長期優良住宅とは
建築基準法に基づき、住宅を新築する際に高い耐震性や省エネ性、室内環境などを備え長期間にわたって快適に住むことが出来る住宅のことです。
長期優良住宅の国が定める基準
①耐震性能の確保
②省エネ性能の確保
③室内環境の確保
④施工技術の確保
⑤住宅の保全
この基準をクリアすると、長期優良住宅の認定を受けることができ税制面などの優遇措置を受けられるメリットがあります。
家を定期的にメンテナンスし、長く大切に使い続けることは、国の法律でも定められており推奨されています。
長期優良住宅の認定制度は「優良な住宅をつくり、メンテナンスをしながら長く大切に使うこと」を目的としてスタートした制度です。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅のメリットは
・減税が受けられる
・補助金制度などが利用できる
・長く安全・快適な暮らしができる
このように長期優良住宅の新築や購入することで、いろいろな優遇処置があります。
①金利や税金が優遇される
長期優良住宅の認定を受けると住宅ローンの金利が優遇されます。
また、税金が安くなるメリットもあります。たとえば住宅ローン減税の控除限度額は、一般の住宅の最大4000万円に対し、長期優良住宅は最大5000万円。土地や建物の取得に掛かる不動産取得税は一般の住宅が最大1200万円に対して、長期優良住宅は最大1300万円控除されます。 ほかにも、土地や建物の所有者に掛かる「固定資産税」の減税適用期間を長くできたり、住宅を登録する際に必要な「登録免許税」の税率も一般住宅より低く抑えたりできます。
②快適な暮らしができる高断熱仕様
長期優良住宅の認定基準に断熱性の確保というものがあります。省エネ性を高めることが目的で定められた項目ですが、これによって一般的な住まいよりも断熱性能が高くなっています。
断熱性が高いことで暑い夏でも光熱費を抑えながら、快適な室温で過ごすことができます。
③寿命が長く、資産価値が落ちにくい
長期優良住宅の認定を受けている場合、10年以内ごとに定期的な点検を必要としています。この定期点検でこまめに点検、修繕をしてくれるため、長く暮らしているお住まいの質を維持することができ、住宅としての資産価値が保たれます。
ちなみに、一般的な戸建ての寿命が約50年と言われているのに対し、長期優良住宅は約100年と言われています。 この先永く住まいを残すためにも、定期的なメンテナンスは怠らないようにしましょう。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅と認定されるためには、各性能項目の基準を満たすように住宅の建築計画及び一定の維持保全計画を策定して、所管行政庁の認定を受ける必要があります。認定を受けた計画に従って建築をし、維持保全を行います。
①劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること（躯体が少なくとも100年継続使用するための措置が講じられている）
②耐震性
極めてまれに発生する地震に対し、少しの改修で住み続けられるよう、損傷の軽減を図ること
③維持管理・更新の容易性
耐用年数が短い設備（給排水管など）の点検や交換など維持管理がしやすいこと
④可変性
将来ライフスタイルの変化に応じて間取りの変更（設備配管の変更など）がしやすいこと
⑤バリアフリー性
将来バリアフリー改修に対応できるようなスペース（共用廊下の幅、共用階段の幅）が確保されていること
⑥省エネルギー性
必要な断熱性能などの省エネ性能が確保されていること
⑦居住環境
地域の街並みに調和するなど地域の良好な景観形成に配慮されていること
⑧住戸面積
良好な居住水準を確保するために必要な面積（戸建ては75平米以上、共同住宅は55平米以上）があること
⑨維持保全計画
定期的な点検・補修などの計画を行うこと
リフォームで長期優良住宅にできる
長期優良住宅は、新築一戸建てで多いですが、リフォームでも認定を受けることができます。新築同様、ローンや税金の優遇を受けられるので、今住んでいる住まいや購入した中古住宅をリフォームし、長期優良住宅にするという選択も可能です。
ただし築年数が経っている住宅のリフォームは、天井の高さなどを認定基準レベルまで作り変える必要があり費用が高額になってしまいますが、築浅であれば、比較的安価でリフォームできるので検討されることをおすすめします。
※リフォームを検討中の方にご紹介したいのが、「長期優良住宅リフォーム推進事業」という補助金制度です。
長期優良住宅の認定を受けられるレベルの「認定長期優良型」や「高度省エネルギー型」のリフォームで、上限はありますが補助金を受け取ることができます。現在リフォームを検討されている方は、ぜひ調べてみてください。
まとめ
長期優良住宅とは、建築基準法に基づく耐震性や断熱性などの基準を満たし住宅設計において高い品質が保たれており、維持管理が適切に行われることによって長く住み続けることができる住宅のことを指します。
長期優良住宅は耐震性や断熱性が高くエネルギー効率が良いため、生活費の削減や環境保護にも繋がります。またリフォームやメンテナンス費用も抑えることが出来ます。
長期優良住宅は、新築一戸建てで多いですが、リフォームでも認定を受けることができます。上限はありますが補助金を受け取ることができますのでコストを抑えることができます。
現在リフォームや住宅購入を検討されている方は、ぜひ長期優良住宅を参考にされてください。
