外壁塗装の見積もりを取ってみると、
「この塗料なら10年」「こっちは20年」と言われて、
「結局どれを選べば正解なの?」と悩んでしまったことはありませんか?
塗料にはシリコン・ラジカル・フッ素・無機などさまざまな種類があり、
業者によっておすすめも違うため、「結局どれが本当にいいの?」と迷う方はとても多いです。
しかも塗料選びを間違えると、
「思ったより早く色あせた」「高い塗料にしたのに長持ちしない」
といった後悔につながることもあります。
でも安心してください。
この記事では、現在主流の4種類の塗料を専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく比較します。
「10年ごとに塗り替えるのがいいのか」「20年もたせたいのか」──
あなたの家に合った最適な塗料の選び方が、この記事を読めばすぐにわかります。
外壁塗装の役割とは?
外壁塗装は、見た目を整えるだけでなく建物を守る最前線の保護膜です。
紫外線・雨・風・汚れから外壁を守り、劣化や雨漏りを防ぐ重要な工事です。
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防水性の確保:雨や湿気の侵入を防ぐ
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紫外線からの保護:塗膜が外壁の劣化を防止
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美観の維持:新築のような外観を長持ちさせる
塗料の種類と特徴(耐久年数・価格比較表)
| 塗料の種類 | 耐久年数の目安 | 費用目安(㎡あたり) | 主な特徴 | 向いている住宅 |
|---|---|---|---|---|
| シリコン塗料 | 約10〜12年 | 約2,500〜3,500円 | コスパが良く定番人気 | 費用と耐久のバランスを重視する方 |
| ラジカル塗料 | 約12〜15年 | 約3,000〜4,000円 | チョーキングを防ぐ最新型 | 長く美観を保ちたい方 |
| フッ素塗料 | 約15〜20年 | 約3,500〜5,000円 | 紫外線・雨・汚れなど全環境に強い万能タイプ | どんな環境でも長持ちさせたい方 |
| 無機塗料 | 約20年以上 | 約4,500〜6,000円 | 最高クラスの耐候性と防汚性 | 長期的にメンテナンスを減らしたい方 |
💡 ポイント:
現在の主流は「ラジカル塗料」。性能と価格のバランスが良く、シリコンからの乗り換えが増えています。
各塗料の特徴をくわしく解説
シリコン塗料
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耐久年数:約10〜12年
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特徴:価格と性能のバランスが良く、幅広く採用されている。
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メリット:コスパが高く、汚れにも強い。
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デメリット:紫外線の強い地域では劣化がやや早い。
✅ おすすめ:費用を抑えつつ、10年以上もたせたい方。
ラジカル塗料
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耐久年数:約12〜15年
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特徴: 「ラジカル制御技術」でチョーキング(粉化)や色あせを防ぐ、近年人気の新世代塗料。
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メリット: 紫外線に強く、塗膜が劣化しにくい。シリコンより長持ちで、価格も手頃。
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デメリット: 登場から比較的新しく、超長期の実績は少なめ。
✅ おすすめ:「初めての外壁塗装で失敗したくない」方
「なるべく長くもたせたいけど、費用も抑えたい」方
フッ素塗料
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耐久年数:約15〜20年
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特徴:紫外線・酸性雨・排気ガスなど、あらゆる環境に強い高性能塗料。
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メリット:光沢が長持ちし、再塗装の回数を減らせる。
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デメリット:初期費用がやや高い。
✅ おすすめ:「とにかく長持ちさせたい」「塗装回数を減らしたい」方。
沿岸部や強い日差しの地域など、どんな環境にも対応できる万能タイプです。
無機塗料
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耐久年数:約20年以上
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特徴:ガラスや鉱石などの“無機成分”を含み、紫外線に非常に強い。
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メリット:最も長持ちし、カビ・藻・汚れがつきにくい。
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デメリット:価格が高く、施工には技術が必要。
✅ おすすめ:一度の塗装で長く美観を保ちたい方。
塗料選びのポイント
外壁塗装の仕上がりや持ちを左右するのは、どんな塗料を選ぶかです。
費用・耐久性・環境条件・外壁材との相性を総合的に考えることで、失敗しない塗装ができます。
① 耐久年数とコストのバランスを比較する
塗料は「どれくらい長持ちするか」と「1㎡あたりの単価」で大きく変わります。
💡 目安
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「10年おきに塗り替える」なら シリコン・ラジカル
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「20年近くもたせたい」なら フッ素・無機
👉 短期で安く塗るか、長期でメンテナンス費を減らすかを考えましょう。
② 立地や環境を考慮する
同じ塗料でも、地域や気候によって劣化のスピードが変わります。
| 環境・条件 | 向いている塗料 | 補足・理由 |
|---|---|---|
| 海沿い・潮風が強い | フッ素・無機 | 塩害による腐食や湿気による劣化に強い。白化(チョーキング)しにくい。ラジカル制御型も耐候性はあるが、塩害にはフッ素・無機の方が安心。 |
| 日当たりが強い・南向き | フッ素・無機 | 紫外線による色あせや劣化に強い。ラジカル制御型でも紫外線にはある程度強いが、最も耐候性が高いのはフッ素・無機。 |
| 山間部・寒冷地 | ラジカル・フッ素 | 温度差・凍結によるひび割れに強い。無機も耐候性は高いが、下地の柔軟性が求められる場合はラジカル系が向く場合もある。 |
| 都市部・交通量が多い | フッ素・無機 | 排気ガスやスス汚れに強い。ラジカル系でも耐汚染性はあるが、フッ素・無機の方が長持ち。 |
| 樹木や湿気の多い地域 | 無機 | カビ・コケ・藻が発生しにくい。フッ素やラジカル系でも防藻・防カビ剤入り塗料を選ぶとより安心。 |
💡 補足ポイント
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ラジカル制御型は耐候性が高くコスパも良いですが、塩害や湿気が強い場所ではフッ素・無機ほどの耐久性はない場合があります。
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無機塗料は防カビ・防藻性能に優れますが、塗膜が硬いため下地の柔軟性が必要な場合は注意。
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「向いている塗料」はあくまで一般的な目安で、実際には下地や施工環境、予算も考慮する必要があります
③ 外壁材との相性を確認する
塗料は「どんな外壁材か」によっても相性が異なります。
素材の吸水性・伸縮性に合わせた塗料を選びましょう。
| 外壁材の種類 | 向いている塗料 | 補足・理由 |
|---|---|---|
| 窯業系サイディング | ラジカル・フッ素 | 紫外線や汚れに強く、美観を維持しやすい。水はけの良い下地ならシリコン系も選択可。 |
| モルタル壁 | シリコン・ラジカル | 通気性があり、ひび割れの追従性が高い塗料が向く。無機系も耐候性が高いが、モルタルの柔軟性に合わせて施工注意。 |
| ALC(軽量気泡コンクリート) | フッ素・無機 | 吸水性が高いため、防水性・耐候性の高い塗料が適する。下塗りで浸透性シーラーを使うとより効果的。 |
| 金属サイディング | フッ素・無機 | 錆止めと光沢保持に強い。ラジカル系もある程度可能だが、金属の腐食にはフッ素・無機が安心。 |
| 木部(破風板・軒天など) | シリコン系ウレタン / キシラデコール(浸透型塗料) | 木の伸縮や湿気変化に対応。浸透型は内部から防腐・防カビ保護。油性塗料も使用可だが、屋外の耐久性は確認要。 |
💡 補足ポイント
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「向いている塗料」はあくまで一般的な目安で、下地の状態や既存塗膜の種類によって変わります。
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木部は特に伸縮や湿気の影響を受けやすいため、浸透型塗料+上塗りで耐久性を高めることが多いです。
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モルタルやALCは吸水性が高いため、下塗り材との組み合わせで耐久性が変わります。
塗装の寿命を左右するのは「塗料」よりも「施工品質」
どんなに高級な塗料でも、下地処理や職人の技術が悪ければ耐久性は半減します。
塗料本来の性能を発揮させるためには、次の3つが大切です。
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下地処理:ひび割れ補修・高圧洗浄を丁寧に行う
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乾燥時間の管理:塗り重ねのインターバルを守る
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3回塗りの正確施工:下塗り・中塗り・上塗りを省かない
💡 ポイント:施工前に「どんな工程で塗るのか」を書面で確認しておくと安心です。
まとめ|長く持たせるなら“コスパ+耐久”で選ぶ
外壁塗装は「安く塗る」よりも「長くもたせる」ことが最終的にお得です。
再塗装の回数を減らせば、トータル費用で数十万円単位の差が出ることもあります。
✅ コスパ重視なら → ラジカル塗料
✅ 万能性能を求めるなら → フッ素塗料
✅ 最長の耐久性を求めるなら → 無機塗料
どの塗料も「適した環境」と「確かな施工」でこそ本来の性能を発揮します。
まずは信頼できる業者に、外壁の状態と塗料プランを比較してもらいましょう。












