
外壁の一面だけ色あせや汚れが目立っていると、
「この一面だけ塗装すれば、全面塗装よりかなり安くなるのでは?」
「一面だけでも足場代は必要?」
「足場がいらない場所なら、もっと費用を抑えられる?」
と気になる方もいると思います。
実際、外壁は一面だけ塗装することもできます。
結論|一面だけの塗装はできますが、費用が全面塗装の4分の1になるとは限りません。
足場、高圧洗浄、養生、下地処理など、塗装面積が小さくなっても必要になる費用があるためです。
特に2階部分まで施工する場合は、一面だけの塗装でも足場が必要になることがあります。
一方で、部分的な足場で施工できる場合や、低い場所で足場を使わず安全に施工できる場合は、全面塗装との費用差が大きくなることもあります。
つまり、一面塗装がお得かどうかは、
・足場がどこまで必要か
・塗装する一面の広さや高さ
・補修がどのくらい必要か
・残り3面をいつ塗装することになりそうか
まで含めて考える必要があります。
今回は、一面だけ塗る場合と全面塗装では実際にどのくらい費用が違うのかを中心に、足場あり・部分足場・足場なしの場合の違いや、一面塗装を選ぶときの判断ポイントを分かりやすく整理します。
外壁は一面だけでも塗装できます
外壁塗装というと、建物の四方をすべて塗り替えるイメージがありますが、状態によっては一面だけ施工することもあります。
たとえば、
- 西側だけ強く色あせている
- 北側だけコケや藻が目立つ
- ベランダ側だけ劣化が進んでいる
- 増築部分など一部だけ塗装時期が違う
といったケースです。
外壁は、四方すべてが同じ条件にさらされているわけではありません。
日当たりや雨風、湿気、隣家との距離などによって、一面だけ傷みが早く進むことがあります。
「一面だけ傷んでいる=家全体を塗らなければならない」とは限りません。
ただし、一面だけ施工できることと、一面だけ施工する方が費用面でも将来的にも合理的かどうかは別の話です。
一面だけ塗装すると、全面塗装よりどれくらい安くなる?
一番気になるところだと思います。
まず、一般的な30坪前後の戸建住宅で外壁全面を塗装する場合、建物の状態や塗料、施工範囲などによって費用は大きく変わります。
一面だけの場合も同じで、
- 一面の広さ
- 1階だけか2階まであるか
- 足場の範囲
- 外壁の傷み
- コーキング補修の有無
- 使用する塗料
- 養生や洗浄の範囲
によって金額が変わります。
そのため、以下は30坪前後の戸建住宅を想定した比較イメージとして見てください。
| 工事のケース | 費用のイメージ |
|---|---|
| 外壁全面塗装 | 約70万~130万円前後 |
| 一面塗装+建物全体に足場が必要 | 約30万~60万円前後になるケース |
| 一面塗装+部分的な足場で施工可能 | 約20万~45万円前後になるケース |
| 低所など足場なしで安全に施工可能 | 約10万~30万円前後になるケース |
※上記は比較しやすくするための概算例です。 建物の大きさ、施工面積、塗料、下地補修、足場条件などによって実際の見積金額は大きく変わります。
一面だけ塗装しても、全面塗装の4分の1にはなりにくいのがポイントです。
なぜ一面だけなのに思ったほど安くならないの?
たとえば全面塗装が100万円だった場合、
「4面のうち1面だけだから25万円くらい?」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、外壁塗装には塗料代以外にも費用がかかります。
- 足場
- 飛散防止ネット
- 高圧洗浄
- 養生
- 下地処理
- 材料や道具の準備
- 職人の作業
- 現場管理や諸経費
塗る面積が4分の1になっても、これらすべてが4分の1になるわけではありません。
特に影響が大きいのが足場です。
外壁一面だけの塗装であっても、2階部分まで施工する場合などは、安全に作業するために足場が必要になることがあります。
そのため、
塗装する面積は少ないのに、足場費はある程度必要
という状況になると、全面塗装との差が思ったほど大きくならない場合があります。
一面だけでも家全体に足場を組むことがある?
あります。
「西側しか塗らないのだから、西側だけ足場を組めばいいのでは?」と思うかもしれません。
実際に部分的な足場で施工できるケースもあります。
ただし、
- 建物の形
- 足場を安定して設置できる場所があるか
- 作業する高さ
- 隣家との距離
- 作業範囲
- 安全に施工できるか
などによって、部分足場で対応できるかは変わります。
一面だけだからといって、必ず部分足場にできるわけではありません。
反対に、条件が合えば必要な面だけに足場を設置でき、全面足場より費用を抑えられることもあります。
見積もりでは「一面だけの場合、足場はどの範囲に必要ですか?」と確認すると分かりやすくなります。
足場がいらない一面塗装なら、かなり安くなる?
足場費が不要になれば、その分、全面塗装との差は大きくなりやすくなります。
たとえば、
- 1階部分の低い場所
- 小さな範囲
- 安全に施工できる場所
などでは、大掛かりな足場を設置せずに対応できることがあります。
このような場合は、
塗装面積+下地処理+養生などを中心とした費用
になるため、一面・部分塗装のメリットが出やすくなります。
ただし、費用を抑えるために、本来足場が必要な高所を足場なしで施工するという意味ではありません。
安全に施工するために足場が必要な場所では、部分工事でも必要な費用として考えます。
費用だけなら一面塗装の方が得?
今回の見積金額だけを見れば、一面塗装の方が安くなることはあります。
しかし、もう一つ確認したいことがあります。
残りの3面を、あと何年そのままにできそうか
という点です。
たとえば、今回一面塗装を行い、数年後に残りの外壁も塗装することになれば、再び足場や準備費用が必要になる場合があります。
反対に、前回の全面塗装からまだそれほど年数が経っておらず、残りの3面は良い状態で、一面だけ日当たりなどの影響で劣化しているなら、一面だけ施工する方が合理的なこともあります。
つまり、
一面塗装が得かどうかは、「今回いくら安いか」だけでは決まりません。
たとえば「一面40万円・全面100万円」ならどう考える?
具体的に考えてみましょう。
一面塗装:40万円
全面塗装:100万円
だったとします。
差額は60万円です。
残りの3面がまだ長く持ちそうなら、
「今40万円で必要な面だけ施工し、全面塗装はまだ先」
という考え方ができます。
しかし、残りの3面も2~3年以内に塗り替えが必要になりそうなら、
今回40万円
+
数年後に残りの工事と再度の足場
となります。
この場合は、
今回100万円で全面塗装する場合と、工事を2回に分ける場合の総額
を比較した方が分かりやすくなります。
色や艶の差も費用と一緒に考えたいポイント
費用だけでなく、仕上がりも確認しておきましょう。
同じメーカー・同じ色番号の塗料を使っても、新しく塗った面と数年間経過した面では、
- 色あせ
- 汚れ
- 艶
などに違いがあります。
そのため、
新しく塗った一面だけ少し明るく見える
一面だけ艶が強く見える
といったことがあります。
家全体の見た目を揃えることを重視する場合は、多少費用が上がっても全面塗装を選ぶ方が納得しやすいこともあります。
反対に、道路からほとんど見えない面など、色差があまり気にならない場所なら、一面塗装を選びやすくなります。
一面塗装を検討しやすいケース
一方、
- ほかの面にもチョーキングや色あせがある
- コーキングも全体的に傷んでいる
- 前回の塗装から長期間経っている
- 数年以内に残りの面も施工しそう
- 全面足場が必要
- 外観をきれいに揃えたい
という場合は、全面塗装まで比較した方がよいでしょう。
見積もりでは「一面」と「全面」の両方を聞いてみましょう
一面だけの塗装を考えている場合、
「一面だけならいくらですか?」
だけで終わらせないことをおすすめします。
「この一面だけ塗る場合はいくらですか?」
「その場合、足場はどこまで必要ですか?」
「全面塗装にすると総額はいくらですか?」
「残りの3面は、今の状態ならどのくらい様子を見られそうですか?」
この4つが分かれば、
今回の差額と数年後まで含めた差額の両方を考えられます。
「全面塗装がお得です」「部分塗装で十分です」という結論だけではなく、なぜその方が合理的なのかまで説明してもらうことが大切です。
「一面だけでよいのか、全面塗装まで必要なのか」と迷っている方へ
一面塗装だけでなく、部分補修・部分塗装・全面塗装まで含めて、どこまで工事が必要かを整理した記事はこちらです。
まとめ|一面だけなら安くなる。でも「4分の1」とは限りません
外壁は一面だけ塗装することもできます。
また、全面塗装と比べれば、施工範囲が小さい分、費用を抑えられるケースもあります。
ただし、
一面だけだから費用も全面塗装の4分の1、とは限りません。
足場が必要になると、一面塗装でも一定の固定費がかかります。
反対に、低所などで足場を設置せず安全に施工できる場合や、部分足場で対応できる場合には、部分塗装の費用メリットが大きくなることがあります。
比較するときは、
- 一面塗装の金額
- 足場の範囲
- 全面塗装との差額
- 残り3面の状態
- 次に塗装が必要になる時期
まで確認しましょう。
一面塗装40万円、全面塗装100万円なら、差額は60万円です。
その60万円を今抑えることに意味があるのか。
それとも数年後の再工事や足場まで考えると、今回まとめた方がよいのか。
そこまで比較して初めて、
「自分の家は一面だけでよいのか」
が見えてきます。
外壁塗装は、広く塗れば得でも、狭く塗れば得でもありません。
今必要な工事範囲と、次のメンテナンス時期を一緒に考えて選ぶことが大切です。




















