はじめに
台風が通り過ぎたあとや、雪が積もったあとに外壁を見て、
「ん? なんかヒビが入ってる気がする…」
「屋根、ちょっとめくれてない?」
とドキッとしたことはありませんか?
外壁や屋根は毎日頑張って家を守ってくれていますが、
強い風や雪、飛んできた物などで思わぬダメージを受けることがあります。
そんなときによく聞かれるのが、
「これって火災保険で直せるの?」 という疑問。
実は、火災保険は“火事のときだけ”ではなく、
自然災害による外壁・屋根の破損にも使える場合があります。
ただし、
「どんな破損が対象なの?」
「経年劣化との違いは?」
「申請って難しそう…」
など、分かりにくい点も多いですよね。
そこでこの記事では、
外壁塗装の専門店であるペイントホームズが、
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火災保険が使えるケース
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使えないケース
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見極め方のポイント
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申請の流れ
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注意してほしいこと
を、できるだけやさしく分かりやすく解説します。
まずは、今の破損が“保険の対象になるかどうか”から、一緒に見ていきましょう。
火災保険が適用される自然災害の種類と外壁・屋根によくある被害
外壁・屋根の破損といっても、原因はさまざまです。
ここでは、ペイントホームズでの現地調査で実際によく見かける“被害の種類”もまじえながら、火災保険の対象になる代表的な自然災害をご紹介します。
① 風災(台風・突風・飛来物)
台風のあとは、見える以上のダメージが隠れていることがあります。
ペイントホームズの点検でも、「強風で外壁が割れていた」「雨樋が外れていた」 といったケースは少なくありません。
よくある被害例
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屋根材の飛散・めくれ
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強風によるサイディングの割れ
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飛来物による外壁のへこみ
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雨樋(あまどい)の破損
② 雹災(ひょう)
雹のキズは小さく見えても、外壁や付帯部にしっかり跡が残ります。
ペイントホームズの調査でも、年間を通して**「気づかないまま放置していた雹のへこみ」**が見つかることがあります。
被害例
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外壁の小さな穴
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雨樋のへこみ
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カーポート屋根の割れ
※ 小さなへこみは特に見逃しやすく、専門業者の点検が有効です
③ 雪災(積雪・落雪)
雪国の地域では、落雪による破損が多く見られます。
落ちてくる雪の重みで外壁が割れていたというケースは珍しくありません。
被害例
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屋根の変形・破損
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落雪による外壁の割れ
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雨樋・付帯部のゆがみ
④ 水災(豪雨・洪水・土砂崩れ)
豪雨の際は、雨樋が外れたり、土砂が建物にぶつかったりするケースがあります。
ペイントホームズの現場でも、大雨のあとに樋が傾いていたという相談が寄せられることがあります。
※「水災補償」に加入している場合に対象になります。
被害例
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大雨で雨樋が外れる
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浸水による外壁の腐食
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土砂が外壁に衝突した破損
⑤ 落雷
落雷は直接的な破損だけでなく、衝撃によるヒビや割れも見られます。
被害例
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落雷による屋根材の破損
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外壁への衝撃
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落雷が原因で起きた火災
⑥ 人為的な破損(加入内容による)
自然災害ではありませんが、保険の内容によって補償される場合があります。
被害例
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車が建物にぶつかった
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いたずらによる外壁のキズ
※ 補償内容は保険商品により異なるため、契約内容の確認が必要です。
火災保険が「使えるケース・使えないケース」早見表
| 状況 | 保険は使える? | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 台風後に外壁が割れた | ◎ | 災害による突発的な破損のため対象 |
| 強風で屋根材がめくれた | ◎ | 風災として認められやすい |
| 飛来物が外壁に当たりへこんだ | ◎ | 災害による物損として対象 |
| 雹(ひょう)で雨樋にへこみができた | ◎ | 雹災として認められるケースが多い |
| 落雪で外壁にヒビが入った | ◎ | 雪災として対象になる可能性が高い |
| 車が外壁にぶつかった(人為的) | △ | 加入内容による。特約があれば対象 |
| 経年劣化のヒビ | ✖ | 時間経過による劣化は対象外 |
| コーキングの肉痩せ・割れ | ✖ | 経年劣化として扱われる |
| 色あせ・チョーキング | ✖ | 自然な風化であり補償対象外 |
| カビ・サビ・腐食 | ✖ | 長期的な劣化のため対象外 |
| リフォーム目的の外壁塗装 | ✖ | 災害損害ではないため対象外 |
3. 火災保険が適用されるための“3つの必須条件”
火災保険が補償しているのは、
“突然起きた自然災害”によって発生した損害 です。
① 災害による突発的な破損であること(経年劣化は対象外)
火災保険が補償しているのは、
“突然起きた自然災害”によって発生した損害 です。
◆ 適用される例(実際の現場でも多いパターン)
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台風後にサイディングが割れていた
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強風で屋根材が浮いてしまった
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飛来物が外壁にぶつかりへこんでいた
◆ 適用されない例(ペイントホームズの点検で誤解が多い部分)
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築年数による細かいヒビ
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コーキングの劣化
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色あせ・チョーキング
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カビ・サビ・腐食
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リフォーム目的の外壁塗装
「これは災害なの?」「劣化なの?」と迷う部分は、
現地調査で確認すると判断しやすくなります。
✔ ② 災害発生日との因果関係を説明できること
保険会社が判断するうえで大切なのが、
“いつの災害で壊れたのか” を説明できるかどうかです。
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「●月の台風のあとに気づいた」
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「近くで突風があった時期と一致している」
といった情報があると申請がスムーズになります。
✔ ③ 申請期限は“災害から3年以内”
火災保険の申請には期限があります。
災害発生日から3年以内 であれば申請可能です。
「もう遅いかな?」と思っても間に合う場合がありますので、
気づいた時点で早めに確認するのがおすすめです。
外壁・屋根に関する火災保険の申請手順
難しく見えますが、流れはシンプルです。
① 被害箇所を確認し写真を撮る
まずは 修理前に必ず写真を撮ることが重要 です。
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破損のアップ
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全体写真
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破損位置が分かる角度
を撮っておくと、申請が通りやすくなります。
※ 「どんな写真が必要?」というご相談は多く、撮り方のアドバイスも可能です。
② 外壁・屋根の専門業者に現地調査を依頼
破損が小さく見えても、
実際に触診すると構造部まで影響があることもあります。
③ 見積書を作成してもらう
保険会社へ提出する大切な書類です。
内容は正確である必要があります。
※ 破損の原因・工事内容などが分かりやすい見積りが好まれます。
④ 保険会社へ申請(必要書類を提出)
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必要書類は以下の通りです。
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火災保険請求書
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事故状況報告書
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見積書
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被害写真
※ 書き方が分からない場合は、一般的な形をご案内できます。
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⑤ 損害鑑定人による調査
保険会社が派遣する鑑定人が破損箇所を確認します。
特に難しいことはありませんのでご安心ください。
⑥ 保険金の支払い
早ければ1〜2週間程度で振り込まれます。
災害が多い時期は少し時間がかかることもあります。
悪徳業者に注意!こんな業者は要警戒
火災保険を使った修理は、近年トラブルも増えています。
ペイントホームズにも、
「こういうことを言われたのですが本当ですか?」
という相談が寄せられることがあります。
▼要注意のセリフ例
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「火災保険で外壁塗装が無料になります」
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「保険金の一部をください」
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「経年劣化も災害として申請できますよ」
これらはすべて危険です。
不正申請につながる可能性があり、後々大きなトラブルになることも。
✔ 正しい依頼の流れ
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まずは保険会社へ相談
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信頼できる専門業者に調査依頼
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双方の意見をもとに判断
ペイントホームズでは、
「申請するべきか?しないべきか?」という段階の相談でも、
状況を見ながらお伝えしています。 -
まとめ:まずは“災害かどうか”を見極めることが大切
火災保険は、
台風・大雪・雹(ひょう)・落雷・飛来物など
自然災害による外壁・屋根の破損に使える可能性があります。
ただし、
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災害が原因かどうか
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因果関係があるか
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3年以内の申請か
が重要な判断ポイント。
外壁や屋根の傷みを見つけたら、
「これって申請できるのかな?」の段階でもかまいません。
お気軽にご相談ください。












