
レンガ調や石目調など、デザインの入ったサイディングを気に入っている方の中には、
「外壁塗装をすると、今の柄が消えてしまうの?」
「このデザインを残したまま塗り替える方法はない?」
「クリヤー塗装なら、うちの外壁にもできる?」
と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのようなときに選択肢の一つになるのが、クリヤー塗装です。
クリヤー塗装は、現在のサイディングの色や柄を活かしながら表面を保護できる塗装方法です。
ただし、サイディングであればどの家でもできるわけではありません。
色あせやチョーキング、ひび割れ、補修跡などが目立つ場合には、クリヤー塗装よりも色付き塗装の方が仕上がりに合うこともあります。
今回は、クリヤー塗装の特徴だけでなく、「柄を残せる家」と「クリヤー塗装が向かないことがある家」の違いまで分かりやすく解説します。
1. 外壁のクリヤー塗装とは?
クリヤー塗装とは、透明またはほぼ透明な塗料を使って外壁を仕上げる方法です。
色付きの塗料で外壁全体を覆うのではなく、現在のサイディングの色や柄を見せたまま表面を保護できることが特徴です。
たとえば、
・レンガ調
・石目調
・タイル調
・複数の色を使った意匠性のあるサイディング
など、現在のデザインを気に入っている場合に検討されることがあります。
ただし、クリヤー塗装は外壁の見た目を新しい色で隠す塗装ではありません。
この違いが、クリヤー塗装を選べるかどうかを考えるうえで大きなポイントになります。
2. クリヤー塗装と色付き塗装は何が違う?
クリヤー塗装と一般的な色付き塗装の違いを整理すると、次のようになります。
| 比較 | クリヤー塗装 | 色付き塗装 |
|---|---|---|
| 仕上がり | 現在の色柄を活かしやすい | 新しい色で外壁を覆う |
| 色の変更 | 基本的に大きく変更しない | 希望する色へ変更できる |
| 補修跡 | 見えることがある | 塗装で目立ちにくくできる場合がある |
| 向いているケース | 現在の柄を残したい場合 | 色を変えたい、傷みを目立ちにくくしたい場合 |
一番大きな違いは、現在の外壁を見せたまま仕上げるか、新しい色で覆うかです。
そのため、クリヤー塗装では塗装前の外壁の状態が、完成後の見た目にも影響しやすくなります。
クリヤー塗装は何回塗るの?
クリヤー塗装では、使用する塗料や外壁の状態、メーカーの施工仕様によって塗装工程が異なります。
サイディング用のクリヤー塗料には、中塗り・上塗りの2回塗りで仕上げる製品もあります。
一方で、下塗りを含む仕様など、製品によって工程数が異なる場合もあります。
使用する塗料のメーカー仕様や外壁の状態に合わせて、必要な工程で施工することが大切です。
見積書を見るときは、塗料名だけでなく、何回塗る仕様になっているのかも確認しておくと分かりやすいでしょう。
3. クリヤー塗装に向いている外壁は?
クリヤー塗装は、特に現在のサイディングの柄を残したい場合に検討しやすい方法です。
たとえば、次のような状態であればクリヤー塗装を検討できることがあります。
・現在のサイディングの柄を気に入っている
・表面の意匠が比較的きれいに残っている
・強い色あせやチョーキングが目立たない
・大きな補修跡が少ない
・使用予定のクリヤー塗料が外壁材や既存表面に適合している
ただし、「窯業系サイディングだからクリヤー塗装ができる」と一律に判断することはできません。
外壁材の種類だけでなく、現在の表面状態、過去に使われた塗料やコーティング、使用するクリヤー塗料の適用条件なども確認する必要があります。
4. クリヤー塗装ができない・向かないことがある外壁
「柄を残したいからクリヤー塗装にしたい」と思っていても、外壁の状態によっては別の塗装方法を検討した方がよい場合があります。
特に確認したいのは次のような状態です。
チョーキングが目立つ
外壁表面を触ったときに粉が付く状態です。劣化の程度や使用する製品によって、クリヤー塗装が適するか確認が必要です。
色あせが強い
透明な仕上げでは、もともとの色あせを色付き塗料のように隠すことができません。
ひび割れや欠損が多い
補修が必要な箇所が多いと、補修跡が仕上がりに影響することがあります。
サイディングの柄そのものが傷んでいる
既存のデザインを活かす塗装なので、柄そのものの傷みが強い場合は色付き塗装の方が仕上がりに合うことがあります。
このほか、既存の表面処理やコーティングによっては、使用するクリヤー塗料との適合確認が必要になることがあります。
クリヤー塗装は「柄を残したい」という希望だけで決めず、現在の外壁がその仕上げに向いているかを確認してから判断することが大切です。
5. なぜ劣化が進むとクリヤー塗装が難しくなるの?
クリヤー塗装が外壁の状態に影響されやすい理由は、仕上がりが透明だからです。
色付き塗装なら、新しい塗膜で外壁表面を覆うため、既存の色あせや補修跡が目立ちにくくなる場合があります。
一方、クリヤー塗装では現在の外壁を見せたまま仕上げるため、
・色あせ
・変色
・汚れ
・ひび割れの補修跡
・欠損部分の補修跡
などが完成後も見えることがあります。
つまり、
クリヤー塗装は「傷んだ外壁を隠すための塗装」ではなく、「今ある外壁のデザインを活かす塗装」です。
ここを理解しておくと、色付き塗装との違いが分かりやすくなります。
6. ひび割れや補修跡がある場合はどう見える?
外壁塗装では、塗装前に必要な補修を行います。
たとえば、ひび割れ、サイディングの欠け、ビスまわりなどを補修することがあります。
ここでクリヤー塗装の場合に確認しておきたいのが、補修した部分の見え方です。
透明な塗料では、補修した場所を色付き塗料のように全面的に覆い隠すことができません。
補修方法や色合わせによって目立ち方を抑えられる場合もありますが、完全に分からなくなるとは限りません。
そのため、クリヤー塗装を検討するときは、
「クリヤー塗装ができるか?」だけでなく、「補修した場所が完成後にどのように見えるか?」まで確認しておくことが大切です。
7. クリヤー塗装ではコーキングをどうする?
サイディング外壁では、外壁材同士の目地や窓まわりなどにコーキングが使われています。
外壁塗装の際には、このコーキングの状態も一緒に確認します。
クリヤー塗装の場合、
「コーキングを先に施工するの?塗装のあと?」
と気になる方もいるかもしれません。
ただし、施工順については一律ではありません。
使用するクリヤー塗料、シーリング材、メーカーの仕様、既存の状態などを確認して施工方法を決めます。
「クリヤー塗装だから必ず先打ち」「必ず後打ち」と名前だけで判断しないことが大切です。
8. クリヤー塗装は早めに検討した方がいい?
「クリヤー塗装は築何年までできますか?」
という疑問を持つ方もいると思います。
しかし、築年数だけでクリヤー塗装ができる・できないを決めることはできません。
同じ築年数でも、日当たり、雨風の当たり方、立地、外壁材などによって劣化の進み方は異なります。
そのため、年数よりも、
・色あせがどの程度進んでいるか
・チョーキングが起きていないか
・ひび割れや欠損が多くないか
・柄がきれいに残っているか
といった現在の状態を見ることが大切です。
今のサイディング柄をできるだけ残したい場合は、傷みが大きく進む前に一度状態を確認しておくと、クリヤー塗装という選択肢を残しやすくなります。
9. クリヤー塗装を選ばない方がよい場合は?
クリヤー塗装ができない、または向かないと言われると、
「もうきれいに塗装できないの?」
と心配になるかもしれません。
しかし、クリヤー塗装が向かないからといって、外壁塗装そのものができないという意味ではありません。
次のような場合には、色付き塗装の方が仕上がりに合うことがあります。
・外壁の色を変えたい
・色あせを目立ちにくくしたい
・補修箇所が多い
・現在の柄より新しい印象に変えたい
・クリヤー塗料の適用条件に合わない
大切なのは、クリヤー塗装にこだわることではなく、今の外壁状態と希望する仕上がりの両方に合った方法を選ぶことです。
10. 自宅がクリヤー塗装できるか確認するときのポイント
クリヤー塗装を検討するときは、次のポイントを確認してみましょう。
すべてをご自身で判断する必要はありません。
現地調査の際に、
「今の柄を残したいのですが、クリヤー塗装はできますか?」
「補修した場所は完成後に目立ちますか?」
「クリヤー塗装と色付き塗装なら、今の外壁にはどちらが合いますか?」
と聞いてみると、仕上がりもイメージしやすくなります。
まとめ|クリヤー塗装は「今の柄を残せる状態か」が大切
クリヤー塗装は、サイディングの現在の色柄を活かしながら表面を保護できる塗装方法です。
レンガ調や石目調など、今の外壁デザインを気に入っている方にとっては魅力的な選択肢です。
ただし、外壁の色あせやチョーキング、ひび割れ、補修跡などが目立つ場合には、クリヤー塗装よりも色付き塗装の方が仕上がりに合うこともあります。
「柄を残したいからクリヤー塗装」とすぐに決めるのではなく、まず現在のサイディングが柄を活かして仕上げられる状態かどうかを確認しましょう。
クリヤー塗装は、傷みを隠すための塗装ではありません。
今ある外壁のデザインを活かすための塗装です。
今のサイディング柄を気に入っている場合は、外壁の傷みが大きく進む前に一度状態を確認し、クリヤー塗装が選択肢になるか相談してみるとよいでしょう。





















