コーキングはなぜ必要?補修方法やかかる費用などを詳しく解説!
サイディングパネルやALC板のつなぎ目に使用されるコーキング。
コーキングとは、建物の外壁にできた隙間やつなぎ目を目地材(隙間を埋めるための充填材)で埋めて補修することをいいます。
外壁材と外壁材の隙間を埋めるゴム状のパッキンでシーリングとも呼ばれています。地震などによる揺れの負担を緩和するなどクッションのような役割を持っています。他に窓まわり(サッシ)の周囲にもコーキングが施されています。
経年劣化によりコーキングもひび割れや剥離などの症状が出てきます。補修時期のサインです。ここで気になるのはやはり費用に関することですよね。
「コーキングの費用って一体どのくらいかかるの?」
今回は、気になるコーキングの費用相場や、補修方法である「打ち替え」と「増し打ち」の違いなど注意するポイントをご紹介します!ぜひ参考にしてください。
コーキングの役割
コーキングの主な役割は
①水の浸入を防ぐ
②揺れに対する負荷を緩和する
という役割があります。
サイディングボードやALC外壁の隙間を埋めるものとして使われますが、パネルとパネルの間には隙間ができます。その隙間にコーキング材をつめて、外壁から水や汚れが侵入しないようにする役割があります。
また地震などの揺れ・家自体の歪み・サイディングの収縮によって家は微かに動いています。その動きに追随し揺れを緩和させる役割があります。他にも、壁の補修材としても使われています。
コーキング工事費用相場
コーキングの打ち替え・増し打ち工事にかかるおおよその費用相場は以下の通りです。
コーキング工事は、m(メートル)単価で計算されることが多いため、合計数が長いほど費用も増します。
コーキング工事「打ち替え」と「増し打ち」にわかれます。
◆打ち替え・・・既存のコーキングを全て撤去し新しいコーキングを打つ方法
◆増し打ち・・・既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ方法(増し打ちは主にサッシ廻り・玄関扉廻りなどに行います)
この2つの方法を金額面で比較すると、目地撤去の手間がある分打ち替えのほうが高くなります。
《打ち替え費用》 700~1.100円/m (2階建て/30坪/180mの場合)126.000円~198.000円
《増し打ち費用》 400~ 700円/m (2階建て/30坪/180mの場合) 72.000円~126.000円
※上記金額は外壁塗装と同時施工の場合となります。目安としてご参考にして下さい。
主に使われているコーキング材
●変成シリコン系 (塗装後コーキングする場合)
●変成シリコン系ノンブリードタイプ (コーキング後塗装する場合)
●ポリウレタン系ノンブリードタイプ (コーキング後塗装する場合)
※ブリード(bleed)とは、可塑剤などの配合成分がコーキング材の表面ににじみ出ることをいいます。 ブリード物は、上に塗装した場合に塗膜を溶かしたり、べたつきで汚れを生じさせます。
ノンブリード(NB)はブリード物を析出させないタイプで、コーキング後に塗装をする場合に適しています。
コーキングの上に塗装をする工程の場合は、ノンブリードタイプのコーキング剤を選ばないといけません。
コーキング補修のタイミング
外壁コーキングのメンテナンスはおおよそ5~10年を目安とされていますが、実際にはお住まいの立地や気候などに左右されます。
定期的にコーキングの状態を確認し劣化していないかチェックすることが大切です。
小さなひび割れでもそのまま放置してしまうと雨水が浸み込む原因になるので注意が必要です。
①ひび割れ・破断
紫外線や雨などの影響で劣化し、柔軟性も失われてしまいます。柔軟性が減ってくるとコーキングにひび割れを起こし、さらに放置すると破断につながります。
②肉やせ
コーキングの劣化やコーキング材の量が少ない時に肉やせが起こることがあります。肉やセとは外壁の高さよりもコーキング部分が低く、段差が目立ってくることです。
築5年くらい経つと肉やせが起こりやすいのでコーキング部分の高さも確認していきましょう。
③欠落・剥離
コーキング部分のひび割れが分断すると欠落や剥離が起こります。また、コーキングが隅々まで塗布されていない場合や、プライマーの塗りムラがある場合などにも剥離することがあります。
コーキングの欠落や剥離は水が浸入しやすい状態になっています。早い段階で補修を検討しましょう。
【参考】コーキング打ち替えが必要な劣化状態と費用相場を徹底検証!
コーキング補修を行なう上でのポイント
【外壁屋根塗装と時期を同じにする】
コーキングの補修を行う場合、屋根・外壁塗装と同じタイミングで行う方が良いのか?
コーキング補修工事のみと、屋根・外壁塗装工事とセットで行うのとでは、費用面ではどちらがお得なのか?
足場の費用は30坪の家でおおよそ、約15~20万円位ですが、別々で工事を行うとその都度足場代がかかります。
屋根、外壁塗装と同時に行うと、足場代を1回に抑えることができます。
ですが、やはり屋根・外壁塗装と同時施工になると高額になりますので、ご予算に合わせた工事を行うようにしましょう。
【参考】外壁と屋根の塗装リフォームは同時にした方がいいのか?
【施工箇所で増し打ち・打ち替えを使い分ける】
外壁のコーキング補修をするときは、基本的には「打ち替え」がおすすめです。古いコーキング材を全て撤去して新しいコーキング剤を充填するため、耐久性、防水性が良くなります。
一方、増し打ちは、劣化した既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ方法です。
劣化したコーキングの上から充填するので、内側の古いコーキングはまたひび割れたり隙間ができたりする恐れがあります。新しい充填したコーキングが馴染まず剥がれてしまうこともあります。
ですが、増し打ちが適している箇所があります。
窓やドアなどのサッシ周りのコーキングです。
サッシ周りは奥に防水紙があり誤って切ってしまう恐れがあるので、コーキング全てを撤去することが難しい場合があります。他に入隅という部分も同じような理由から増し打ちが適しています。
「打ち替え」と「増し打ち」は、どちらの工法が絶対に良い・悪いというものではなく、コーキングの場所や状態によって使い分けを行います。専門の業者の方に現状をみてもらい適した方法で施工をしてもらうことをおすすめします。
さらに詳しく知りたい方は窓まわり(サッシ)のコーキング打替え、増し打ちどっちがいい?で解説していますので、こちらの記事を参考にしてください
☆Vカット工法
既存のコーキングを撤去出来ない場所は、「Vカット工法」というやり方を用いることもあります。古いコーキングの表面をV字に削って増し打ちする方法です。
完全に撤去はできなくても、こうすることで新しいコーキングの厚みを確保することができます。
【見積書内容は明確に記載してもらう】
見積もりを取るとき、コーキングの打ち替えと増し打ちの項目には「長さ(メートル)×単価」を必ず別々に記載してもらいましょう。
依頼する業者の「施工内容」・「費用」が他社の見積もりと比較でき、適正かどうかチェックすることができます。
まとめ
今回はコーキングの役割、費用、補修のタイミングについてお話しました。
コーキングの寿命はおおよそ5~10年位といわれていますが、立地や気候などによりそれよりも早く劣化の症状がみられる場合は早めの対応をおすすめします。
コーキングの主な役割は
①水の浸入を防ぐ
②揺れに対する負荷を緩和する
など建物にとって非常に重要な役割を担っています。
コーキングの施工方法は打ち替えと増し打ちとあります。劣化した場所や状態によって施工方法が異なるため、専門の業者にみてもらい適切な方法で補修されることをおすすめします。
気になる費用面ですが、長さと施工方法で変わってきます。目地撤去の手間がある分、打ち替えのほうが高くなります。
建物にとって重要な役割のコーキング。
信頼できる業者に依頼し、定期的にメンテナンス・適切な補修を行なうようにしましょう。