外壁塗装の見積もりを取ると、
「こちらが標準プランです」
「こちらは耐久性の高いプランになります」
というように、いくつかの塗料プランを提案されることが多いと思います。
その中に、
シリコン・ラジカル・フッ素といった言葉が並びますが、
正直――
・何がどう違うのかよく分からない
・価格差の理由がピンとこない
・高い方を選ばないと後悔するのでは?
そんな気持ちになる方も少なくありません。
塗料によっては数十万円の差が出ることもあります。
だからこそ、「なんとなく良さそう」で決めてしまうと後悔につながることがあります。
この記事では、営業トークに左右されない
“家を守る目線”での塗料の選び方を分かりやすく解説します。
まず結論:選び方はこう考える
・初期費用を抑えたい → シリコン
・コストと耐久性のバランスを重視 → ラジカル
・15年以上長く住む予定 → フッ素(さらに耐久性を重視したい方向け)
塗料選びで大切なのは、
単純な「グレードの高さ」ではなく、
今の予算と、これからの住まい方との相性です。
シリコン塗料とフッ素塗料の違い
基本比較表
| 項目 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
|---|---|---|
| 耐用年数 | 約8〜13年 | 約15〜20年 |
| 価格帯 | 中価格 | 高価格 |
| 汚れにくさ | ○ | ◎ |
| 色あせ耐性 | ○ | ◎ |
| 再塗装の目安 | 約10年前後 | 約15年以上 |
長く住む場合、フッ素の方が塗り替え回数が1回程度少なくなる可能性があります。
ただし、建物の状態や立地環境によって差は出ます。
シリコン塗料とは?
現在の戸建て住宅で最も多く採用されている“標準的な塗料”です。
シリコン樹脂を主成分としており、
耐候性(紫外線や雨への強さ)と価格のバランスが取れているのが特徴です。
耐用年数の目安は約8〜13年。
価格も比較的抑えやすいため、
・初めての塗り替え
・コストを抑えながらもしっかり保護したい
・標準的な耐久性で十分と考えている
という方に多く選ばれています。
現在でも“基準となる塗料”として広く使われており、
フッ素に比べて価格が抑えられるため、コストパフォーマンスを重視する方に選ばれています。
決して性能が低いわけではなく、適切な価格で十分な耐久性を提供できる塗料です。
フッ素塗料とは?
フッ素樹脂を配合した高耐久タイプの塗料です。
紫外線に非常に強く、
雨風や排気ガスなどの外的ダメージにも強いのが特徴です。
耐用年数の目安は約15〜20年と長く、
再塗装までの期間を延ばしやすい塗料です。
その耐久性の高さから、
・マンション
・公共施設
・商業ビル
など、メンテナンス回数を減らしたい建物にも採用されています。
戸建て住宅では、
「できるだけ長期間塗り替えを避けたい」
「耐久性を重視して、長持ちさせたい」
と考える方に選ばれることが多い塗料です。
価格差はどのくらい?
30坪住宅の目安
-
シリコン塗料:約80〜100万円
-
フッ素塗料:約95〜130万円
差額は約15〜30万円程度です。
「せっかくなら高い方が安心かも」と思う方もいれば、
「予算に余裕がないから、シリコンで十分かな?」と迷われる方もいらっしゃいます。
実際に多くの方がまず考えるのは、
“今回の予算に収まるかどうか”ですよね。
それは非常に自然な判断です。
ですが、耐久性や将来の塗り替え頻度も考慮することで、
さらに賢い選択ができるかもしれません。
例えば、
-
この家にあと何年住む予定か
-
再塗装のタイミングを何歳で迎えるか
これらの視点を少しだけ加えて考えると、
「今の予算と将来の負担のバランス」が見えてきます。
塗料選びは、単なる高い・安いの選択ではなく、
耐久性とコストのバランスをどう取るかが大切なのです。
シリコン塗料は、コストパフォーマンスに優れた優秀な選択肢ですが、
一般的には約10年前後で再塗装の目安を迎えます。
その際には、再度の足場設置や工事の負担がかかる可能性があります。
この点も踏まえ、無理のない範囲でご自分に最適な選択をすることが重要です。
実は今の主流は「ラジカル塗料」
最近、戸建て塗装で増えているのが
ラジカル制御型塗料です。
「ラジカル」とは、
太陽の紫外線で塗料の中に発生する劣化因子のことです。
外壁は紫外線を浴び続けると、この**劣化因子(ラジカル)**が生まれ、
塗膜の結びつきが弱くなり、外壁が傷んでいきます。
これが色あせやチョーキングの原因です。
ラジカル塗料は、
この劣化因子の発生や働きを抑える仕組みを持っています。
なぜ人気なのか?
ラジカル塗料が選ばれる理由は、とてもシンプルです。
・価格はシリコンと大きく変わらない
・紫外線による劣化に強い
・チョーキング(白い粉化)が起きにくい
・耐用年数は約12〜15年
つまり、
シリコンよりやや高性能
でもフッ素ほど高額ではない
という“ちょうどいい立ち位置”なのです。
今の位置づけを整理すると
・コスト重視 → シリコン
・バランス型 → ラジカル
・長期耐久重視 → フッ素
というイメージになります。
現在の戸建て塗装では、
「せっかくならシリコンより少し長持ちさせたい」
という理由で、ラジカルを選ばれるケースが増えています。
ラジカル塗料の特徴と選ばれる理由はこちら
👉【2026年版】ラジカル塗料のメリット・デメリット|屋根・外壁塗装で選ぶ前に知っておきたいこと
こんな方はシリコンが向いています
・「まずは今回の予算内でしっかり塗装したい」と考えている方
・10年以内に住み替えや建て替えの可能性がある方
・標準的な耐久性があれば十分と感じている方
無理にグレードを上げなくても、
今のライフスタイルに合っていればシリコンは十分な選択です。
こんな方はラジカルが向いています
・「できるだけコスパ良く、でも少し安心感も欲しい」方
・色あせやチョーキングをなるべく抑えたい方
・シリコンより少しだけ性能を上げたいと考えている方
価格と耐久性のバランスを重視するなら、
ラジカルは今とても選ばれている塗料です。
こんな方はフッ素が向いています
・この先15年以上、今の家に住み続ける予定の方
・海沿いや日差しが強い地域にお住まいの方
・「次の塗り替えをできるだけ先に延ばしたい」と考えている方
・長期間塗装のメンテナンス負担を軽減したい方
初期費用は高めですが、
耐久性に優れ、長期間安心して過ごせる塗料です。
将来的に塗り替えの頻度を減らしたいと考えている方には、
長期的に見て非常に有効な選択肢となります。
塗料よりも重要なこと
どんなに高性能な塗料を選んでも、
正しく施工されなければ本来の性能は発揮されません。
例えば――
■ 下地処理
ひび割れや古い塗膜をきちんと補修せずに塗ってしまうと、
どんな塗料でも早く剥がれてしまいます。
■ 高圧洗浄
汚れやコケが残ったままだと、
塗料がしっかり密着せず、数年で浮いてくることもあります。
■ 乾燥時間の管理
塗料は、決められた乾燥時間を守って重ね塗りすることで耐久性が出ます。
工期を急いで乾燥が不十分なまま塗ると、寿命が短くなる可能性があります。
■ 塗布量の厳守
塗料には「1㎡あたり何kg塗る」という基準があります。
これより薄く塗ってしまうと、カタログ通りの耐久年数は期待できません。
つまり、
塗料のグレード以上に「施工の質」が重要なのです。
「高い塗料を選んだから安心」ではなく、
“正しく施工されているかどうか”が、
10年後・15年後の差につながります。
では、その施工の質はどう見極めればよいのでしょうか。
難しく考える必要はありません。
見積書に工程が具体的に書かれているか、
塗布量や乾燥時間についてきちんと説明があるか、
質問に対して分かりやすく答えてくれるか。
こうした点を見るだけでも、
施工への姿勢はある程度判断できます。
まとめ
外壁塗装の塗料選びは、
「一番高いものを選ぶこと」ではありません。
大切なのは、
・今回のご予算
・これからの住まい方
・建物の状態
この3つに合った“ちょうどいい選択”をすることです。
シリコンにも、ラジカルにも、フッ素にも、それぞれ役割があります。
どれが正解かは、家ごとに違います。
迷ったときは、
まず今の外壁の状態を正しく知ることから始めてみてください。
塗料のグレードを上げることよりも、
現状を把握することが、後悔しない第一歩です。
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