外壁塗装業界の現実と、私たちが正直に伝えたいこと
更新日2025年12月16日
「だからこそ外壁塗装は、“終わってから後悔する人が多い工事”になっています。」
外壁塗装は、家の美しさと耐久性を守るために行う重要な工事です。
しかし一方で、費用が高額で、一生のうちに何度も経験する工事ではありません。
さらに塗装工事は、工事の良し悪しが分かるのが「施工完了から5年後、10年後」になるという、非常に難しい特性を持っています。
工事中はもちろん、工事直後であっても、手抜き工事や材料の問題に一般の方が気付くことはほとんどありません。
この「見えにくさ」こそが、塗装業界がトラブルの多い業界になっている最大の理由だと、私たちは考えています。
手抜き工事が起きやすい業界構造
結果が数年後にしか出ないため、言葉や価格による判断が通用しやすいのが塗装業界の現実です。
外壁塗装は、10年に一度程度の工事であり、多くの方が生涯に1〜2回しか経験しません。
さらに工事結果が現れるのは数年後です。
この構造により、その場の説明や価格だけで契約が成立してしまい、嘘や過剰表現が通用しやすい業界になっています。
本来は、長く信頼される仕事が評価されるべきですが、残念ながら現実には、強い言葉で契約を取る業者が有利になってしまう場面が少なくありません。
見えにくい手抜きと原価操作の実態
見積書に記載されない「下地処理」や「塗り回数」こそが、手抜きとコスト操作の最大の盲点です。
塗装工事は、完成品を購入するものではありません。
そのため、工事内容によって「いくらでも原価を下げることができてしまう」という側面があります。
見積書の金額が安く見えても、工事の質は別問題です。
そして、その差は工事中にも工事直後にも分かりにくく、数年後に初めて不具合で気付くことがあります。
見えにくい手抜きの代表例
・塗り回数を減らす
・塗料を必要以上に薄めて塗る（規定希釈率を超える）
・下地処理を簡略化・省略する
・下地に合わない材料を使う（後の剥がれ・膨れの原因）
・契約内容と違う工事（コーキング、塗料変更など）
これらは見積書だけでは判断できず、工事中や工事直後にも気付くことは困難です。
結果として、数年後に不具合が出て初めて「失敗だった」と気付くケースが後を絶ちません。
保証年数・耐久年数表示の注意点
20年耐久の塗料は存在しません。保証は年数ではなく、不具合時に「足場代をかけても対応する覚悟」で選んでください。
近年、「15年保証」「20年以上もつ塗料」といった強い表現が増えています。
しかし、長年塗料や施工に携わってきた業者ほど、耐久年数を過度に断言することには慎重です。
屋外環境は、紫外線・雨・立地条件などの影響が大きく、どれほど優れた塗料であっても、施工条件によって結果は大きく変わります。
また、現在「20年耐久」といった強い表現で提案される塗料がありますが、実績として20年以上耐久性が実証された塗料は、現時点では存在しません。
メーカーがうたう耐久年数も、多くは促進耐候性試験などに基づく推定値であり、実際の発売からの期間は15年程度であることがほとんどです。
**「過度な長期保証」や「未実証の耐久性」**に惑わされず、実績と会社の継続性を重視してください。
保証や耐久年数は「年数の長さ」よりも、「中身」と「対応体制」を確認することが重要です。
残念ながら、この業界では保証の**「対応の実態」が最大の問題です。
塗装の不具合は、多くの場合、足場の再設置や高額な手間賃**、塗料代を必要とします。
そのため、費用負担を嫌い、結果として対応を渋ったり、対応を完了させない業者が少なくありません。
保証の長さだけでなく、**「不具合発生時に迅速かつ費用負担なしで再施工する体制と覚悟」**がある会社かを見極めることが、何よりも重要です。
保証や耐久年数は、「長さ」ではなく「実際に対応されるかどうか」で判断してください。
見るべきは「年数」より「中身」
・保証の対象範囲（どこまでが保証されるのか）
・免責条件（対象外になりやすい条件がないか）
・不具合時の対応フロー（連絡先・手順・期限）
・会社としての継続性・体制
塗料・自社塗料の信頼できる見分け方
魅力的な独自塗料よりも、実績のある材料を「メーカー仕様通り」に施工できるかが品質の全てです。
近年、「自社開発塗料」「独自塗料」「無機塗料」など、魅力的な言葉を使った提案が増えています。
しかし、実際には製造工場を持たず、中堅メーカーの塗料をプライベートブランドとして販売しているケースもあります。
また、耐久試験の多くは社内試験で行われており、実際の屋外環境とは条件が異なることも少なくありません。
大切なのは、誰が作った塗料かよりも、「実績のある材料を、適切な工程で施工しているかどうか」です。
“長持ち”を決めるのは塗料だけではありません
・下地の状態に合った材料選定
・適切な下地処理
・メーカー仕様に沿った塗り回数
・正しい希釈・乾燥時間の管理
・施工管理（工程が守られているか）
悪質な集客・口コミを見抜くポイント
大幅な値引きやサクラの口コミに惑わされず、冷静に複数の業者から相見積もりを取る時間が必要です。
口コミやキャンペーンは、業者選びの参考にはなりますが、それだけで判断するのは危険です。
「無料」「半額」「限定」「モニター」といった言葉で即決を迫られる場合は、一度立ち止まることをおすすめします。
外壁塗装は、冷静に比較・検討する時間を取ることが、失敗を防ぐ最大のポイントです。
必ず複数の業者から見積もりを取り、内容を比較してから判断してください。
Google口コミを見るときのポイント
・具体的な工事内容が書かれているか
・写真や時期、書き方が自然か
・評価が極端に偏っていないか
・「良いことだけ」しかない場合は一度冷静に見る
私たちがこの情報を公開する理由
私たちは、お客様が後悔しない「判断するための情報」を、まじめな業者として正直にお伝えし続けます。
私たちは、このような情報を出すことで、選ばれにくくなることがあるかもしれません。
それでも、お客様が後悔し、まじめに仕事をする業者が損をする業界のままではいけないと考えています。
ペイントホームズは、外壁塗装業界を正しい方向に進める一助となることを目指しています。
売るための情報ではなく、「判断するための情報」を、これからも正直にお伝えしていきます。
外壁塗装は、家を守る大切な工事です。
私たちは、価格や言葉の強さではなく、「説明が誠実か」「工程が守られるか」「長く責任を持てる会社か」という視点で、納得して選ばれる業界であってほしいと考えています。
業者選びでよくある質問
業者選びの最終確認として、多くの方が抱える疑問と契約前に知っておくべきポイントを解説します。
「15年保証」「20年耐久」**といった長期保証は、信用して大丈夫でしょうか？
年数だけで判断するのは危険です。保証の**「中身（対象範囲）」と「免責条件」に加え、「保証実行の覚悟」**が重要です。塗装の補修は高額な足場費用などがかかるため、対応を渋る業者が多いのが現実です。長期の保証年数よりも、会社の継続性と誠実な対応実績を重視しましょう。また、保証期間中、会社が存続しているか（経営の継続性）も確認ポイントです。
耐久年数20年以上の塗料は本当に存在しますか？
現在、大手塗料メーカーの技術でも、20年以上の耐久性が実証された塗料は現時点では存在しません。
カタログ上の耐久年数は、試験条件による数値である場合が多いため、塗料の性能だけでなく、施工方法・下地処理・管理体制が大きく影響することを理解しておくことが大切です。
Googleの口コミはどこまで信用していいですか？
口コミは参考になりますが、数や評価点だけで判断するのは危険です。
内容が具体的か、施工後の話が書かれているか、悪い評価への対応が誠実かなどを総合的に見ることが大切です。極端に良い口コミだけが並んでいる場合は慎重に判断しましょう。
訪問販売の塗装業者が来た場合、どう対応すればいいですか？
その場で契約する必要はありません。
「家族と相談します」「他社とも比較します」と伝え、一度冷静になることが大切です。外壁塗装は高額な工事ですので、必ず複数社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
