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外壁塗装の手抜き工事を防ぐには?完成後に見えなくなる工程の確認ポイント

目次

外壁塗装を検討している方の中には、

「きちんと塗ってもらえるのだろうか」

「完成したあとでは、手抜き工事かどうか分からないのでは?」

と不安を感じている方もいらっしゃると思います。

外壁塗装は、工事が終わると建物全体がきれいになります。

その一方で、高圧洗浄、下地補修、下塗り、中塗りなど、仕上がったあとには見えなくなる工程が多い工事でもあります。

だからこそ、完成後の見た目だけで工事の良し悪しを判断するのは簡単ではありません。

手抜き工事を防ぐために必要なのは、専門家と同じ知識を身につけることではありません。

見えなくなる工程について説明があるか、見積書や写真で確認できるかを見ることが大切です。

この記事では、外壁塗装で特に確認しておきたい工程と、手抜きや施工漏れが起こる背景、工事前からできる対策についてお伝えします。

 

外壁塗装の手抜き工事は、完成直後に分からないことがあります

外壁塗装の手抜き工事というと、塗り残しや目立つ色むらを想像する方が多いかもしれません。

しかし、本当に判断が難しいのは、完成後に隠れてしまう工程です。

たとえば、外壁の汚れを十分に落とさずに塗装しても、工事直後はきれいに見えることがあります。

ひび割れを適切に補修せず、上から塗料で覆った場合も、すぐには問題が見えないかもしれません。

必要な塗装回数を減らした場合や、乾燥時間を十分に取らなかった場合も、完成直後の見た目だけで判断するのは困難です。

問題が表面化するのは、工事からしばらく経ったあとかもしれません。

塗膜の剥がれ、膨れ、ひび割れの再発などによって、初めて施工上の問題に気づくことがあります。

ただし、不具合が出たからといって、すべてが手抜き工事とは限りません。

建物の劣化状態、外壁材との相性、過去の補修内容など、複数の原因が重なっていることもあります。

大切なのは、最初から業者を疑うことではなく、どのような工程が行われるのかを知り、説明と記録を残してもらうことです。

 

特に確認しておきたい5つの工程

外壁塗装には多くの工程がありますが、すべてをお客様自身で確認するのは現実的ではありません。

ここでは、完成後に見えにくく、塗装の耐久性にも関わる代表的な5つの工程をご紹介します。

 

1.塗る前に、外壁の汚れや古い塗膜を整えているか

外壁塗装は、新しい塗料を塗ることから始まるわけではありません。

まず必要なのが、外壁や屋根に付着した汚れ、コケ、カビ、砂ぼこりなどを落とす作業です。

さらに、剥がれかけた古い塗膜や金属部分のサビなども、状態に応じて取り除きます。

下地に汚れや傷んだ塗膜が残ったままでは、新しく塗った塗料がしっかり密着しません。

たとえるなら、ほこりが付いたテープの上から、別のテープを貼るようなものです。

一時的には付いているように見えても、長くは持ちにくくなります。

確認したいこと

高圧洗浄だけでなく、剥がれた塗膜やサビがある部分をどのように整える予定か、見積り時に聞いておきましょう。

洗浄にかかった時間だけで、工事の良し悪しを判断することはできません。

建物の大きさや汚れ方によって、必要な作業時間は変わるからです。

大切なのは、どこにどのような汚れや傷みがあり、どの方法で処理したかが説明されていることです。

 

2.塗料で隠す前に、ひび割れや劣化部分を補修しているか

外壁にひび割れがある場合、上から塗料を塗るだけでは補修にならないことがあります。

工事直後は塗料で見えなくなっていても、時間が経つと同じ場所にひび割れが現れることがあります。

また、サイディング外壁の目地や窓まわりに使われているコーキングも、劣化状態を確認しておきたい部分です。

コーキングには、外壁材の動きを受け止めたり、すき間から雨水が入るのを防いだりする役割があります。

ひび割れ、剥がれ、肉やせなどが進んでいる場合は、塗装前に補修を検討します。

補修方法は、すべての建物で同じではありません。

ひび割れの幅や深さ、外壁材、コーキングの場所などによって、適した方法は変わります。

そのため、「全部打ち替えます」「上から塗れば大丈夫です」といった言葉だけで判断するのではなく、場所ごとの施工方法と理由を聞くことが大切です。

見積り時の質問例

「このひび割れは、塗装前にどのような補修をしますか?」

「目地と窓まわりのコーキングは、それぞれどの方法で施工しますか?」

コーキングの施工方法は、場所や劣化状態によって異なります。

詳しくは、外壁塗装で確認したいコーキングの増し打ちと打ち替えの違い|どちらを選ぶべき?も参考にしてください。

 

3.下塗りが、外壁や屋根の状態に合っているか

下塗りは、仕上げ塗料を塗る前に行う工程です。

完成すると見えなくなりますが、外壁や屋根と仕上げ塗料をつなぐ、大切な役割を持っています。

下塗り材は、窯業系サイディング、モルタル、金属、ALC、スレート屋根など、塗装する素材によって使い分けます。

同じ外壁材であっても、表面の劣化が強い場合や、塗料を吸い込みやすい状態では、施工方法を変えることがあります。

下塗り材が下地に合っていなければ、仕上げ塗料の密着不良や、塗りむら、早期の剥がれにつながる可能性があります。

見積書に「下塗り」とだけ書かれている場合は、少し注意が必要です。

使用予定の下塗り材と、その材料を選んだ理由を確認しておくと安心です。

お客様が塗料の相性を判断する必要はありません。

業者が建物の状態を確認し、選定理由を分かりやすく説明できるかを見ることが重要です。

下塗りが1回だからといって、手抜きとは限りません

外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程で説明されることが多いため、下塗りが1回だけだと不安に感じる方もいらっしゃいます。

しかし、下塗りの回数は、すべての住宅で一律に決まるものではありません。

使用する塗料の施工仕様や外壁材の状態によっては、下塗り1回で仕上げ塗料へ進む工程が適切な場合もあります。反対に、下地の傷みが強い場合や、塗料の吸い込みが大きい場合には、下塗りを追加することもあります。

そのため、回数だけを見て手抜きと判断するのではなく、使用する材料の施工仕様と、建物の状態に合った工程になっているかを見ることが大切です。

気になる場合は、「この外壁では、なぜこの下塗り回数になるのですか」と確認すると、施工内容を理解しやすくなります。

下塗り・中塗り・上塗りの役割や、塗装回数の考え方については、

外壁塗装の3回塗りとは?見積もりで確認したい下塗り・中塗り・上塗りのポイントで詳しく解説しています。

 

4.必要な塗布量と塗り重ねの間隔を守っているか

外壁塗装では、ただ回数を重ねればよいわけではありません。

塗料には、一定の面積に使用する量と、次の工程へ進むまでの時間が定められています。

塗料の量が少なすぎると、必要な塗膜の厚みを確保できません。

反対に、一度に厚く塗りすぎても、乾燥不良や仕上がりの乱れにつながることがあります。

また、表面が乾いているように見えても、塗膜の内部まで十分に乾いていないことがあります。

その状態で次の塗料を重ねると、膨れ、剥がれ、縮み、つやむらなどが起こる原因になります。

工期が短いから、良い工事とは限りません。

気温、湿度、日当たり、天候などを確認しながら、無理のない工程を組む必要があります。

一方で、工期が長ければ必ず丁寧というわけでもありません。

大切なのは、工程が変わったときに理由の説明があり、どこまで作業が進んでいるかを確認できることです。

 

5.屋根や付帯部を「塗るだけ」で終わらせていないか

外壁塗装と一緒に屋根、雨樋、破風板、軒天、雨戸などを塗装することがあります。

こうした部分も、塗料を塗るだけでよいとは限りません。

屋根では、屋根材のひび割れや欠け、棟板金の釘浮き、金属部分のサビなどを確認します。

スレート屋根では、塗装後に屋根材の重なり部分が塗料で塞がれないよう、排水のためのすき間を確保することもあります。

雨樋や破風板なども、割れ、変形、腐食などがあれば、塗装だけでは直りません。

屋根は施工前後の写真を見せてもらいましょう。

お客様自身が上って確認するのは危険です。補修箇所と施工内容を写真で説明してもらう方法が安心です。

 

なぜ施工漏れや手抜き工事が起きるのでしょうか

手抜き工事というと、最初から悪意を持って工事を省く業者だけを想像するかもしれません。

もちろん、使用材料や塗装回数を意図的に変える行為は許されるものではありません。

しかし実際には、会社の管理体制や情報共有の不足によって、施工漏れや認識違いが起こることもあります。

 

工事金額に必要な工程が含まれていない

外壁塗装には、塗料代以外にも、足場、人件費、養生、洗浄、下地補修、廃材処理などの費用がかかります。

見積金額を安く見せるため、必要な補修や付帯部分の施工を見積りから外している場合があります。

契約後に追加工事として提示されることもあれば、説明がないまま塗装だけで終わってしまうことも考えられます。

見積金額を比較するときは、補修範囲や使用材料、付帯部の施工範囲も一緒に確認することが大切です。

同じ「外壁塗装」でも、工事に含まれる内容が違えば、金額にも差が出ます。

 

営業担当者と施工する職人の情報共有が不足している

現地調査や見積りを行った担当者と、実際に工事を行う職人が異なる場合があります。

補修箇所やお客様との打ち合わせ内容が正しく伝わっていなければ、施工漏れや仕上がりの認識違いにつながります。

意図的な手抜きではなくても、結果としてお客様が望んだ工事にならない可能性があります。

 

工期を優先しすぎている

次の現場へ早く移ることを優先すると、下地補修や乾燥時間が十分に取られないことがあります。

特に天候が不安定な時期は、当初の工程どおりに進められないことも少なくありません。

予定どおりに終わらせることより、建物と塗料の状態を優先しているかが重要です。

 

施工状況を確認する仕組みがない

現場を職人任せにし、会社側が工程や仕上がりを確認していない場合、施工漏れを見つけにくくなります。

誰が現場を管理するのか、工程写真を残すのか、完了時の確認を行うのかは、契約前に聞いておきたいポイントです。

 

すべての工程を疑ったり、細かく確認したりする必要はありません

ここまで読むと、

「工事中は、すべての工程を自分で確認しなければならないのだろうか」

「職人さんに細かく質問すると、気分を害されないだろうか」

と、かえって不安になった方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、お客様が工事中ずっと現場を見たり、一つひとつの作業を確認したりする必要はありません。

外壁塗装には専門的な判断が必要な工程も多く、すべてをご自身で見分けることは難しいからです。

また、工事を任せた相手を最初から疑いながら過ごすのは、お客様にとっても大きな負担になります。

確認するのは、ご自身が「あれ?」と感じたときだけでも大丈夫です。

予定と違うように見えた、説明を受けていない作業があった、仕上がりに気になる部分があるなど、小さな疑問をそのままにしないことが大切です。

どこに疑問を感じるかは、人によって異なります。

塗装回数が気になる方もいれば、雨の日の作業、屋根の補修、塗料缶、工事日程の変更などが気になる方もいるでしょう。

この記事で紹介している事例を、すべて確認項目として使う必要はありません。

「こういう工程は完成後に見えにくいのだな」と知っておき、実際の工事で違和感を覚えたときの判断材料として役立ててください。

 

工事中に「あれ?」と思ったときは、やわらかく確認しましょう

工事中に予定と違うように見えたり、仕上がりに気になる部分があったりしても、すぐに手抜き工事と決めつける必要はありません。

天候や建物の状態によって、工程や施工方法が変わることもあります。

ただ、気になることがあっても、

「手抜きをしていませんか?」

「本当に決められた回数を塗っていますか?」

と直接聞くのは、言いづらいものです。

そのようなときは、相手を責めるのではなく、現在の状況を教えてもらう聞き方にすると伝えやすくなります。

「今日の作業は、どこまで進みましたか?」

「この部分は、これから補修する予定でしょうか?」

「雨が降りましたが、作業への影響はありませんでしたか?」

「あとで工事写真を見せていただくことはできますか?」

「私が工程に詳しくないので、簡単に教えていただけますか?」

このような聞き方であれば、工事内容を理解して安心したいという気持ちを自然に伝えられます。

現場で作業している職人へ直接聞きにくい場合は、担当者や現場管理者へ連絡しても問題ありません。

職人は作業中で手を離せないこともあるため、担当者を通した方が、落ち着いて説明を受けられる場合もあります。

大切なのは、手抜きを探すことではなく、気になったことを抱え込まずに確認できることです。

 

安心して工事を任せるために、事前に確認しておきたいこと

 

見積書に施工内容が具体的に書かれているか

「外壁塗装工事一式」とだけ書かれた見積書では、何が含まれているか分かりません。

見積書で確認したい主な項目

□ 塗装する場所と塗装しない場所

□ 外壁や屋根のおおよその塗装面積

□ 使用する仕上げ塗料と下塗り材

□ 塗装工程と塗装回数

□ ひび割れやコーキングの補修内容

□ 屋根や付帯部分の施工範囲

□ 追加費用が発生する可能性がある工事

□ 保証の対象と対象外になる症状

「付帯部も全部塗る」と思っていた、という認識違いもあります

外壁塗装では、雨樋、破風板、軒天、雨戸、水切りなどを、まとめて「付帯部」と呼ぶことがあります。

ただし、「付帯部塗装」と書かれていても、住宅に付いているすべての部材が施工対象に含まれているとは限りません。

たとえば、お客様は雨樋や雨戸をすべて塗装すると思っていても、見積書では一部のみが対象で、交換予定の部材や塗装できない素材が対象外になっている場合があります。

業者側では施工範囲を説明したつもりでも、「付帯部一式」という表記だけでは、お客様へ十分に伝わらないことがあります。

これは意図的な手抜きではなく、見積書の表記と説明が足りないことで起こる認識違いの一例です。

「どこを塗るか」だけでなく、「塗らない場所はどこか」まで、契約前に確認しておくことが大切です。

見積書が細かいだけで、必ず良い業者とは限りません。

書かれている内容について質問したとき、分かりやすく理由を説明してくれるかも確認しましょう。

 

完成後に見えない工程を写真に残してもらう

工事写真は、施工品質を完全に証明するものではありません。

それでも、施工前の状態、補修、下塗り、中塗り、上塗りなどを記録することで、どのような工事が行われたか確認しやすくなります。

特に、屋根や高い場所はお客様自身で確認することが難しいため、写真による報告が役立ちます。

 

工程変更の説明方法を確認する

外壁塗装は、天候や建物の状態によって、工程が変わることがあります。

予定が変わること自体は、悪いことではありません。

雨で塗装ができない、下地の傷みが想定より強いなど、変更には理由があるからです。

変更時に誰から説明があるのか、追加費用が発生する場合は事前に相談があるのかを確認しておきましょう。

 

極端な値引きだけで契約を決めない

外壁塗装の見積りでは、大幅な値引きを提示されることがあります。

企業努力によって費用を抑えられる場合もあるため、値引きそのものが悪いわけではありません。

ただし、値引き後も見積書に書かれた材料、工程、補修内容が変わらないのかは確認が必要です。

「安くなった金額」ではなく、「その金額で何をするのか」を確認しましょう。

 

まとめ|手抜き工事を防ぐには、工事前の説明と途中の記録が大切です

外壁塗装は、完成すると見えなくなる工程が多い工事です。

そのため、工事後の見た目だけで、すべての工程が正しく行われたかを確認することは難しいでしょう。

手抜き工事や施工漏れを防ぐために大切なのは、工事中ずっと現場を監視することではありません。

工事前に確認しておきたい3つのこと

1.見積書に補修内容や塗装工程が具体的に書かれているか

2.建物の状態に合わせた施工理由を説明してもらえるか

3.完成後に見えなくなる工程を写真や報告書で確認できるか

価格が安いか高いかだけでは、塗装工事の内容は判断できません。

また、工期が短いから丁寧、長いから安心とも限りません。

見積書の内容と実際の工事が一致しているか、変更があれば説明があるか、質問に誠実に答えてもらえるかを見ることが大切です。

外壁塗装の目的は、建物をきれいに見せることだけではありません。

下地の状態を整え、必要な工程を重ね、これからも住まいを守れる状態に仕上げることが本来の目的です。

分からないことをそのままにせず、工事前から担当者と確認しながら進めることが、後悔しない外壁塗装につながります。

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