外壁塗装を考えるとき、どうしても「外壁の色は何にしよう?」「屋根はどんな色が合うかな?」と外壁と屋根の組み合わせばかりに目が行きませんか?
実はこのとき、破風(はふ)・樋(とい)・軒天(のきてん)など“付帯部分の色選び”を後回しにしてしまう方がとても多いんです。
でも、この付帯部分の色が家の外観を左右する“隠れたポイント”。
選び方ひとつで、「おしゃれでまとまりのある家」になるか、「なんだかチグハグ…」な仕上がりになるかが決まってしまいます。
「どの色にすれば正解かわからない」「後悔したくない」そんな方のために、
ここでは実際によくある失敗例・改善例、そして後悔しない色選びのポイントをわかりやすく解説します。
よくある失敗例と改善例の具体パターン
付帯部の色選びで起こりがちな“ちょっとしたズレ”が、外観全体のイメージに大きく影響することがあります。
ここでは、実際にカラーシミュレーションの現場でもよく見られる失敗パターンと、その改善例を具体的に紹介します。
🆖 失敗例①:「とりあえず白にした」破風・雨樋が浮いて見える
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外壁:ブラウン(濃色)
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破風・雨樋:白
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サッシ:ブラック
👉 全体が引き締まったモダンな印象になるはずが、白の破風と樋が強く目立ち、そこだけ浮いて見えてしまう。
「なんか線が目立つ…」と感じる原因に。
✅ 改善例
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破風・樋:ブラック に変更し、サッシや外壁とトーンを合わせる
統一感が生まれ、スッキリとした外観に!
🆖 失敗例②:軒天を濃色にしたら圧迫感が出てしまった
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外壁:淡いグレー
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軒天:チャコールグレー(濃色)
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玄関まわりが日陰になりやすい立地
👉 おしゃれな配色にしたつもりでも、軒天が暗くなりすぎて玄関まわりが重く、暗く見える。
来客から「ちょっと暗いね…」と言われたケースも。
✅ 改善例
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軒天:ホワイトに変更
明るく開放感が出て、来客時の印象も◎!
🆖 失敗例③:付帯部を全て黒にしたら重すぎた
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外壁:アイボリー
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破風/軒天/雨樋:ブラック
👉 外壁がアイボリーなどの明るい色なのに、破風・雨樋・軒天を全てブラックに統一。
結果、付帯部だけが悪目立ちしてしまい、「重たい感じ?」と違和感に。
✅ 改善例
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付帯部を濃いブラウンに統一 また軒天をホワイトで明るく!
明るい外壁とのバランスが取れ、引き締まり感はありつつも柔らかい印象に!
🆖 失敗例④:すべて同系色にしたらのっぺりした印象に…
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外壁:ベージュ
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破風・樋・軒天:すべて同系の明るいベージュ
👉 まとまりはあるが、メリハリがなく“ぼやっとした印象”に。
遠くから見ると形がはっきりせず、締まりがない印象になることも。
✅ 改善例
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破風・樋に濃いブラウンを採用して輪郭を引き締める
優しい外壁に、しっかりとしたフレーム感が加わりバランスが◎!
失敗を防ぐ3つのチェックポイント
付帯部の色選びで後悔しないためには、次の3つのポイントを意識してみましょう。
「なんとなく選ぶ」ではなく、全体のバランスを考えることが大切です。
✅ サッシ・屋根・玄関との色のつながりはあるか?
部分的に見ると良く見えても、全体で見たときに「色のつながり」があるかを必ず確認しましょう。
例えば・・・
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サッシが黒なら、破風や樋も黒やダークグレー
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玄関ドアが木目ブラウンなら、破風や樋にブラウン系を合わせる
このように、ポイントごとに「色の仲間」を作ると統一感が生まれます。
✅ 明暗差が強すぎて“線だけ浮いて”いないか?
破風や樋などは細いパーツのため、白や明るい色だと「線だけが目立つ」ことがあります。
外壁が濃色なら・・・
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破風・樋も濃いめの色で馴染ませる
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縦樋は外壁と同色で「同化」させる
といった工夫で、目立たせたくない部分は自然に馴染ませるとスッキリした印象になります。
ただし、ネイビーやブラック系の外壁に、あえて破風や樋を白にすることで「スッキリ・爽やかな印象」を演出するケースもあります。
これは特にモダンやシンプルデザインの住宅で人気の配色です。
▶ ポイントは、
「目立たせたいのか、馴染ませたいのか」目的を決めて色を選ぶこと。
無意識に明るい色を選ぶと「線だけが浮いて後悔」になりやすいので、意図して配色するのが成功のコツです。
✅ 同系色すぎて“のっぺり”していないか?
すべて同系色でまとめると、一見落ち着いて見えますが、遠目で見るとのっぺりして存在感が薄れることも。
例えば・・・
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外壁がグレーなら、破風や樋は黒で引き締める
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軒天は白で明るさをプラス
など、どこかにアクセントカラーや明るさの違いを入れることで、メリハリがつき「垢抜けた外観」に。
このように「配色にルールを持たせる」ことで、後悔しない外観に近づきます。
迷ったときは、カラーシミュレーションで全体のバランスを確認するのが安心です。
迷ったらカラーシミュレーションで「全体のバランス」を確認
色選びに迷ったら、カラーシミュレーションを活用するのがおすすめです。
実際に塗装する前に、外壁・屋根・破風・樋・軒天など、家全体の色の組み合わせを視覚的に確認できます。
特に付帯部は、「現物の小さな色サンプルだけではイメージしにくい」部分なので、シミュレーションで全体のバランスを見ることで「意外に濃い方が合う」「白でも重たくならない」などの発見があります。
✅ シミュレーションを活かすポイント
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自宅の写真を使ってもらう(業者によって対応可)
→ よりリアルな仕上がりが想像できます。 -
屋根・サッシ・玄関ドアも含めた全体配色を見る
→ 一部だけでなく、全体の調和やアクセントのバランスがわかります。 -
外構や植栽の色も意識する
→ 周囲の景観との調和まで意識すると、実際の見え方に差が出ます。
業者によってシミュレーションの質やリアルさは異なるので、できるだけ「実物に近いシミュレーション」ができるか確認して依頼すると安心です。
「この組み合わせで本当に大丈夫?」と少しでも不安があれば、必ずシミュレーションで確認しましょう。
塗ってから「やっぱり違った…」と後悔するのは、塗装後では取り返しがつきません。
まとめ|付帯部の色選びで外観の印象は大きく変わる
外壁塗装は「外壁や屋根の色」だけでなく、破風・樋・軒天などの付帯部の色選びが外観の仕上がりを大きく左右します。
付帯部の色次第で、家全体が「おしゃれで洗練された印象」になるか、「なんだかちぐはぐ…」になってしまうかが決まるのです。
後悔しないためには、
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サッシ・屋根・玄関とのつながりを意識する
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明暗差のバランスで「線だけ浮く」失敗を防ぐ
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のっぺりしないよう適度なメリハリをつける
といったポイントを押さえることが大切です。
さらに、カラーシミュレーションを活用すれば、頭の中のイメージと実際の仕上がりとの差を確認できるため安心です。
業者と相談しながら、シミュレーションで納得できるまで配色を検討しましょう。
付帯部の色までしっかりこだわることで、「塗って良かった!」と思える満足度の高い外壁塗装が実現します。