「外壁にヒビがあるけど塗装で直るの?」「雨漏りしているけど防水工事までするべき?」
外壁やベランダでトラブルが起きたとき、多くの方が 外壁塗装で直るのか、防水工事が必要なのか で迷われます。
しかしこの判断を誤ると、
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雨漏りが悪化する
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修繕費が倍以上に増える
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せっかくの塗装がすぐ剥がれる
といったリスクにつながることもあります。
そこでこの記事では、
▶ 外壁塗装で直る症状
▶ 防水工事が必要な症状
を “症状別にプロ目線で分かりやすく解説” します。
「うちはどっち?」が確実に判断できるようになる保存版ガイドです。
外壁塗装ってなに?
外壁塗装とは、建物の壁に塗料を塗って、見た目をキレイにしたり、風や雨、紫外線から壁を守る工事のことです。
塗る塗料によっては、多少の防水効果があるものもありますが、塗装の一番の目的は「外壁の表面を保護すること」です。
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主な目的
見た目を整える/汚れやカビの発生を防ぐ/紫外線や風雨による劣化を防ぐ -
塗装する場所
サイディング外壁・モルタル壁などの建物の外壁部分 -
よく使われる塗料の種類
シリコン塗料、フッ素塗料、ラジカル制御型塗料など(塗料によって耐久年数が異なります)
防水工事ってなに?
防水工事とは、雨や水が建物の中に入ってこないように、水の通り道をしっかりふさいで守る工事のことです。
特に、屋上やベランダ、外階段など、雨水がたまりやすい場所には欠かせません。
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目的
雨水が建物の中に入らないようにして、壁や床、構造部分を濡らさず、建物を長持ちさせること。 -
工事をする場所
屋上、ベランダ、陸屋根(平らな屋根のこと)、外階段や通路など、雨がたまりやすい部分。 -
よく使われる防水の方法
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ウレタン防水:液体を塗って膜を作るタイプで、形が複雑な場所にも使いやすい
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FRP防水:繊維強化プラスチックを使った丈夫で長持ちする防水層
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シート防水:防水シートを貼り付けて雨水の侵入を防ぐ方法
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ベランダ・屋上は雨漏りの「隠れた原因」になりやすい
防水工事が必要になるのは、屋上やベランダの劣化が原因となるケースがとても多いです。
特に以下のような症状が出ているときは要注意です。
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床や防水層に ひび割れや膨れ
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手すり(笠木)の サビや腐食
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雨が流れず 水たまりができる
放置すると、ベランダ下の天井や壁に雨染みが広がり、構造部分まで劣化が進んでしまいます。
外壁塗装と同じタイミング(約10年)で一緒に防水工事を行うと効率的です。
防水層の劣化による雨漏り事例と、工事の必要性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
外壁塗装と防水工事の費用相場の目安
「実際にどのくらい費用がかかるの?」と気になる方も多いと思います。
外壁塗装と防水工事の一般的な費用相場をまとめました。
| 工事内容 | 費用相場の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 80〜150万円(延床30坪) | 塗料の種類や塗る面積によって変動します。 |
| ベランダ防水 | 10〜20万円(1カ所) | 面積が小さい分、比較的費用を抑えられます。 |
| 屋上防水 | 50〜150万円(面積による) | ビルやマンションなど広い面積では費用が高くなります。 |
💡あくまで目安であり、建物の大きさ・劣化状況・使用する材料などによって金額は変わります。
また、外壁塗装と防水工事を同時に行えば、足場代が1回で済むため数十万円の節約につながるケースもあります。
外壁塗装・防水工事のタイミングと周期の目安
「結局、いつ工事をすればいいの?」という疑問に、一目でわかるようまとめました。
| 工事内容 | タイミング・周期の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 約10〜12年ごと | 使用する塗料によって耐用年数が変わります。シリコン系なら10年前後、フッ素系なら15年程度も。 |
| ベランダ防水 | 約10年ごと+5年ごとのトップコート | 防水層自体は10年が目安。トップコートを定期的に塗り替えると寿命が延びます。 |
| 屋上防水 | 約10〜15年ごと | 面積が広い分、劣化が早いこともあるため定期的な点検が重要です。 |
💡工事タイミングの注意点
ここでご紹介した周期はあくまで一般的な目安です。どんなに耐久性の高い塗料を使っても、外壁の素材・建物の立地環境(海沿い・山間部など)・日当たりや降雨量・台風や雪などの気候条件によって劣化スピードは変わります。
そのため、定期的な点検を行い、実際の劣化状況を見て工事時期を判断することが大切です。
外壁の劣化サインと必要な工事一覧
「うちの壁、こんな状態なんだけど大丈夫?」
という方のために、よくある外壁の劣化サインと、それに対して必要な工事をまとめました。
| 劣化のサイン | 対応に必要な工事 | ポイント・補足説明 |
|---|---|---|
| 壁に白い粉がつく(チョーキング) | 🖌️【塗装】外壁塗装 | 古い塗膜が劣化。洗浄して塗り直せばOK。早めの対処が◎ |
| 細かいヒビ(ヘアクラック) | 🖌️【塗装】外壁塗装+下地補修 | 浅いひびなら補修材で埋めて塗装で対応可能。 |
| 深いヒビ(構造クラック) | 💧【防水】補修+必要に応じて防水処理 | 0.3mm以上なら要注意。ひびの奥まで補修が必要。水の浸入が考えられる場合は防水処理を追加することも。 |
| シーリングの割れ・縮み | 💧【防水】シーリング打ち替え | 塗装では補えません。古いシーリングを除去して新しくします。 |
| 塗装が膨れる・はがれる | 🖌️【塗装】下地補修+外壁塗装 | 水分の影響がある場合は、防水処理をプラス。原因を見極めて対応。 |
| 壁の中まで水が入っている | 💧【防水】防水工事 | 雨漏りの可能性大。塗装ではカバーできず、防水処理が必要です。 |
| バルコニー床のヒビや浮き | 💧【防水】防水工事 | 水がたまりやすく、防水層の施工が必須。塗装では対応できません。 |
| 屋上・陸屋根の劣化 | 💧【防水】防水工事 | 防水層が劣化している場合、全面的な防水工事が必要になることも。 |
🖌️【塗装】は外壁の見た目や表面保護のための工事
💧【防水】は雨漏りなど水の侵入を防ぐ工事
深いヒビは放置すると雨水が壁の内部に入り込み、建物の強度を低下させる恐れがあります。小さくても気になるひび割れは早めに専門家に相談しましょう。DIYで無理に埋めるのは逆効果になることもあります。シーリングは紫外線や風雨で徐々に劣化します。特に窓周りやサッシの継ぎ目は定期的に目視チェックを。小さな割れや縮みを見つけたら早めの打ち替えで雨漏りを防げます。
👉雨の日に玄関がジメジメ…それ、外壁の劣化かも?塗装で解決できるケース・できないケースとは
玄関まわりが湿っぽくなる、壁紙が浮いてくるなどの症状が気になる方は、こちらの記事もご参考ください。
DIY補修とプロの防水工事の違い
「ホームセンターで売っている防水塗料やコーキング材で、自分で直せないの?」と思う方も多いでしょう。
しかし、DIYはあくまで 一時的な応急処置 にしかなりません。
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ひび割れの上から塗料を塗っても、内部の防水層までは補修できない
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誤った施工をすると、防水層の中に水を閉じ込めてしまい、逆に雨漏りを悪化させることもある
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仕上がりが不十分だと、結局すぐに再発して二重の費用がかかる
✅ 小さな補修であればDIYで一時的にカバーできますが、根本的な解決にはプロによる診断と工事が必要です。
よくある質問(QA)
Q1. 外壁塗装だけで雨漏りは防げますか?
A. 外壁塗装は表面の保護が主な役割なので、軽い防水効果はありますが、雨漏りを完全に防ぐことはできません。雨漏りが疑われる場合は、防水工事が必要です。
Q2. チョーキング(白い粉)が出たらすぐに塗り替えが必要ですか?
A. チョーキングは塗膜が劣化しているサインです。すぐに塗り替えが必要というわけではありませんが、放置すると劣化が進むので早めの対処がおすすめです。
Q3. ヒビ割れは全部防水工事が必要ですか?
A. ヘアクラック(細かい浅いヒビ)は補修+塗装で対応可能ですが、深いヒビ(構造クラック)は防水処理が必要な場合があります。ヒビの深さや状態をプロに見てもらいましょう。
Q4. シーリングの割れや縮みは自分で直せますか?
A. シーリングは専門の技術が必要なことが多いので、自分で直すのは難しいです。業者に依頼して打ち替えや補修を行うことをおすすめします。
Q5. 防水工事はどのくらいの頻度で行うべきですか?
A. 防水工事の耐用年数は使う材料や環境によりますが、一般的には10年程度が目安です。定期的に点検を行い、劣化が見られたら早めに工事を検討しましょう。
まとめ|見た目だけじゃない!外壁メンテナンスの目的
外壁塗装と防水工事は、どちらも建物を守るために欠かせませんが、役割は大きく異なります。
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外壁塗装:壁の表面をキレイに整え、紫外線や雨風から守る工事
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防水工事:屋上やベランダからの水の侵入を防ぐための工事
「塗装すれば全部解決」と思いがちですが、実際には防水工事が必要な劣化も多く存在します。しかも、同じヒビでも浅ければ塗装で済み、深い場合は補修や防水処理を伴う工事が必要になるなど、自己判断が難しいケースも少なくありません。
さらに、工事には 費用相場や耐用年数の目安 があり、タイミングを誤ると余計な出費につながることも。DIYでの補修は一時的な応急処置にはなりますが、根本解決にはならず、逆に雨漏りを悪化させるリスクもあります。
だからこそ、
👉 「今の劣化症状に合った工事を選ぶこと」
👉 「費用や周期を把握して、計画的にメンテナンスすること」
が大切です。
「うちはどっちが必要なのかな?」と迷ったときは、まずは専門業者の点検を受けてみましょう。無料診断を行っているところも多いので、早めの相談が結果的に建物を長持ちさせ、余計な修繕費を防ぐことにつながります。















