「外壁や屋根の色は決めたけど…“軒天”の色って、どうすればいいの?」
外壁塗装のご相談を受ける中で、意外と多いのがこのご質問。
軒天(のきてん)はパッと見て目立つ場所ではないかもしれませんが、実は家の印象を左右する“隠れたおしゃれポイント”なんです。
白やクリーム系が多い中で、最近は黒やグレー、木目を活かしたクリア仕上げなど、デザイン性の高い色を選ぶ方も増えてきています。
軒天(のきてん)は家の外観において見落とされがちですが、
実は「見た目」「機能性」どちらにも大きな影響を与える重要な部分です。
この記事では…
軒天の役割や劣化症状、おすすめの色を中心に、外壁塗装時に失敗しないための基本知識をわかりやすく解説します。
そもそも「軒天」ってどこ?どんな役割?
外壁や屋根と比べると、あまり目立たない「軒天(のきてん)」。
しかし、家全体の美観や快適さを守るうえで、実はとても重要なパーツなのです。
軒天とは?
軒天とは、屋根の軒(のき)が外壁より出ている部分の“裏側”の天井のこと。
玄関まわりや家の外を歩いているとき、ふと見上げると見える部分ですね。
↑↑↑ 屋根の裏にある天井部分が軒天です
実はこんなにある!軒天の役割
軒天には、見た目以上にたくさんの役割があります。
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火災時の延焼防止
軒裏が燃え広がるのを防ぐ、防火のための部材として重要。 -
屋根裏の換気
湿気がこもらないよう、換気口が設けられていることもあります。 -
雨や日差しから外壁を守る
軒があることで、雨や紫外線が外壁に直接当たりにくくなるんです。 -
見た目の仕上げ・美観アップ
屋根の構造部分(垂木や梁など)を隠し、外観をスッキリ整えます。
軒天のおすすめ色は?おしゃれな配色アイデア5選
軒天の色を変えるだけで、家全体の印象がグッと洗練される――
そんな“隠れたおしゃれテクニック”があるのをご存じですか?
軒天は見上げないと目立たない部分ですが、外壁や屋根との組み合わせ次第で、統一感・清潔感・重厚感を演出できる重要なポイント。
ここでは、外壁塗装でもよく採用されているおすすめカラーを、実例とともにご紹介します。
白(ホワイト):清潔感・明るさ重視の王道カラー
最も多く使われているのが「白系」。
外壁・屋根の色に関係なくなじみやすく、家全体を明るく爽やかに見せてくれます。
こんな家におすすめ:
✔ ナチュラル・シンプル系の住宅
✔ ベージュやアイボリー外壁との組み合わせ
✔ 周囲に圧迫感を与えたくない方
クリーム・ベージュ系:やわらかく、優しい印象に
白に近いけれど、少し色みを加えた「クリーム系」や「ライトベージュ」も人気です。
あたたかみがあり、外観にナチュラルさや柔らかさを演出します。
こんな家におすすめ:
✔ 木目調サイディングやウッドデッキのある家
✔ 和モダンテイストの住宅
✔ 屋根が茶系やグレー系の場合
黒・グレー:引き締め効果でスタイリッシュに
最近増えているのが、「ブラック」「チャコールグレー」などのダーク系カラー。
外観全体を引き締め、モダンで高級感のある雰囲気に仕上がります。
こんな家におすすめ:
✔ モノトーン調の外壁(黒・白・グレー系)
✔ シャープなデザイン住宅
✔ ツヤのある屋根材との組み合わせ
アクセントカラー:遊び心と個性をプラス!
一部だけ「木目調のシート仕上げ」や「ブルーグレー」などを使い、軒天を“デザインの一部”として活用する方も増えています。
あえて軒天に個性を持たせることで、外観にメリハリが生まれ、おしゃれ度がグッとアップします。
こんな家におすすめ:
✔ 他と被らないデザインにしたい
✔ セカンドハウス・店舗併用住宅など
✔ 玄関まわりだけ色を変えたい場合
クリア仕上げ(木目を活かす):自然素材の温もりを演出
「塗る」というよりも、“魅せる”軒天にしたい場合は、木部をそのまま活かしたクリア塗装が最適です。
特に、天然木の軒天を使っている家では、ウレタンクリアやキシラデコールなどを用いて、木の風合いを残す仕上げが人気です。
こんな家におすすめ:
✔ 平屋や和風住宅、平板瓦の家
✔ 自然素材を取り入れたナチュラル系
✔ 木製の玄関ドア・フェンスと相性◎
☝色を決めるときのワンポイントアドバイス
軒天の色は「外壁」や「破風板」「雨どい」などとバランスを見るのが大切。
家全体の“統一感”と“立体感”をイメージしながら選ぶと失敗しません!
軒天が劣化するとどうなる?放置NGな症状とサイン
「軒天ってあまり目立たないし、少し汚れてても大丈夫でしょ?」
そう思っていませんか?
実は、軒天の劣化をそのままにしておくと、見た目だけでなく“家の寿命”にも関わる重大なトラブルにつながることもあるんです。
ここでは、よくある劣化のサインと放置した場合のリスクをご紹介します。
■ 色あせ・汚れ・カビの発生
軒天は風通しが悪く湿気がたまりやすい場所のため、黒ずみ・カビ・苔などの汚れが目立ちやすくなります。
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「うっすら黒いシミが広がってきた」
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「白かった軒が、グレーがかってきた」
これらは劣化の初期症状。塗膜の防水性が落ちてきているサインでもあります。
👉 軽度な汚れであれば、洗浄や再塗装で対応可能です。
■ 塗膜の剥がれ・膨れ
塗膜が劣化すると、軒天の表面がペリペリとめくれてきたり、ふくれたような状態になることがあります。
この状態になると、防水性がほとんど失われているため、雨水が染み込みやすくなり、さらに劣化が加速します。
👉 雨が降った後に軒天に「しみ」ができていたら、すぐに点検を。
■ 木部の腐食・シロアリ被害
軒天に使われているのが「ベニヤ板」や「木製パネル」の場合、水分を含みやすく、腐食やシロアリの被害を受けやすくなります。
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表面がブカブカしている
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押すと沈む・たわむ
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小さな穴が空いている
これらの症状があれば、構造材まで傷んでいる可能性も。塗装だけでなく部分的な張り替えが必要になるケースもあります。
■ 小動物の巣・虫の侵入
劣化した軒天にすき間や穴ができると、そこから鳥やハチが巣を作ったり、虫が入り込むことも。
外からは見えづらく、気づいた時には“中で繁殖していた”なんてことも…。
👉 定期的に軒天の状態をチェックして、異変があれば早めの対応を。
💡 こんな時は要チェック!
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軒下に黒い水たまり跡ができている
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軒天が風でバタバタ音を立てている
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最近、カビ臭いニオイが気になる
ひとつでも当てはまる方は、まずは塗装業者に相談してみましょう!
軒天の塗装で後悔しないためのポイント
軒天の塗装は、色選びだけでなく「素材の状態」や「塗料の種類」によっても仕上がりが大きく変わります。ここでは、塗装前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
下地の劣化状態をしっかり確認
軒天がベニヤや木材の場合、表面だけ塗っても内部が腐っていればすぐに再劣化してしまいます。
👉 塗装前に「浮き・反り・腐食」などがないかをチェックし、必要なら張り替え+塗装を検討しましょう。
使用する塗料に注意!
軒天には通気性・防カビ性に優れた塗料を選ぶのが鉄則です。
特におすすめされるのが「防カビ塗料」や「透湿性塗料」。
湿気がたまりやすい軒天に最適で、長持ちしやすく、見た目も美しく仕上がります。
色選びは“全体のバランス”がカギ
軒天だけ奇抜な色を選ぶと、外観がちぐはぐに見えてしまうことも。
おすすめの流れは…
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外壁とのバランスを見て決める
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サッシや屋根の色とトーンを合わせる
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ベースカラーの「明るさ」を揃える
👉 迷ったときは【白・クリーム・グレー系】などの“なじみカラー”が安心です。
■DIYではなく専門業者に依頼を
「手が届きそうだから、自分で塗れそう」と思われる方もいますが…
軒天は意外と作業姿勢が難しく、天井面への塗装はムラが出やすい部分でもあります。
また、塗膜の厚み・乾燥時間・防カビ性など、塗料の選び方にも知識が必要です。
👉 長持ちさせたいなら、やはりプロに任せるのが安心です。
まとめ
軒天は、普段あまり注目されない場所ですが、**外壁と屋根をつなぐ大切な“見せ場”**でもあります。
実際に塗り替えると…
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外観の雰囲気が引き締まる
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おしゃれに見える
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清潔感や高級感がアップする
など、想像以上に大きな変化を感じられるはずです。
また、見た目の印象だけでなく、
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雨や湿気から建物を守る
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カビ・腐食の予防につながる
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シロアリなど害虫の侵入リスクを減らす
といった、機能的な役割も持っています。
だからこそ、「とりあえず白でいいか…」ではなく、建物全体のバランスを見ながら色を選ぶことが大切です。
🎨 軒天の色選びに迷ったら…
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白やクリーム:明るく清潔感のある印象に
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黒・グレー系:スタイリッシュで引き締まった印象に
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木目調やアクセントカラー:個性と高級感を演出
👉 色でお悩みの際は、カラーシミュレーションや施工事例などを活用しながら、じっくり検討してみてくださいね。