場合は、現地で建物を見ながら確認すると分かりやすくなります。
例えば、
- この部分は塗装しますか?
- シャッターボックスは塗装しますか?
- シャッター本体は対象ですか?
- 配管カバーは外壁と同じ色になりますか?
など、気になる部分を一つずつ確認しておくと安心です。
■対象外となる部分も確認しておく
施工範囲だけでなく、今回の工事で塗装しない部分(対象外工事)も確認しておくことが大切です。
見積もりに含まれていない部分は施工されないため、完成後に「ここも塗ってもらえると思っていた」という行き違いにつながることがあります。
特に、玄関ドアやアルミサッシなど、素材の関係で塗装しないことが多い部分については、事前に施工会社へ確認しておくと安心です。
■複数の見積もりは施工範囲をそろえて比較する
相見積もりでは、金額だけでなく、施工範囲が同じ条件になっているかも確認しましょう。
例えば、一方の見積もりにはシャッターボックスや配管カバー、雨戸の塗装が含まれていて、もう一方には含まれていない場合があります。
このような違いがあると、金額だけでは適切に比較できません。見積書の内容を見比べ、塗装する部位や施工内容が同じ条件になっているか確認したうえで比較することが大切です。
6.追加で塗ってほしい場所がある場合は契約前に伝える
現地調査や見積もり説明の際に、「ここも一緒にきれいにしたい」という希望がある場合は、契約前や見積もり作成の段階で相談しておきましょう。
エアコンの配管カバーや雨戸・戸袋、シャッターボックス、木部、物置などは、追加工事として対応できる場合があります。
工事が始まってからでは対応が難しくなったり、追加費用や工程変更が必要になったりすることもあるため、早めに相談するのがおすすめです。
ただし、希望した場所がすべて塗装できるとは限りません。 アルミ製の門扉やフェンス、傷みが進んだ木部、開閉やこすれが多い部分などは、塗装しても剥がれやすかったり、十分に長持ちしなかったりすることがあります。
そのため、施工会社から「塗装をおすすめしない理由」や、「交換・補修など別の方法が適しているか」を説明してもらい、納得したうえで判断することが大切です。
7.完了確認では見積書と施工範囲を照らし合わせる
工事が終わったら、家全体がきれいになったかを見るだけでなく、契約した施工範囲が仕上がっているかも確認しましょう。
見積書や施工箇所の一覧を手元に用意し、次の項目を一つずつ照らし合わせると確認しやすくなります。
完了時に確認したいポイント
工事が終わったら、見た目のきれいさだけでなく、契約した範囲どおりに施工されているかも確認しましょう。
□ 外壁・屋根など、見積書に記載された工事が完了している
□ 雨樋・軒天・破風板・水切りなどの付帯部が、打ち合わせどおり施工されている
□ 雨戸・戸袋・シャッターボックス・配管カバーなど、施工すると決めた部分が塗装されている
□ 塗装しないと説明を受けた場所が、事前の打ち合わせどおりになっている
□ 室外機や給湯器の裏側など、動かせない設備の周囲が、説明を受けた範囲まで施工されている
□ 屋根や高い場所など、地上から見えにくい部分を施工写真で確認できる
□ 塗料の付着や塗り残し、養生の跡など、気になる箇所が残っていない
すべてをお客様自身で細かく判断する必要はありません。
気になる点や分からない部分は、見積書や施工写真を見ながら施工会社に説明してもらい、契約した内容どおりに工事が行われているかを確認することが大切です。
まとめ|「塗る場所」と「塗らない場所」を契約前に確認する
外壁塗装では、建物の外側にあるものをすべて塗装するわけではありません。
素材との相性や設備の機能、可動部分への影響などを考慮して塗装しない場所があるほか、塗装できる部位でも、見積もりの内容によっては施工対象に含まれていない場合があります。
契約前には、「外壁塗装一式」「付帯部塗装一式」といった表記だけで判断せず、どの部位を塗装するのか、また対象外となる部分はどこなのかを確認しておくことが大切です。
気になる箇所は建物を見ながら一つずつ確認し、施工範囲について疑問があれば事前に質問しておくことで、「ここも塗ってもらえると思っていた」という完成後の行き違いを防ぎやすくなります。











