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塗装記事

瓦屋根は塗装が必要?しなくていい瓦の見分け方と注意点を解説

目次

 

「うちの瓦屋根、塗装したほうがいいのかな?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?

結論から言うと、粘土瓦(陶器瓦・いぶし瓦)は塗装不要ですが、セメント瓦やモニエル瓦は定期的な塗装が必要です

瓦屋根は見た目が似ていても、素材によってメンテナンス方法がまったく異なります。間違った対処をしてしまうと、かえって屋根の寿命を縮めてしまうことも。

この記事では、瓦屋根の種類ごとの特徴や塗装の必要性、見分け方のポイントを初心者にもわかりやすく解説します。
塗装が必要かどうか迷っている方は、まずご自宅の瓦の種類を正しく知ることから始めましょう。

 

屋根に使われる瓦の種類

屋根に使われる瓦の種類

建築業界やリフォーム業界では、「瓦」というと主に粘土瓦を指すことが多いです。しかし、粘土瓦以外にも「〇〇瓦」と呼ばれる種類があります。たとえば、セメント瓦コンクリート瓦スレート瓦、そしてモニエル瓦などです。これらは素材が異なるため、粘土瓦と混同しないよう注意が必要です。

今回は、一般住宅の屋根によく使われている形状が似ている瓦の中から、代表的な3種類を比較します。
それが「粘土瓦」「セメント瓦」「モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)」です。

この中で、塗装が不要とされているのは粘土瓦のみです。粘土瓦は専用の塗料を使って塗装も可能ですが、塗料が密着しにくいため、すぐに剥がれてしまうリスクが非常に高いのです。

一方で、セメント瓦とモニエル瓦は塗装が必要となります。
そのため、同じ「瓦」でも素材によってメンテナンス方法が大きく異なることを理解しておきましょう。

 

 粘土瓦

 

粘土瓦(陶器瓦・いぶし瓦)|塗装は基本的に不要

粘土瓦は、主に「陶器瓦」と「いぶし瓦」の2種類に分類されます。どちらも粘土を高温で焼き固めて作られており、非常に耐久性が高いのが特徴です。

陶器瓦の特徴

陶器瓦は、釉薬(うわぐすり)をかけて焼成することで表面に光沢のある仕上がりになります。釉薬によって表面がガラス質になっているため、雨水を弾きやすく、色あせや劣化に強いという利点があります。一般的には青や黒、オレンジなどのツヤのある色合いが特徴です。

いぶし瓦の特徴

一方、いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成の最終段階で燻(いぶ)すことで独特の銀色の光沢を出す伝統的な瓦です。日本家屋や社寺仏閣などに多く使われており、風格のある外観が魅力です。こちらも粘土瓦なので塗装の必要は基本的にありません。

塗装が不要な理由

粘土瓦は表面に塗装をしていなくても、すでに水や紫外線に強い構造になっているため、塗り替えによる保護の必要がありません。仮に塗装をしても、釉薬やいぶし処理が施された表面には塗料が密着しにくく、短期間で剥がれてしまう可能性が高いのです。

メンテナンス方法

粘土瓦自体は非常に長寿命(50年以上)とされており、基本的には塗装などのメンテナンスは不要です。ただし、瓦のズレ・割れ・漆喰の劣化などは定期的に点検する必要があります。特に地震や台風の後は、屋根全体の点検をおすすめします。

 

セメント瓦

セメント瓦|塗装が劣化防止に不可欠

セメント瓦は、セメントと砂を混ぜて型に流し込み、成形してから塗装された屋根材です。表面に塗膜を形成することで、防水性や美観を保っています。

セメント瓦の特徴

粘土瓦とは異なり、セメント瓦には釉薬などの保護層がないため、塗装によって防水性や耐久性を確保しています。初期段階では工場で塗装されていますが、年月が経つとその塗膜が紫外線や雨風で劣化していきます。

塗装が必要な理由

塗膜が劣化すると、セメントが雨水を吸収しやすくなり、ひび割れや強度低下の原因になります。そのため、定期的な塗装(10〜15年に一度)が必要不可欠です。放置すると屋根全体の寿命が縮まり、葺き替えが必要になることも。

見分け方と注意点

セメント瓦は、粘土瓦に比べて表面がマットで、色あせや苔・カビが発生しやすいのが特徴です。指でこすると白い粉(チョーキング)が付く場合は、塗膜が劣化しているサインです。見た目が陶器瓦に似ているため、混同に注意が必要です。

メンテナンスの注意点

塗装のタイミングを逃すと、下地のセメント部分が水分を含みやすくなり、凍害やひび割れの原因になります。劣化が進むと塗装だけでは対処できなくなるため、早めの判断が重要です。

 

モニエル瓦

モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)|専用処理が必要な要注意素材

モニエル瓦は、セメント瓦の一種ですが、製造方法に独自の特徴があります。正式には「乾式コンクリート瓦」と呼ばれ、かつては日本でも広く普及していました。

モニエル瓦の特徴

表面に「スラリー層」と呼ばれる厚めの着色層(セメント系の着色剤)が施されており、このスラリー層が独特の風合いを生んでいます。しかし、スラリー層は一般的な塗料との相性が悪く、誤った塗装をすると早期剥離のリスクが高まります

塗装が必要な理由

モニエル瓦も塗装で防水性を保っており、10〜15年ごとの塗り替えが必要です。ただし、塗装前にスラリー層をしっかり除去または適切な下塗り材(スラリー強化プライマーなど)を使わなければ、密着不良を起こしてすぐに剥がれてしまいます。

見分け方と注意点

見た目はセメント瓦に似ていますが、裏面に「MONIER」「M」「MF」などの刻印があることが多く、それがモニエル瓦の判断材料になります。また、表面にざらつきがあるのも特徴です。セメント瓦は断面が比較的滑らかであるのに対し、モニエル瓦の断面には凹凸が目立ちます。見た目だけで判断するのは難しいため、専門業者に確認してもらうのが確実です。

メンテナンスの注意点

モニエル瓦を塗装する際は、スラリー層をどう処理するかが最大のポイントです。知識のない業者が通常の塗料で施工すると、数年以内に剥がれるトラブルが発生することも。モニエル瓦に詳しい業者を選ぶことが非常に重要です。

 

瓦屋根の見分け方|塗装が必要かを判断するポイント

自宅の瓦屋根が「塗装が必要なタイプ」かどうかは、以下のポイントをチェックすることである程度判断できます。

1. 見た目の質感で判断する

  • ツヤがあり、ガラスのような光沢がある → 陶器瓦の可能性が高く、塗装は不要です。

  • ややザラつきがあり、マットな質感 → セメント瓦やモニエル瓦の可能性があります。塗装が必要なタイプです。

2. 色あせ・苔の有無を確認する

  • 表面が色あせていたり、苔やカビが付着している場合は、塗膜の劣化が進んでいる可能性があります。

  • 特にセメント系の瓦は、塗膜の劣化が雨漏りや割れの原因になるため、早めの塗り替えが必要です。

3. 裏面の刻印を確認する

瓦の裏に以下のような刻印があれば、それが判断材料になります。

  • 「MONIER」「M」「MF」などの刻印 → モニエル瓦(塗装が必要)

  • メーカー名や記号があるが陶器風の質感 → セメント瓦の可能性あり

4. 建築年数・過去のメンテナンス履歴をチェック

築20〜30年の家で、一度も屋根塗装をしていない場合は、塗装が必要なセメント系瓦である可能性が高いです。リフォーム履歴がわかれば、それも参考になります。

 

まとめ

瓦屋根は種類によって塗装の必要性がまったく違う

瓦屋根とひとくちに言っても、「粘土瓦(陶器瓦・いぶし瓦)」のように塗装が不要なものと、「セメント瓦・モニエル瓦」のように塗装が必要なものが存在します。

瓦の種類と塗装の必要性まとめ

瓦の種類 塗装の必要性 主な特徴
粘土瓦(陶器瓦・いぶし瓦) ✕ 不要 表面が釉薬や燻し処理されており、塗料が密着しにくい
セメント瓦 ◎ 必要 表面の塗膜が劣化すると水を吸いやすくなる
モニエル瓦 ◎ 必要(要注意) 特殊なスラリー層があり、施工には専門知識が必要

誤った判断や対処は、かえって屋根の寿命を縮めてしまうリスクもあります。
特にモニエル瓦は、専門的な施工知識が必要なため、瓦の種類に詳しい塗装業者に相談することが重要です。


最後に|迷ったときは専門業者に相談を

「うちの瓦はどれなんだろう?」「塗装したほうがいいのかな?」と迷った場合は、無理に自己判断せず、専門業者に診断してもらいましょう。無料点検や見積もりを行っている塗装店も多くあります。

正しく瓦の種類を見極めて、最適なメンテナンスを行うことが、家を長持ちさせる第一歩です。

監修者の顔写真
著者:遠山 百合子(カラーコーディネーター) 外壁塗装会社で10年以上、事務とカラーシミュレーションを担当しています。 カラーコーディネーターの資格を活かし、「この色にしてよかった」と笑顔になっていただけるご提案を心がけています。 専門的な言葉が多くてわかりにくい…そんな不安にも寄り添いながら、お客様の目線でわかりやすく、役立つ情報をお届けしています。